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第23回 原稿執筆法のバージョンアップ

第23回 原稿執筆法のバージョンアップ

おはようございます。
 一日かかって原稿を1本書き上げました。午前中は音声データを聴くという作業でしたから、実際に原稿を書いていたのは4時間くらいだったと思います。昨日はある記念日でもありました。僕の人生計画でいえば、今年は折り返し地点ということになる。実際その通りになるよう、健康に留意しなければなりません。

小さな改良により、ほぼ完成域に

さて、僕の原稿の書き方は少しずつ改良を加えています。38年ほど前、学生時代のレポートでは「箇条書き」を行うのが常でした。いったん書きたいことを書き出してから並べ替えるという方法。社会人になってからは「こざね法」を思い出して、試してみることがありました。この方法は有効ではあるが、手間がかかります。
 東京時代はタイアップ広告の原稿を書くことが多かった。本文の文章量は800~1200字といったところでしょうか。このくらいなら、こざね法を使うまでもない。頭の中でひたすら考え、エイッと書く。ただし、考えすぎると意識が飛んでしまうことがありました。そこで、タイムリミットの3時間前から原稿を書き始めるという危ない技(?)を使うことが多かった。
 スロウの原稿を書くようになった12年前からは、再びこざね法を活用。5000字を超える文章では、さすがに頭の中で……というわけにはいきません。こざね法の他に、マインドマップを作ることもありました。これはツボにはまると非常に有効なやり方。しかし、原稿作成でうまくいったのは2、3回ほど。結局、こざね法でやり直すということが多かった。
 5年前からはホワイトボードに図を書き込んでいくという方法を使うようにもなりました。これは僕には合っていなかったようです。ただ、アイデアを書き留めておくには最適。ボードに数ヵ月放置してあったアイデアが日の目を見ることもあります。
 3年ほど前、僕は原稿作成のプロセスを本格的に見直すことにしました。どのやり方も時間がかかりすぎるという弱点がありました。僕自身、時短に取り組まなければ睡眠時間の確保すら危うくなっていたのです。
 というわけで目をつけたのは取材ノートの活用。編集者、ライターであれば当たり前のこと。しかし、僕はノートをとるのが異常なほど苦手だったため、ICレコーダーに頼り切った原稿の書き方をしていたのです。
 まず、取材では可能な限りノートをとる。そして、原稿を書く直前にICレコーダーの音声を聞いて、ノートに記入しなかった話を書き加える。ここではペンの色を変えるのがポイント。そのようにして、スロウの記事を書いてみると、実にやりやすいことが判明しました。
 昨日はさらに小さな改良を加えてみました。
 ノートをいったんA4サイズにコピーをとる。ノートはB5ですから、余白が増える。これは情報を書き加えるのに好都合。加えて、青の万年筆で書かれていたノートの文字が黒に変換される。正確には黒というより、濃いグレーといった色になる。そこにICレコーダーの音声を再び青の万年筆で書き加えていく。使う筆記用具は同じ万年筆。ですが、取材時と原稿執筆前の文字が2色で表されることになる。他人にはどうでもいいようなことではありますが、書きやすい1本のペンですべての文字が書けるのは、僕にとって重要なことなのです。

音声データの必要性

この改良で一番重要だったのは、コピー用紙をボードに貼り付けて一覧できるようにしたこと。昨日使ったのは、A4サイズ10枚。並べて貼るとけっこうスペースが必要ですが、パソコンの左右にボードを立て、貼り付けてみると実に具合がいい。右を見ても左を見ても原稿を書くための題材に囲まれている。執筆に集中できる。たぶん、当分の間、僕はこのやり方で原稿を書くことになるでしょうね。ようやく、自分の書き方が確立した……。大袈裟に言えば、そんな手応えを感じています。
 編集部のみんなはどのような書き方をしているのでしょう? 僕のような門外漢ではありませんから、特に困ってはいないのかもしれません。困り果てると、追い詰められて新しいやり方のアイデアが浮かぶ。困っていない人は今まで通りのやり方でも技術が高まっていく。どちらがよいというわけではない。必要に迫られるか、迫られていないかの違いがあるだけです。
 それでも、先日「テープ起こしはどうすれば効率的にできるのか?」という問題について編集者(誰とだったか忘れました)と話し合いました。
 音声データが直接テキストになるというのが一番の理想。ですが、これは不可能(将来はどうかわかりませんが)。一度、試してみたらとんでもない文字の羅列となりました。
 次に考えたのが編集者とも話したやり方。音声データを聞きながら、同じことを話し、音声入力するというもの。実はこの方法も僕は実験済み。そのためのソフトも購入し、満を持して実験。ですが、あまり有効とはいえない。チューニング不足だったのでしょうか? 変換効率が期待レベルのはるか下にありました。もっとも問題だと思ったのは、音声入力しているうちに、テンションが大幅に下がっていくということ。ものすごく楽しくない作業。あっという間に挫折しました。
 結論としては、テープ起こしが必要な場合は従来通りのやり方がいい。スロウの原稿では取材ノートの精度を高めるのが正しい。音声データはテキスト化するのではなく、取材時に書き漏らした情報を補う程度に活用するのがいい。たぶん、みんな僕と同じような結論にたどり着くのではないかと思います。
 高度な取材力を持つ人でも、ICレコーダーは活用したほうがよいのではないかと思います。昨日、音声データを聞きながら、僕はそんな感想を抱きました。取材時にはわからなかったことが音声を聞き直すことで理解できる。そんなことがあるのです。文字にすると同じでも、音声の場合には感情を込めることができる。記憶力抜群の人なら、取材時の情景や感情までも覚えていられるかもしれません。僕の場合は、カメラとICレコーダーが必須ですね。卓越した編集者にはほど遠い自分ですが、便利な機器があるおかげで原稿を書くことができています。

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