おはようございます。
昨日は社内報の原稿執筆。少し苦労したものの、ほぼ仕上がった。昼にはスロウの商品イメージカット。2カットのみ。終了後、試食……というより本格的な昼食。これがもう、格別の味。シンプルな料理なのに奥が深い。やはり素材のよさが決め手だな。誰かに食べさせてあげたいと思った。ぜひこの感動を共有したい……。
内部資源と外部環境
経営指針、経営計画は社内で共有することが大切です。このために毎年経営計画書を作成し、手帳サイズに製本されて社員全員に配布されている。また、新しい期が始まる10月には経営発表大会が開催されています。
もし、経営計画がなかったらどうなるのか? 社内のみんなは「会社がこれからどのような方向へ進んでいくのだろう?」と不安に感じることでしょう。経営方針、経営戦略は一部の人だけ知っていればよいというものではありません。社員全員が共有し、意識を同じ方向に向けて、目標を目指して力を合わせていくことが重要なのです。
経営指針では、まず経営理念(理念体系)、経営ビジョン(長期・中期)を明らかにします。その上で3ヵ年計画や年度計画を作成していきます。
ただ、我が社が変わっていくのと同じように、経営環境も市場も絶えず変化しています。常に現状を把握しておかないと、計画は「絵に描いた餅」に終わってしまうものです。
現状把握の手法として、もっともよく使われるもの。それが「SWOT分析」。読み方は「スウォット」でも「スワット」でも構いません。
SWOTは4つの頭文字を意味します。強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つ。強み・弱みは「内部資源(環境)分析」、機会・脅威は「外部環境分析」と呼ばれます。
まず、最初に行うべきことは内部資源分析です。自社の内部資源を強みと弱みに分類して、できるだけ多く挙げていくことです。
けれども、ただ闇雲に列挙していくだけでは収拾がつかなくなってしまいます。いくつかの項目に分けたほうがわかりやすいもの。商品、人材、管理、技術、資産……。分類の仕方は業種、業態によって異なることでしょう。
外部環境分析では時間軸によって分類します。当面の機会・脅威、近未来(2、3年後)、長期(10年後)といった分け方。外部環境分析で注意すべきことは、自社及び自社が属する業界に関係のありそうなことを重点的に挙げていくこと。もちろん、今の時代は複雑ですから、直接的な関係には限りません。地球温暖化やポピュリズムの台頭といったことも、印刷業界とも何らかの関係性があるでしょう。しかし、できるだけ関係の強いものを外部環境として挙げていくほうが経営計画の精度を高める上では有効です。
洞察力とイマジネーションを働かせる
SWOT分析を行う際、気をつけなければならないことがあります。それは表面的な分析で終わってはいけないということ。特に、外部環境分析には深い洞察力とイマジネーションが必要となります。
たとえば、「折り込みチラシのレスポンスが落ちている」→「広告宣伝費がインターネットに流れている」というふうに分析したとします。これは正しい分析ではありますが、底が浅いんですね。誰もがわかっていることを列挙しても、分析したことにはなりません。
現在は「過去の結果」であるわけですが、それだけではないと考えるべきでしょう。現時点で顕在化している状況の中には、必ず「近未来につながる潜在的な可能性」が隠されています。過去の結果であると同時に、未来の予兆でもある。ここを読み取ってこそ、現状把握、現状分析なのです。ですから、今起こっていることを通して、未来の機会・脅威を探っていくことが重要となります。
1.現実を直視する
2.見えないものを見る(視る)
3.仮説を立て、近未来を予測してみる
今日の世の中は、驚くほど激しく変化しています。したがって、未来予測は不可能に思えるかもしれません。けれども、今起こっていることを丹念に収集し比較分析してみると、ある一定の方向を指し示しているようにも思えます。精度の高い分析は困難でも、大きな方向性に気づくだけでも外部環境分析をする価値があるのではないかと思います。
さて、もう一度内部資源分析に話を戻します。
内部資源分析を熱心に行えば行うほど、困った問題に直面することとなるでしょう。そう、我が社の弱みがいっぱい出てきて、ちょっと憂鬱な気持ちになってしまうことがあるのです。この憂鬱な気持ち、あるいはやっかいな問題と思えるようなもの。次世代幹部の人たちはここを乗り越えなければなりません。これらを解決したら、どんな将来が開けているのか? そうイメージしてほしいと思います。
一般に内部資源分析では、弱みよりも強みにスポットを当てることが重要とされています。自社の将来を切り拓いていくのは「強み」にほかなりません。強みをさらに磨いていくからこそ、自社の存在感や魅力が増していくことになるのです。
時代の激変期、多くの人が不安を感じながら働いていることでしょう。不安とは何なのか? その本質について僕はときどき考えることがあります。僕の現時点での考えは、不安とは「情報不足」のこと。これからどうなるのかわからないから不安になるのです。
不安を解消するための道筋は案外シンプルなのではないでしょうか?
1.正しく知る
2.深く知る
3.意味と価値を知る
表面的事実に留まらず、本質に迫っていけばよいと思うのです。ネット上にあふれている情報に左右されると、なかなか本質に迫ることはできません。哲学的に解釈する。あるいは仲間同士で意見をぶつけてみる。SWOT分析はチームで行うことによって、精度が高まっていくものといえます。
※「新版・次世代幹部養成塾」はソーゴー印刷若手社員向けに作成しているものです。異業種、他社の方には当てはまらない考え方も含まれていることを、あらかじめご承知おきください。