第14講 TA(交流分析) 4

第14講 TA(交流分析) 4

おはようございます。
 昨夜はコア・コンピタンス委員会主催の食事会。肉は十分すぎるほど用意しました。そのためか、デザートまでたどり着かない人続出。一方ではご飯を3杯食べる人、ひたすらしゃべり続ける人、黙々とヤキトリを焼いて配って歩く人……。さまざまですね。次回食事会は8月24日(金)と決定しました。
 食事会の開催目的のひとつはコミュニケーションを活発にすることです。日常業務では特定の部署の人とばかり会話することが多いもの。どうしてもストロークが不足しがちになってしまうのです。

肯定的ストロークと否定的ストローク

ストロークとは、ひと言で言えば「相手の存在を認める働きかけ」のこと。あいさつ、拍手、握手、話しかける、ほめる、うなずく、相手の目を見る、手を振る、微笑む、話をよく聴く……。これらはみなストロークです。
 ストロークが欠乏すると、さまざまな問題が発生します。孤独感を味わったり、ちょっとしたことで傷ついたり、性格がゆがんできたり、悪口・陰口が増えたり、問題を隠すようになったり……。こうなると、社内のモチベーションが著しく低下すると同時に、社風が目に見えて悪化してしまうでしょう。
 社内でも家庭でもどこでも、ストロークで満たしていく場づくりを心がけていかねばなりません。特に、幹部やリーダーの人たちは「自分には場の雰囲気をよりよくしていく責任がある」と自覚する必要があります。誰かからストロークを与えられるのを待っているようでは、幹部、リーダーとはいえないのです。
 人間には「触れ合いの刺激への欲求」があります。これが幼児期に十分満たされると、自分や他人に対する信頼感や肯定感が形成されていきます。逆に満たされないと、不信や警戒心といったものを身につけることになります。
 したがって、育児においてはストロークというものが非常に重要になるわけですが、同じことが社風形成にも当てはまるのではないかと僕は考えています。言葉、表情、態度による触れ合い。これが不足すると、同じ会社の人であっても不信感や警戒心につながっていく。中には社内に自分の居場所がない……と感じる人も出てくるでしょう。心地よい、安心できる刺激が社内には必要なのです。
 ストロークには肯定的ストロークと否定的ストロークの2種類があります。
 肯定的ストロークとは、これまで述べてきた心地よさや安心を相手に与えるようなストロークのことです。
 しかし、それだけでは部下を育てることも子育てもできません。当然ながら、問題点を指摘したり、厳しいことを伝える必要も出てくるでしょう。叱る、注意する、忠告する……。これらを否定的ストロークといいます。
 幹部の人たちが気をつけねばならない点は、肯定的ストロークと否定的ストロークのどちらかに偏らないこと。肯定的ストロークだけでは人は育ちませんし、否定的ストロークが増えてしまうと、部下は萎縮したり、自信を失ったりするものです。また、その人の性格や成長度合いに合ったストロークの与え方を工夫すべきでしょう。

ストロークとディスカウント

ストロークの反対に「ディスカウント」というものがあります。ストロークは「相手の存在を認める働きかけ」ですが、ディスカウントのほうは「相手の存在、価値を値引く」こと。相手を軽視したり、無視したり、否定や排除をするような言動、行動。当然ながら、幹部がディスカウントを行ってはいけませんし、部下に対してもディスカウントに類する問題行動がないか、気を配る必要があります。
 ここで気をつけねばならない点は、否定的ストロークとディスカウントとを混同しないこと。というのも、見かけ上、両者が似たような現象に見えることがあるのです。
 否定的ストロークには「叱る」という刺激がありますが、これは相手の存在や価値を否定しているわけではありません。部下の成長のために必要だと思って叱る。これは部下の才能や将来性を見込んでいるからこそ、厳しくメッセージを伝えているのです。
 否定的ストロークとディスカウント。両者の決定的な違いは「相手に対して親しみや愛情があるかどうか」ということでしょう。そのような気持ちをしっかり感じながら人材育成を行えば、多少厳しめに伝えたとしても正しくメッセージを受け止めてくれるに違いありません。
 ただし、ストロークを与える側と受ける側との間には、感覚の違いがあると思います。したがって、否定的ストロークを与える前に、良好な人間関係が築かれているかどうかがポイントとなるでしょう。やはり、メインは肯定的ストロークであるべきなのです。
 ディスカウントを受け続けた人は、人格に歪みが現れてしまう場合があります。特に子供の頃、ディスカウントを繰り返し受けると、問題のあるものの見方や感じ方、行動の仕方、生き方をしてしまうケースが多いもの。自分の価値を認められなかったり、相手を平気で傷つけたり、現実の問題から目を背ける(問題そのものをディスカウントする)ようになるのです。
 人格に歪みが生じた人の場合、自己防衛のために問題行動を起こすことが少なくありません。問題行動には4つのパターンがあるとされています。
1.萎縮
2.抑圧
3.逃避
4.対抗
 これらのうち「萎縮」「抑圧」「逃避」はエゴグラムでいうとACに相当する部分。「対抗」はRCです。人格に歪みが生じると、AC、RCの数値が高くなる傾向が出てきます。大人になりきれず、問題行動に走ってしまうわけです。したがって、仕事を通じてAを高めることが重要。また、NPの高い職場環境の中で、子供の頃に得られなかったストロークを素直に受け取ることが大切といえるでしょう。

※「新版・次世代幹部養成塾」はソーゴー印刷若手社員向けに作成しているものです。異業種、他社の方には当てはまらない考え方も含まれていることを、あらかじめご承知おきください。

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高原淳写真的業務日誌