
おはようございます。
朝は次世代幹部養成塾第21講。読書会の10回目。8時過ぎ、札幌へ向け出発。10時半、取材先に到着。新しいスタイルでつくられるムック本の取材。昼食は平和園太平店。午後1時半、2件目の取材。新たなコラボレーション商品をつくるという目的もあった。往復の道すがら、I氏と新しいプロジェクトの相談。編集部の人数は変わらないが、やるべきことは増えている。僕のGoogleカレンダーの予定もぎゅうぎゅうに詰まっている。連休前はまったく隙間がない……。そう思ったら、わずかに残った隙間に予定が追加されることになった。
チェックは論理的、科学的に行う
PDCAの「C」(チェック)と「A」(アクト)に話は移ります。
ハードに働く日々が続くと、実行した結果の評価をおろそかにしてしまうことがあります。つまり、仕事がやりっ放しになるということ。僕自身にも我が社にも、ちょっとだけそのような傾向がありますね。
「目標を達成してよかった」「ダメだった、残念」。これで終わってしまってはいけない。みんなわかっていることですが、次の仕事が目の前に迫っている。このため、PDCAのCは隙間時間を使って、各自の頭の中で行われることが多い。たいていは、非科学的、感覚的にチェックされることになるでしょう。
Cの段階で大事なことは、論理的、科学的に分析するということなんですね。最初に立てた目標、計画と実行した結果との間には、ほとんどの場合、差異があるものです。その誤差管理をできるだけ科学的に行う必要があるわけです。
なぜ目標を達成できたのか? 要因を分析する。企画がよかった、商品とターゲット顧客とのマッチング、景気など外的要因、顧客訪問件数、DMや広告効果……。さまざまな要因の中から、直接因果関係のあるものを特定していく必要があります。定量管理しながらエビデンスのある要因分析を行っていくこと。チームで要因を分析し、その情報を共有することで、組織の財産となっていくのです。
同じように、目標が達成されなかった場合の原因分析も行わなければなりません。なぜ、目標に対して未達成で終わったのか? 要因分析同様、多くの原因が考えられます。エゴグラムのAを働かせて、冷静かつ論理的、科学的に行われなければなりません。チームの人間関係が悪いと、原因追及ではなく責任追及になることがあります。うまくいかなかった際の原因分析は決して楽しいものではありませんが、ここには貴重な情報が隠されている可能性があります。
自社の商品が顧客ニーズと合わなくなっている、見込客数が減少している、強力なライバルが出現した……。こうした原因を特定し、それに対する方策を練らなければ、目標未達成が繰り返されることになるでしょう。結果が思わしくない場合は、プロセスに問題があるのです。
結果に一喜一憂するのではなく、次の目標を達成するためにチェックをしっかりと行う。そのやり方を部下に学んでもらうことが重要です。
目標、計画の修正には上司が深く関わる
PDCAの「A」はアクト、またはアクションのこと。どちらも「行動」という意味ですが、PDCAのAは「評価」とされています。Cでの要因・原因分析を踏まえて計画を修正した上で行動するということ。
よく起こりがちなのは、「今回の目標は未達成に終わったので、次の目標を低くしたい」というものです。「P」のところでも述べましたが、これは自己成長の可能性を否定するような行為なんですね。無謀な目標値だったなら適正値に修正すべきところですが、単純に「目標未達成→目標を下げる」では人間は成長しません。「やればできる」「達成するためにはどうしたらいいのか」。それを考えるのが人間力を持った人財です。上司は部下をそのような人財に育てていかねばなりません。
Cをしっかり行ったならば、次はどのような目標・計画を立てるべきなのか見えてくるはずです。
たとえば、商品知識不足によって受注に至らなかったとしたら、行動計画の中に「商品知識の習得」が入ってくるでしょう。顧客接点不足が原因なら、「訪問件数を増やす」「DM、電話、メールを多用する」「SNSを活用する」と言った方法が考えられるはずです。
こうした改善策は部下に任せっぱなしにすべきではありません。本人が立てた計画の修正プランを上司がチェックする必要があります。経験の少ない部下の場合、的外れな強化プラン、改善プランを立てることがよくあるものです。業績向上と本人の成長につながるような強化・改善プランであるべきです。
PDCAを何度も繰り返していくうちに、部下は自分自身をマネジメントできるようになっていきます。ただ、そのようになる過程には上司の的確なアドバイスや動機づけが欠かせません。上司にとっては想像以上に手間暇のかかる仕事。中小企業の場合、経営者も幹部もプレイングマネージャーであることが多いものです。自分個人の仕事をこなしつつ、部下を望ましい方向へ導いていく。強い使命感を持った人でなければ、経営幹部は務まりません。
以上、ごく簡単にPDCAの概念について述べてきました。PDCAの解説書は山のようにありますから、もっと詳しく学びたい人はビジネス書に頼るのがよいでしょう。
しかし、通り一遍のPDCAではうまくいかないことが多いことに、気づいている人もいるのではないかと思います。なぜ、PDCAがうまくまわらないのか? 次回はこの問題について考えてみることにしましょう。
※「新版・次世代幹部養成塾」はソーゴー印刷若手社員向けに作成しているものです。異業種、他社の方には当てはまらない考え方も含まれていることを、あらかじめご承知おきください。