おはようございます。
昨日は撮影2件。午前中は緑ヶ丘公園でモデル撮影。1カットだけなので、あっという間に終了。夕方は料理撮影。こちらも30分くらい。他には、買い物、写真選び、レイアウト作業等に時間を使う。
今朝は早起きし、「個人コア・コンピタンス」を作成していました。1年前とさほど変わりはないのですが、真剣に考えると1時間くらいはかかる。周辺バリューをひとつだけ変更しました。
今朝の「新版・次世代幹部養成塾」は偶然にもコア・コンピタンスがテーマです。
コア・コンピタンスとは?
自社の戦略を立案する際、非常に重要な概念となるのがコア・コンピタンスです。
我が社には「コア・コンピタンス委員会」があり、経営計画書の中には「我が社のコア・コンピタンス」の定義と強化課題が載っています。さらに、「個人のコア・コンピタンス」を全員作成することになっている。これほど、コア・コンピタンスという言葉があふれている会社は、他にはないかもしれません。
けれども、コア・コンピタンスの意味をちゃんと知っている人はいったいどれほどいるでしょう? 「コア・コンピタンス=自社・自分の強み」くらいに考えている人が多いのではないでしょうか。かくいう僕もコア・コンピタンスとは何なのか、ときどきわからなくなることがあります。
まず、一般的なコア・コンピタンスの定義を明らかにしていきましょう。
ゲイリー・ハメル&C・K・プラハラードの「コア・コンピタンス経営」(日経ビジネス人文庫)にはこう書かれています。
「顧客に対して、他社には真似のできない自社ならではの価値を提供する、企業の中核的な力」
これだけではさっぱりわからないと思うかもしれません。この定義は3つに分解するとわかりやすくなります。
1.競合他社には真似できないこと(顧客価値を高めるもの)
2.自社ならではの価値(競合他社と異なっているもの)
3.企業の中核的な力(自社の企業力を広げるもの)
この3要素を持つものをコア・コンピタンスと呼ぶのです。すでに作成したコア・コンピタンスをこれら3要素に照らし合わせてみると、本当にこれでよいのかどうか、明らかになるに違いありません。
コア・コンピタンスを理解することは難しくはないものの、実際にそれを定めて強化していくのは容易なものではありません。一朝一夕にできるものではないことも、おわかりいただけるでしょう。
「コア・コンピタンス経営」では、コア・コンピタンスを定義しようとする際に陥りやすいワナについて書かれています。
そのワナとは「技術集団にコア・コンピタンスを定義づけさせること」。自社が保有するスキル、技術、能力のほとんどはコア・コンピタンスと呼べるものではありません。コア・コンピタンスは企業の魂のようなものであり、自社が総力を挙げて中核的な力を認識し、自社ならではの定義づけを行うべきものなのです。
したがって、コア・コンピタンス委員会は社内のあらゆる部署から人材を集め、さまざまな見解を集める必要があります。と同時に、顧客が認識している我が社の価値についても敏感であらねばなりません。自社のコア・コンピタンスの策定は、もっとも経営的な意思決定といえます。
なぜ、コア・コンピタンスが必要なのか
コア・コンピタンスとは何かわかったものの、なぜ必要なのかわからない……。そんな人もいるかもしれません。次にコア・コンピタンスの意義について述べることにしましょう。
「自分」という人間には実にさまざまな能力が備わっているものです。僕の場合は、写真、文章、企画、戦略立案、経営計画策定、講演、情報収集、料理、車の運転、おいしいコーヒーを淹れる……等々。能力は他にもいっぱいあります。
そして、今はその能力がないけれども、やってみたいと思うこともたくさんあるものです。すでにできることも、これからやりたいこともたくさんある。それが人間。人間の集まりである企業の場合は、それがさらに複雑なものとなるでしょう。
できることとやりたいことが複雑に絡み合っているのが人間であり、企業なのです。これを無計画に思いつくまま実施するとどういうことになるのでしょう?
「ジャストアイデア経営」と呼ばれるように、単なる思いつきの経営に陥ってしまいます。どんな企業であっても経営資源は限られています。ましてや中小企業の経営資源は潤沢なものではありません。
僕らは戦略思考を持って、ストーリー性のある経営を行っていかねばなりません。そのためには、「他社には真似のできない自社ならではの中核的な力」を自覚し、そこに経営資源を集中させ、中長期的な視点から戦略的に自社の能力を強化していくことが重要となるのです。
これを個人レベル、部署レベル、会社レベルで同時に継続的に行っていく。これがコア・コンピタンス経営。個人、部署、会社それぞれが壮大なストーリーを描きながら成長していくことが大切です。
会社の成長が個人の成長を促し、個人の成長が会社の成長の可能性を広げていく……。こうしたプラスのサイクルを回していく上で、コア・コンピタンスの強化戦略というものは、経営計画策定の最重要テーマとなるものなのです。
※「新版・次世代幹部養成塾」はソーゴー印刷若手社員向けに作成しているものです。異業種、他社の方には当てはまらない考え方も含まれていることを、あらかじめご承知おきください。