第10回 レンズと眼

第10回 レンズと眼

おはようございます。
 集中して作業した結果、文庫本一冊分のレイアウトがほぼできあがった。自分の著書ではないため、写真を入れる位置がちょっと難しい。だが、ここまでできればゴールは近い。年内発行も可能だ。午後4時、同友会事務所。四役会と幹事会。終了後には、道研実行委員会拡大会議。6時半頃帰宅。

眼は適度に使うもの

大学時代、T教授が「眼の若さをいかに保つか」について語っていたのをときどき思い出します。20代になったばかりの僕は、眼の機能が衰えるとはどういうことか、よく理解していませんでした。その頃は「近視が進んだな」くらいにしか捉えていなかった。先生は30年後の自分たちに向けて、話してくれていたのでした。
 当時、暗室作業では特に眼を酷使していました。撮影の際、右目でファインダーを覗くため、その感覚で引き伸ばしのときのピント合わせにも右目を使用。その結果、左よりも右目に負担がかかるようになりました。
 仕事で撮影するようになると、右目でファインダーを覗き、左目で周囲の状況を把握するという撮り方になっていきました。モデル撮影ではだいたいそのような撮影の仕方。これはたぶん眼によくない。真剣に両目を使うと頭がクラクラしてきます。そして1990年代、パソコンを使うようになってからは、決定的なまでに眼が疲れやすくなっていきました。
 物心ついたときからパソコンがあり、「仕事=パソコンに向かうこと」という状態になっている人の眼は大丈夫なのだろうか? 他人事ながら、ちょっと心配です。若いときから眼の健康に注意しましょう。
 僕の場合、50代になった頃から眼の衰えを意識するようになりました。始めは老眼の症状。近いところが見えにくいというのは不便なものです。おかげでメガネを何本も持つことになった。しかし、それ以上に重大なことは、眼の解像力の衰え。これには好不調の波があって、その日によって見え方が異なります。ずっとパソコンに向かった日の翌日などは、ほぼ確実に解像力が低下。長時間ドライブした後もそうなりますね。
 意識的に眼を休ませるようにしないと、本当に必要なときに十分働くことができなくなる。そういう意味では、AFを適度に使うのもよいのかもしれません。スナップ写真では目測によるピント合わせやノーファインダーを多用すべきでしょう。
 僕の眼はもう何10年も酷使し続けているのですが、カメラの眼、つまりレンズのほうは個体差があります。毎日のように使うレンズとほとんど使われないレンズがある。
 先日、ペンタックス67用のレンズを5本をきれいにしてもらいました。実は10年近く、使わないまま放置してしまったのです。これはどう考えてもレンズによくない。いつかペンタックス67のデジタルカメラが出るだろう……。そう思いながら、手放さずに部屋の片隅に置いたまま早10年。恐る恐る開けてみると、レンズにカビらしきものが見える。こんなことではいけませんね。若干の罪悪感を感じながら、点検・修理に送り出しました。
 使いすぎるとよくないのが人間の眼。使わないとよくないのはカメラのレンズ。どちらも一生使える状態を保ちたいものです。

レンズの性能と味わい

カメラのレンズにものすごくこだわる人がいます。僕はどちらかというとさほどこだわらないタイプ。1990年代まで、ずっとツァイスのレンズを使ってきましたが、これはコンタックスのシャッターが押しやすかったため。レンズの違いはよくわかっていません。
 そもそも、印刷を前提として撮影するのであれば、欠陥レンズでない限りだいたい問題なく使えるはず。画質を左右するのは、レンズよりもフィルムサイズのほうが大きい。
 撮影レンズ、引き伸ばしレンズ、製版カメラのレンズ(スキャナーのレンズ)。紙焼き写真の場合、印刷までに3回レンズを通すことになる。ポジの場合は2回。デジカメなら1回。この回数は当然少ないほうが画質上は有利。印刷を前提にするならば、高画質なデジタルカメラで撮るというのが正解でしょう。
 僕がレンズにこだわるとすれば、ピントリングの回しやすさと持ちやすさですね。それと絞りリング。最近のデジカメには見られなくなりましたが、6×7用レンズを持ってみると、絞りリングの使い勝手も重要だと思い出しました。回しやすいものもあれば、妙に重かったり、引っかかったりするものがある。人間のように個性があるのです。
 レンズの味……。そう言われても、僕にはよくわからないところがあったのですが、デジカメを使うようになってから、少しわかったような気がしてきました。確かに、フィルムカメラの時代には味のあるレンズが存在していた。今は性能を追いすぎているためか、さほど味を感じることはない。工業製品である以上、当然と言えば当然なのですが、少し物足りないと感じることもあります。
 デジタルカメラに味のある昔のレンズをつけるとどうなるのか? これはちょっと試してみたいことではあります。デジカメのCCDにも味を感じ取る力があるのだろうか。フィルムの場合、感光乳剤に光が吸い込まれていく……というイメージ。CCDの場合も同じことが行われているわけですが、フィルムのような神秘的な感じがしない。味のあるレンズではなく、性能の劣ったレンズとしてCCDは画像を記録することになるのかもしれません。
 それでも僕はデジタルカメラを使い続けることになるでしょう。何とか味を引き出せるようにしようと思います。
 一方、会社組織の場合はできるだけアナログの部分を残すことが大切ですね。人間一人ひとりには「味がある」わけですから、デジタルな性能だけを求めてはいけない。欠陥と思える部分も「味」になるよう、組織にはフィルムの乳剤面のような役割が求められます(わかりにくい例えですね)。その際の乳剤は、ネガではなくポジであるべきでしょう(こっちの方が少しわかりやすいかな?)。

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高原淳写真的業務日誌