
おはようございます。
ハードな一日でした。午前11時から帯広柏葉高校同窓会野遊会。気温32度。前夜に続く焼肉。午後3時、十勝川温泉へ。「理念と経営」経営者の会北海道大会。木野親之氏講演会。自社に……ではないな、自分に欠けているものがわかったような気がする。5時半いったん帰宅。6時出発。眠い。仮眠を含め5時間かかると思ったが、10時頃には名寄に到着。気づいたら眠っていました(変な日本語)。
やりとり分析
家族、同僚、仕事で関わる多くの人々。あらゆる人にストロークを与えたい……。心の中ではそう思っていても、うまくいかない、円滑なコミュニケーションを妨げているものがある、と感じることはないでしょうか? 人とのコミュニケーションはおもに会話によって成り立っています。どうもうまくいかない。そう感じている人は、自分が何気なく行っている日常のやりとりを分析してみる必要があります。自分のエゴグラムを思い出し、PACのどこを使ってやりとりが行われているのか、確認してみるのです。
「バカモン! 何度言ったらわかるんだ」(上司)
「……」(部下)
我が社ではまずあり得ないやりとりですが、こんな会話が行われているときは「CP→AC」または「CP→RC」のやりとりと考えられます。叱られて萎縮するのがAC、反発の気持ちを持つのがRC。「……」ではACかRCかはわかりません。部下を指導する際、ときにはこうした叱責も必要でしょう。しかし、「CP→AC」「CP→RC」が延々続くようでは、健全な人間関係は築けません。この場合、上司が気づいて意識的にAとAのやりとりに切り替える必要があります。理性的な会話によって、部下は状況を客観的に見ることができるようになっていきます。
相手がAとAのやりとりを期待して話しているのに、CPやRCで反応したらどうでしょう? 期待とは異なる反応が返ってくるコミュニケーションを「交叉交流」といいます。トラブルが起こりがちなパターンです。
「社内でSNS専門チームをつくって集中的に自社の情報発信を行ったらどうでしょう?」(部下)
「そんな暇があったら、営業へ行ってこい!」(上司)
これは部下がAを使って刺激を与えたものの、上司はCPで反応したという例。
「来月、新規事業を始めるから、A君もプロジェクトに加わってくれ」(上司)
「ええっ? すでに3つもプロジェクトを抱えているのに、何言ってるんですか!」(部下)
この場合は、上司がAの刺激、部下がRCで反応したことになります。
このように、職場で何気なく繰り広げられているやりとりを分析すると、どうすればコミュニケーションが円滑に進むのか、わかってくるのではないでしょうか?
代表的なやりとりを紹介するので、参考にしてください。
・CP-AC (またはRC) こじれた人間関係ができやすい
・NP-FC 明るく温かく、健全な人間関係
・A-A 問題解決や意思決定に適したやりとり
・FC-FC 楽しい場をつくり出すパターン
・RC-RC(またはCP) 競争的、反抗的関係を生む
・AC-CP 上下関係や「責める-責められる」の関係に多い
裏面交流を減らす
エゴグラムややりとり分析について知らなくても、多くの人がトラブルや対立、気まずい関係を避けるために、コミュニケーションの仕方を工夫していることでしょう。
その中のひとつに「裏面交流」(隠されたやりとり)というものがあります。これは一見スムースな会話なのですが、裏のメッセージが込められているというもの。どの会社の職場にも見られるのではないでしょうか? 我が社にも……たぶんあるでしょうね。次の会話はフィクションです。
「編集長、原稿ができました!」(部下)
「どれどれ。いいね、よく書けてるよ(あちゃー、日本語むちゃくちゃ……)」(上司)
AとA、またはFCとNPの会話のように見えても、実はCPやRCの反応が隠されていることがあります。裏のメッセージは何となく伝わっていくもの。裏面交流を続けると人間関係がこじれる一因となることがあります。できるだけ避けねばなりません。
とはいっても、人間の心理はそう単純なものではありません。自己防衛のひとつとして裏面交流を使うこともあれば、相手を傷つけたくないという思いから隠されたやりとりを行う場面も出てくるでしょう。いわゆる「大人の対応」が求められることも少なくありません。
それでも、相手のことを考えるのであれば、最適な機会を捉えて真のメッセージを伝えるべきでしょう。否定的ストロークを与える場合は、場所やタイミングが重要となります。
ビジネスの基本はAとAとのやりとりです。明るく楽しい職場をつくっていくには、そこにFCやNPが加わることが望ましい。我が社の場合はどうでしょう? バリバリ仕事をこなしながらも楽しく働いている人。そんな人はAとFCを効果的に使った会話を行っているのではないでしょうか?
AにCPが混ざると説教されているような気持ちになることがあります。幹部にCPは欠かせませんが、コミュニケーションの際には抑制することが求められます。CP的なメッセージをFCやAに置き換えて伝えることは十分可能。CPをそのまま相手にぶつけるのでは、上司として表現力不足といわねばなりません。伝え方を相手に合わせて工夫する。経営者や幹部にはそうした能力が求められます。
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