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第25講 思い込み力(ブランディング) 1

第25講 思い込み力(ブランディング) 1

おはようございます。
 昨日は事務的作業、入稿作業、校正作業。午後5時半から第9期次世代幹部養成塾第23講。今期最終講となる。テーマは「次世代幹部の条件」。
 僕は講義を進めながら、8年前の第1期最終講の日を思い出していた。2010年9月27日。僕は第1期を締めくくるにあたり、インナーブランディングについて伝えたいと思っていた。自社または自社商品の価値を顧客に伝えるには、自分たちがその価値を熟知し、自社の企業ブランドに自信と誇りを感じていなければならない。せっかくいい商品をつくっているのに、そのあたりがちょっと弱いのではないかと僕は考えていた。
 8年たった今、一部の人は自社の価値に気づいている。だが、それはまだ会社全体のものとはなっていない。

ブランディング=思い込み力強化活動

ブランディングに関する本は山ほどあります。ここ十勝でもときどきブランディングに関するセミナーが開かれることがある。誰もが関心を持っているテーマなのではないかと思います。
 けれども、本を読んでもセミナーに参加しても、「わかったようなわからないような気持ちになる」という人が多いのではないでしょうか? どうも、難しい概念のように思えてしまう。こんなによく使う言葉なのに、その意味をちゃんと説明することすらできない……。
 辞書を引くと、ブランディングとは「顧客や消費者にとって価値あるブランドを構築するための活動」とあります。さらに「ブランド」を調べてみると、「銘柄。商標」と書いてあります。価値ある銘柄を構築するのがブランディング? まったくもって意味不明です。辞書ではらちが明かないので別な資料で調べてみると、「お客様が満足することへの約束・信頼のようなもの」と書かれていました。このほうがイメージに近い。でも、ブランド=約束・信頼と思っている人は少ないでしょう。
 僕の認識では、ブランドとは「思い込み」なのです。このメーカーの製品はファッショナブルだとか、この会社の食品は安心して口にすることができるとか……。けれども、実際におしゃれかどうかはわからないし、製造現場を自分の目で見ているわけではない。明確な判断基準はないけれど、自分ではそう信じている、そう思い込んでいるだけなのです。
 したがって、ブランディングとは「思い込み力強化のための活動」、または「顧客に思い込んでもらうための活動」なのだと僕は理解しています。
 ここで注意すべきことは、「思い込み」という言葉の解釈。思い込むことが悪いこと、間違っていることだと思い込んでいる人が案外多いのです。本当はそうではないんです。
 企業にも、一つひとつの商品にも、そして一人ひとりの人間にも、「理屈を超越した魅力や価値」がある。性能が優れている、デザイン性が高い、コストパフォーマンスがよい……といったことは、ブランド力の重要な要素にはなるかもしれませんが、決め手はそれだけではないのです。
 僕らは商品を購入する際、何か得体の知れない魅力に惹かれて購入しているケースが案外多いのです。自分の勤める会社を選択する際にも、給料や休日日数、オフィス環境、仕事内容だけで決めたのではないと思います。何となく自分に合っていそう……と直感で決めた人も多いに違いありません。

思い込み力の3要素

消費者に自社商品は優れている、魅力的であると思い込んでもらう。これがアウターブランディングです。自社の社員に対しては、「我が社は価値ある商品を生み出す魅力的な会社」と思い込んでもらう。単純に言うと、これがインナーブランディング。
 もっとも肝心なポイントは、「その思い込みは真実であった」という結論に導くことができるかどうか。ここが大切。「裏切られた」という気持ちにさせてはいけない。これはアウターにもインナーにも当てはまります。「裏切られた」と思われたら、顧客は離れ、社員は退職することになる……。「思い込み」はプロセスであって、「真実」こそがゴールなんですね。
 さて、僕は「思い込み力の強化」についてたびたび口にしています。思い込み力には大きく3種類あると考えています。それは「誤解」「錯覚」「勘違い」。ここでは「思い込み力の3要素」としておきましょう。怪しげな話……と思われるでしょうが、いったん受け入れて読み進んでください。
 まずは「誤解」から。誤解とは「意味を取り違えること」です。これは「解釈の間違い」ということですね。
 「錯覚」は「客観的事実を違ったものとして知覚すること」と辞書に書かれています。これは「感覚の間違い」であるといえます。
 3番目の「勘違い」ですが、これは「誤って思い込むこと」とあります。「記憶の間違い」と言い換えてもよいでしょう。
 解釈と感覚と記憶の間違い。これが「思い込み力の3要素」だというのが僕の考え。ここでは辞書にしたがって「間違い」と書きましたが、僕の感覚としては「間違い」ではなく、「誤差」とか「ゆらぎ」とか「解釈・感覚の幅」と言い換えたいところ。「これは間違いである」と早々に否定してしまってはいけないのです。
 間違っているのか、合っているのかは、時間をおいてみなければわかりません。どんなに無謀な経営判断だったとしても、それが間違いだったと結論づけられるのは、数ヵ月先、数年先のことです。
 さらに強調したいのは、「間違えるのはよくないことであると決めつけるのも間違いだ」ということ。一番よくないのは、間違えることを恐れて「選択しない」こと。これが人生においても、企業経営においても、本当の意味での間違いなのです。
 僕らは「正しいか間違っているか」などという小さな問題にとらわれるのではなく、「本当にやりたいか」「心から必要を感じるか」「それが顧客のため、社会のためになるか」について真剣に考えねばなりません。「こうすべき!」という実感を大事にする。それが思い込み力の本質といえます。

※「新版・次世代幹部養成塾」はソーゴー印刷若手社員向けに作成しているものです。異業種、他社の方には当てはまらない考え方も含まれていることを、あらかじめご承知おきください

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