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夕張市/2018.10.17

おはようございます。
 昨日は夕張と恵庭の取材・撮影。紅葉シーズン。平日にも関わらず賑わっていました。今はピークをちょっと越えたあたりでしょうか。晩秋が近づいていることを感じさせる風景です。午後6時、とかち道研実行委員会。北海道中小企業家同友会最大のイベントである「道研」が明日に迫ってきました。

我が社から消えた広告塔

「ソーゴー印刷事業案内」では、これまで「ストックフォト」とか「ステーショナリー」といった周辺商品をメインに紹介してきました。今日はなぜか「印刷」の話。ずいぶん広いくくりであり、この中にさまざまな自社商品があるわけですが、今回は僕の印刷に対する考え方(我が社の考え方と完全に一致するではありません)について伝えたいと思います。
 先週土曜日(10月13日)、我が社の屋外広告塔が解体・撤去されました。23年前、今の社屋を新築したときに設置されたもの。当時はどうだったのかわかりませんが、近年の台風や強風ではグラグラ揺れることがありました。大事に至る前に撤去しよう……。役員会では以前からそんな話が出ていたのでした。
 この屋外広告塔には、社名よりも大きく「印刷」の筆字が書かれていました。書家、八重柏冬雷先生によるもの。ソーゴー印刷という社名は、広告塔であるにもかかわらず、あまり目立っていない。僕には最初、そのことが不思議に思えました。
 やがて、何となくわかるようになってきました。人々に伝えたいのは自社の社名よりも、「印刷」の価値なのではなかろうか? 僕が先代社長と同じ心境になったというわけではありませんが、世の中全体にもっと「印刷」について伝えていきたい。そんな気持ちが高まってきたのです。
 2000年にUターンし、十勝の異業種の方々と話をするようになると、みんな異口同音にこう話していました。
 「印刷屋さんって大変なんでしょう? 今はパソコンで印刷できますから……」
 今でもごくたまにそのような話をする方がいます。ただ、18年前と今とではずいぶん状況が変わりました。僕の想像ですが、「印刷」に対する人々の認識がいくぶん変化してきたのではないかと思います。
 「印刷屋さんって大変」というのは、全くの誤解といえます。それは「調理器具が進歩したから、食堂、レストランは大変ですね」というのと一緒。家庭料理と外食とでは求めているものが違うのです。プリンタから出力したものも印刷物の一種ではありますが、これが印刷会社と直接的に競合するものではありません。
 ただ、多くの人は、小ロット印刷物はプリンタで出力するようになり、世の中全体としてはペーパーレス化が進んでいくと思っています。実際、印刷用紙の出荷量が減少しているというデータもあります。
 こうした一面だけを切り取ると、印刷業界は縮小傾向にあると思われるかもしれません。

印刷の本質とは?

僕は21世紀に入ってから、「印刷産業の事業領域が急速に拡大している」と捉えています。異論を唱える人もいるとは思いますが、「紙媒体以外に印刷することが多くなった」というのが僕の実感。
 たとえば、多くの印刷会社ではwebサイト制作も商品のひとつとなっています。アウトプットが紙媒体なのかインターネットなのかの違い。途中までは同じような制作作業が行われます。最終的な出力形態を「紙」だけに限定してしまうと、なかなか発展性を望むことはできない。けれども、長年積み重ねた印刷関連の技術・ノウハウを異なる媒体に応用していけば、印刷産業が発展する可能性は大いにあるわけです。
 そうした仮説を裏付けるようなデータがあることに先日気づきました。アメリカの中小印刷会社の業績が伸びているというもの。大手の利益率が低下し、中小が伸びている。それはどうしてかというと、大ロットのDMが減少し、可変データを使ったDMが増えているというのが一因。印刷物の量は減っているが、単価は上昇している。印刷会社は「印刷物」というモノを売るのではなく、販促効果を売るようになってきているのです。
 多くの場合、印刷会社の顧客は「印刷物がほしい」わけではありません。求めているのは、見込み客を増やすことだったり、売上アップだったり、仕事の効率化だったりする。そうした効果が得られるのであれば、印刷物でもwebサイトでも、SNSでも、イベントでも構わないわけです。
 「印刷版をつくり、インキを紙などの被印刷物に押しつけ、機械的に複製すること」というのが従来の印刷の定義でした。世の中が変われば、言葉の定義も変わるべきでしょう。
 すでに「印刷版」が不要な印刷方式が普及しています。家庭用プリンタもそうですし、印刷会社でもオンデマンド印刷機が使われるようになっています。無版印刷も印刷の一種。さらにいえば、被印刷物も紙には限りません。電子書籍もwebサイトも印刷の一種と捉えればよいのではないか? そう考えると、これまでの経験・知識・技術を転用、応用することができる。印刷の最大の特徴は「情報を複製すること」にあります。紙という素材に限定する必要はありません。
 ただ、1500年以上印刷と言えば紙媒体だったのには大きな理由があります。扱いやすく、再生装置も電源も不要。ですから、今後も紙媒体がなくなることはないでしょう。
 おもしろい現象としては、紙媒体を製造すること以外の活動を熱心に行っていくと、紙媒体の相談・依頼が増えていくということです。「印刷」と書かれた我が社の広告塔は会社の敷地から消えましたが、印刷の果たすべき役割はますます広がりを持つようになってきている。そのことをもっと社内、社外に伝えていかねばなりません。

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高原淳写真的業務日誌