おはようございます。
昨日は貴重な一日だった。丸一日フルに使うことのできる日。難航していた同窓会会報を入稿することができた。
同窓会報だけは、なぜかアナログな入稿の仕方を続けている。このままではあまりに非効率。そう思って、半分だけデジタル化してみた。もう一歩というところ。次号はスロウと同じような入稿の仕方に変えてみよう。
一時はどうなることかと思ったが、何とかなった。さて、次の仕事をどうするか。メロンとブドウを食べながら作戦を考える。月、火の2日間が勝負だ。
数%の違いが業績を一変させる
昨日は売上と限界利益についての話でした。会社は売上から変動費と固定費を差し引いて残った経常利益を確保せねばなりません。ひと口に利益といってもさまざまな種類がありますが、経常利益は「自社の実力」を示す利益とされています。業績を判断する際、もっとも重視される利益です。
では、経常利益を増やすにはどうすればよいのでしょう?
わかりやすく、売上1億円の印刷会社を例に説明します。この会社、前期の決算では変動費が4000万円、固定費が5000万円でした。とすると、経常利益は1000万円となります。経常利益率10%というのは立派な業績です。また、限界利益は売上1億円から変動費4000万円を引いた金額。つまり、6000万円。限界利益率60%というのは、印刷業としては上出来な数字でしょう。
ところが、もし紙代、インキ代が上昇して、変動費が5%上がったら、どういうことになるでしょう? 4000万×1.05=4200万。200万円、経常利益が減少します。5%の変動費上昇が20%の経常利益減少を招くことになります。
変動費上昇に加え、人員が増えて固定費も5%増えたらどうなるか? 5000万×1.05=5250万。さらに250万、合わせて450万の経常利益減少。45%も経常利益が減ってしまうことになるのです。
その上、価格競争激化による売上減少がこの会社を襲ったとしましょう。10%の値引きを余儀なくされ、売上9000万円に……。変動費は4200万で変わりませんから、限界利益率は53.3%にまで低下することになります。
売上9000万-変動費4200万=4800万。これが限界利益額。ここから、固定費5250万を引くと、マイナス450万。
なんと、前期まで高収益企業だったはずの会社が、あっという間に赤字転落となってしまいました。おわかりでしょうか?
世の中の変化は激しい。売上10%上昇も、10%下落もあります。業界によってはもっと極端に増減するでしょう。変動費、固定費についても簡単に変わってしまうものです。わずか数%の違いだから、と放置してしまうと、変動費も固定費もあっという間に膨らんでいって、利益を減少させてしまいます。チェック機能を働かせ、コストをコントロールしなければなりません。
変動費のコントロール
会社にとってもっとも重要な数字のひとつである経常利益を確保するために必要なこと。もうおわかりではないかと思います。
1.変動費の削減
2.固定費の削減
3.売上のアップ
変動費、固定費は、むやみに削減してよいわけではありません。コストを適切に管理する。そのような意味に捉えてください。
重要なのは、「売上アップ」は変動費、固定費を適正値に収めた後でなければいけないということ。適正利益が確保できないまま売上規模拡大を追い求めるのは危険な行為といえます。まずは商品一点ごと適正利益を確保することが大切です。
売上と利益の関係は非常に単純にできていますので、つい乱暴な結論を見いだしてしまう人や企業がいます。そう、仕入れ先に対して過度な値引きを要求するような会社。下請け体質を持った会社ほど、不当な値引き要求に苦しめられる傾向にあります。
我が社も例外ではありません。顧客から値引きを要求されるばかりではなく、価格競争に敗れると仕事そのものを失ってしまうことになりますから、営業現場ではかなり無理な価格であっても受注せざるを得ないというのが現状でしょう。そして、少しでも利益を確保するために、仕入れ先に対して「協力」という名の値引きを要求してしまう……。それが連鎖的に行われ、結果的にデフレスパイラルに陥っている。バブル崩壊以降の日本の現状といえるかもしれません。
もっと発想を変えていかなければなりません。基本的な考え方は「コスト削減」ではなく、「コストをコントロールする」ということ。仕入れ先、外注先に過度な負担をかけることなしに、コストを適正配分し、利益を確保するということです。
印刷会社の場合、変動費で最大のものは用紙ということになります。わかりやすい話、紙のロス率が5%あって、それをゼロにできたとしたら、結果的に5%安く購入したのと同じことになります。
また、印刷業にはごく稀に刷り直しに至る重大ミスが発生することがあります。刷り直しには、単純に言って2倍の変動費がかかります。年に数件発生する刷り直しをゼロにすることができれば、変動費を削減することができるのです(この場合は固定費削減にもつながります)。
変動費のコストコントロールは、原材料の発注の仕方を変えたり、外注先の労力を軽減する方法を考えたり、ミス・ロス率を低減することなどによって、まだまだ改善可能であると考えるべきでしょう。
明日は固定費のコントロールについて書くことにします。