第15講 人材育成 4

第15講 人材育成 4

おはようございます。
 我が家の庭にある梅を収穫。1年おきに実をつける。一昨年は大豊作でしたが、今年は1/3といったところでしょうか。それでも10キロくらい収穫。梅酒にするか、梅干か? 昼、緑ヶ丘公園へ。十勝ファーマーズマーケット。買い物と昼食。のどかな空気が流れている。帰宅後、収穫作業の疲れがドッと出た。僕はファーマーには向いていないようです。1時間ほど仮眠……というよりも熟睡。夕方、ホテルヌプカでミーティング。おもしろい話がいっぱい出てきました。僕はその大半を忘れてしまうに違いない。クナウマガジンのS氏と一緒でよかった……。

コーチング

人材育成力の高い人は、意識しているか否かに関わらず、コーチングを行っているのではないかと思います。
 コーチングの「コーチ」とは馬車を意味します。馬車が人を目的地まで導くことから、「目標達成に導く=コーチング」という言葉が生まれました。コーチングの基本的な考えは、「答はクライアント(コーチングを受ける人)の中にある」というものです。コーチは「傾聴」「承認」「質問」の基本スキルを使いながらクライアントの抱える問題を一緒に解決していきます。
 通常、コーチングは1対1の面談の中で行われるもの。グループコーチングといったものもあるでしょうが、我が社ではたぶん行われていないはず。
 働き方改革が進み、個人面談の時間が確保しにくくなっています。近年の我が社では個人面談は活発に行われているとは言い難い。コーチングによる人材育成は、日常業務の会話の中で行われているのではないかと想像しています。改まった場ではなくともコーチングは可能。案外日常業務の中のほうが、本音が引き出されるような気もします。
 昨日述べた通り、コーチングは取材の仕事に非常に近い。傾聴、承認、質問。この3つを織り交ぜながら、取材相手の考えや気持ちを語ってもらう。これが我が社の行っている取材活動。傾聴、承認なしに、いきなり質問するようなことはありません。最初に信頼関係を構築すること。ここが重要になってきます。
 コーチングで気をつけるべきことは、コーチの考えをクライアントに押しつけないということです。特に、クライアントの言葉に対して、途中で口をはさんだり、否定的な意見を述べるのは厳禁。問題を解決するのは、あくまでもクライアント自身。間違った考えであっても、いったん受け入れるべきです。情報を共有し、相手に対して同情と共感を持つ。言葉は移ろいやすいものなので、相手の発する言葉は少しずつ変わっていくものです。
 人は自分で立てた目標や自分で見つけ出した方法には動機づけされますが、人から与えられた目標、やり方には動機づけされません。上司は正しい答がわかっていても、部下が発見するまで辛抱強く待つことが求められます。
 効果的な質問を投げかけながら聞き役に徹する。そして、クライアントの話がテーマから逸脱しそうになったら、質問力によって軌道修正の手助けをする。取材スキルを応用すれば、特に難しいことはないでしょう。
 ただ、相手の話に共感しすぎるあまり、コーチとしての役割を忘れてしまうようなケースが起こるかもしれません。コーチは常に冷静さを保つこと。部下の問題解決を手助けするという本来の目的を見失ってはいけません。
 コーチングは人材育成のみならず、取材や営業、さらに自分自身のため(セルフコーチング)にも役立ちます。コミュニケーションを高めるため、ぜひ身につけていただきたいと思います。

カウンセリング

社内にはコーチングだけでは解決しないような問題もあるのではないかと思います。どんな立場の人もストレスを感じながら仕事をしているはず。仕事そのもののストレスもあれば、対人関係のストレスもあるでしょう。程度の差はあれ、ストレッサー(ストレスの原因となるもの)が職場内に存在します。

1.物理的ストレッサー
  職場環境、仕事そのもの、天候……
 2.社会的ストレッサー
  職場における自分の立場、役職、上司・部下の目……
 3.心理的ストレッサー
  不安、不満、疑問、恐怖、疑心暗鬼……
 4.身体的ストレッサー
  過労、寝不足、老化、健康問題……

こうしたストレッサーによって、心や体に変調を来すケースが職場内では起こります。社内に専任の産業医やカウンセラーがいればよいのですが、中小企業ではそうもいきません。また、心身の変調は本人が気づかない場合もあります。周囲の同僚、上司が早めに気づいてサポートしてあげるべきでしょう。
 今は時代の大変革機にありますから、ほとんどの人が何らかの不安や恐怖を感じ、仕事そのものにもストレスを感じています。僕らはOJT、OFFJTを通じて「ストレスに強い自分」をつくっていかねばなりません。しかし、自力で強くなれるのは一部の人に限られるでしょう。心が弱まったときの回復場所とそれを手助けする人(コーチやカウンセラー)が必要なのです。
 幹部は部下の仕事をマネジメントするだけではなく、部下の心理面のマネジメントまで求められる時代となっています。心理面のケアは昔から行われていましたが、今はより複雑化、高度化しています。コーチングの中にカウンセリングの要素を加える必要もあるでしょう。
 ただし、深刻と思われる状況では素人が手を出すべきではありません。早めに専門医にかかるようすすめてください。
 それ以前に、職場内では部下、同僚が過度なストレスにさらされないよう、環境整備に努めることが重要ですね。経営環境、社会環境が厳しくなると、社外からのストレッサーが増加します。少なくとも、我が社の中だけはストレスを感じずに済むよう、好ましい社風の形成を社員全員心がけるべきでしょう。

※「新版・次世代幹部養成塾」はソーゴー印刷若手社員向けに作成しているものです。異業種、他社の方には当てはまらない考え方も含まれていることを、あらかじめご承知おきください。

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高原淳写真的業務日誌