第14講 TA(交流分析) 7

第14講 TA(交流分析) 7

おはようございます。
 昨日は昼過ぎまで吉祥寺にいました。東京時代の会社、(株)遊文館として最後の仕事。無事契約完了。18年以上もやもやした状態にあったものがスッキリ解消しました。猛暑の中、吉祥寺の街を歩く。改めてよく見るとハモニカ横町のあたりがずいぶん変わっている。昔通っていた店は健在でした。夕方、帯広着。機内でビジネス書を1冊読み終えようと思ったものの、最後までたどり着かず。帯広は涼しい。空気がやさしく感じられました。

指示と禁止令

TAを学んでいくと、必然的に自分と向き合うこととなります。自分は人生をどのように捉え、どのように生きていくのか? これまでの人生を振り返ると、親からの影響が大きいと感じたり、子供の頃から無数の体験を重ねるうちに今の自分が形成されたことに気づくでしょう。
 自分の人生はいつの間にか方向づけられている。そう感じることはないでしょうか? TAではこれを「人生脚本」と言います。ある脚本に沿って、自分の人生を生きているのです。
 自分の人生には特定のパターンのようなものがあるはずです。前回の心理的ゲームもそのひとつ。ゲームはやめるべきパターンですが、他にもさまざまなパターンがあるはずです。「新しいものに飛びついては三日坊主に終わる」「一番にならないと気が済まない」「石橋をたたいても渡らない」……といった、その人の生き方を特徴づけるもの。
 これらは「親から影響を受けそのまま自分の生き方にした」可能性もあるでしょうし、逆に「親に反発を感じ、逆の生き方をする」というケースもあります。子供時代の環境や地域の文化、伝統から影響を受けることもあるでしょう。また、強烈な体験をしたことで、強い感情とともに人生の方向づけをする人もいます。
 さまざまな要素が混じり合って人生脚本がつくられていくわけですが、何といっても親の影響が一番大きいと考えてよいでしょう。TAでは、人生脚本が描かれるプロセスに、「指示(ドライバー)」「禁止令(ストッパー)」が強く作用していると考えられています。
 親は子育てをする中で、「……しなさい」という指示を繰り返し行います。子供はこれを「……してはダメ」という禁止令として解釈してしまう場合があります。代表的な指示・禁止令には次のようなものがあります。

「完全であれ」(指示)→「満足してはダメ」(禁止令)
 「強くあれ」(指示)→「人に弱みを見せてはダメ」(禁止令)
 「努力せよ」(指示)→「楽しんではダメ」(禁止令)
 「人様のために」(指示)→「自分を優先させてはダメ」(禁止令)
 「急げ」(指示)→「ゆっくりしてはダメ」(禁止令)

この5つの指示・禁止令のうちどれかは、多かれ少なかれほとんどの人が持っているのではないでしょうか。通常レベルでは問題になることはありません。しかし、それが自分の人生に暗い影を落としているようなら、禁止令を解く必要があるでしょう。
 人生脚本の形成に悪影響を及ぼす禁止令も数多くあります。
 「存在してはダメ」「成長してはダメ」「人に親しんではダメ」「子供らしくあってはダメ」「健康であってはダメ」「まともな人であってはダメ」……。「ダメ」という言葉が続くと、何となくげんなりしてしまいますね。ダメと考えてはダメなのです。

パーミッション

アメリカの精神科医、ロバート・グールディングとメアリー・グールディングのグールディング夫妻は、「再決断法」を生み出しました。
 これは自分を苦しめ、不幸にするような「不条理な禁止令」を変更し、自分の人生に必要な行動原則を手に入れるというもの。過去のトラウマ体験や親子関係よりも、「今の人生の課題や自分の願望」に焦点を合わせ、再決断を行うというのがグールディング夫妻の考え方。
 TA創始者のエリック・バーン博士は、人生脚本の書き換えはできないと考えましたが、グールディング夫妻は個人の内面には「自分を変える力」があると主張。自分の人生と現実の環境は変えられるものであると考えました。つまり、人生脚本は自分自身が書き直し続けていくべきものであり、親や他人から植え付けられた人生脚本に従う必要はないということ。自分の決断と努力によって、人生脚本は魅力的なものに書き換えることができる。グールディング夫妻は、再決断法によってTA発展に貢献することとなりました。
 禁止令を解くには「パーミッション(許可)」が効果的とされています。人生脚本を変えてよいという許可を与えるのです。本来は熟達したカウンセラーの仕事かもしれませんが、自分でもある程度はできると思います。「自分のあるべき姿」を宣言するのです。
 「私は自由にのびのび生きている!」とか「私は世界中の美と感動を表現しているカリスマフォトグラファーである!」といったものでもよいでしょう。できれば、ちょっと派手で楽しめるパーミッションがいいですね。力強く何度も宣言することで、禁止令は弱められていくことになるでしょう。
 最初の人生脚本は親の影響の下で描かれることになります。けれども、自分の理想とする生き方や人生目的を明確にすることで、今の人生をよりよいものに変えていくことができるはず。自分の人生に不当に介入してくるような指示・禁止令があれば、再決断法などを使って取り除いていくことが大切です。
 理想的と思える社風を築き上げたとしても、個人の持つ人生脚本を会社や上司が変えることはできません。しかし、上司として部下に対して「人生脚本を書き換える方法がある」ということを伝えることは可能なはず。我が社で毎年行っている「個人のコア・コンピタンス」も、捉え方によってはパーミッションの一種といえるかもしれません。

※「新版・次世代幹部養成塾」はソーゴー印刷若手社員向けに作成しているものです。異業種、他社の方には当てはまらない考え方も含まれていることを、あらかじめご承知おきください。

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高原淳写真的業務日誌