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第24講 中期経営計画の策定 2

第24講 中期経営計画の策定 2

芽室町/2018.9.23

おはようございます。
 朝6時過ぎ、帯広市内で取材。撮影は40分ほどで終了。7時頃帰宅。朝食。いつも通りの朝……といった感じなのだが、何だか変だ。朝2時40分に起きたからかもしれない。その後、間延びした時間を過ごしてしまう。10時半頃から取材テープを聞き、原稿作成準備に入る。これはすごい話だ。だが、話の中身とは関係なく、肩凝りが頭痛に発展し、パソコンから離れざるを得なくなった。気分転換に撮影へ。芽室で夕景を撮る。あとは、買い物、帰宅、夕食、就寝。8時間眠ったら快復した。

定量化し、基準を明確にする

中期経営計画策定に関しては、僕の著書「激訳・経営指針成文化」に詳しく書かれていますから、ここでは最小限の説明に留めます。
 押さえておきたいのは5W2Hで表していくという点。これは我が社の得意分野である雑誌づくりと同じ。取材活動では、編集者(取材者)の誰もが5W2Hを質問に織り交ぜながら取材相手から話を聞き取っているに違いありません。それを中期経営計画、年度経営計画においても実践しましょう、ということなのです。

・WHY(なぜ)→目的を明確にする
 ・WHAT(何を)→対象は何か
 ・WHO(誰が)→責任者は誰か
 ・WHERE(どこで)→実施場所はどこか
 ・WHEN(いつ)→日時と期日
 ・HOW TO(どのように)→具体的な方法
 ・HOW MUCH(どれだけ)→予算

これらが不明確な経営計画では、具体的行動に至らず、その結果成果が生み出される可能性は低いといえるでしょう。目的が不明確な仕事には動機づけされないし、対象が不明では何をどうしたらよいのかわからない。責任者の決まっていない仕事では、誰も責任をとろうとしません。どこで売るのか決まっていない商品が売れるわけはありませんし、期日のない仕事はいつまでたっても終わりません。具体的方法が不明確なら、社内に無駄が増え、仕事は非効率的なものとなります。予算がなければ、経営資源を投入することに消極的になってしまいます。
 5W2Hをいかに明確にしながら経営計画を策定するか? 特に部門計画のような現場レベルに近い計画については、詳細な5W2Hが求められます。
 詳細とはどういうことなのでしょう? それは可能な限り「定量化する」ということです。つまり「数値で表す」こと。数値化することによって、達成基準が明確となり、計画が行動に移されたのかどうかがはっきりわかるようになるのです。
 人間は誰しも、「正直でありたい」「目標に向かって努力したい」「勤勉でありたい」といった健全な価値観を持っています。ところが、それと逆行するような部分も併せ持っているんですね。「楽をしたい」「責任から逃れたい」「苦しいことは他人に任せたい」といった部分も人間にはあるのです。
 計画策定において定量化が行われないと、人間の持つ弱い部分(または不健全な部分)が顔を出してくるのです。「できたのかできなかったのか」「実施したのかしなかったのか」。それを明確にしなければなりません。具体性を欠く計画では、心の弱い人ほど責任逃れを考えるようになります。これは本人の問題というより、マネジメントの問題と捉えるべきでしょう。

柔軟に考え、変更を恐れない

近年、世の中の変化のスピードが驚くほど速くなった結果、経営計画の策定は困難なものとなりつつあります。
 せっかく経営計画を立てても、外部環境が予測を超えるスピード、スケールで変わっていき、経営計画、部門計画の実効性が薄れてしまうのです。外部環境の変化に対応していくため、経営計画に載っていないプロジェクトが増えてしまう……。我が社の経営計画と現実の仕事との間にギャップがあることに気づいている人も多いに違いありません。
 そうしたギャップ、あるいは矛盾についてどのように考えるべきなのか? このあたりをいい加減に考えてしまうと、「そもそも経営計画を立てるのは無意味なことだ」と思うようになってしまうかもしれません。あるいは「経営計画はお飾りのようなもので実際にはやらなくてもよいのだ」と勘違いする人も出てくることでしょう。
 経営計画策定時に精度の高い計画を立てたとしても、数ヵ月のうちに経営環境はどんどん変わっていく。ですから、最初から計画を盛りだくさんにつくると、新たにやるべきことが増えた場合、自分のキャパシティを超えてしまうことになるでしょう。
 どんな人でも1年で達成できることはそう多くはないはずです。経営計画でも、部門計画でも、個人のキャリアプランでも、3項目程度に絞ったほうがよいのではないかと思います。
 経営環境の急変によって、3つのうちの1つか2つは計画の変更を余儀なくされることになるでしょう。あるいは、まったく別な計画に差し替えられることになるかもしれません。でも、それは「計画そのものが無意味だった」ということではありません。最初に計画を立てたから、「変更する」ことができるのです。計画が存在しなければ、いつも思いつきで行動するような仕事の仕方になってしまいます。
 計画はしっかり立てる。けれども、柔軟な考え方を持ち、変更したり差し替えたりすることを恐れないということ。もちろん、変更後の計画にも5W2Hが求められるのは言うまでもありません。
 計画の変更、差し替えは幹部会議や各部門の会議で決定されることになります。リーダーの能力とともに、会議の質的向上も重要といえるでしょう。

※「新版・次世代幹部養成塾」はソーゴー印刷若手社員向けに作成しているものです。異業種、他社の方には当てはまらない考え方も含まれていることを、あらかじめご承知おきください。

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