file 07 講演・セミナー

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斜里町/2018.10.21

おはようございます。
 昨日は知床で取材。よく歩いた。天気もよかった。いい写真が撮れたと思う。帰り道は眠気との格闘となった。2度仮眠。だが午後7時過ぎには帰宅することができた。

増える依頼と広がるテーマ

今回のテーマは我が社にとってまだ「事業」とはいえません。依頼されたときにはできるだけ受けるようにしている……というもの。ただ、将来的には商品化してもよいのではないか? 僕個人としてはそう考えています。
 このような依頼が最初にやってきたのはいつ頃だったのだろう? 僕のかすかな記憶では、2002年か2003年に中小企業家同友会とかち支部、または日創研帯広経営研究会の中で実践報告として話をさせていただいたのが最初。講演でもセミナーでもなく、あくまでも自社の事例報告。同友会に熱心に参加している会員であれば、そうした報告は何度か経験していることでしょう。
 僕の場合、そのあたりから発展して、講演やセミナーのリクエストをいただくようになっていきました。去年1年間では17回。月に1回ちょっとというペース。このくらいであれば、さほど負担に感じることはありません。
 これとは別ルートで我が社に同様に依頼が寄せられるようにもなってきました。
 最初は月刊しゅん編集部への依頼だったのではないかと思います。「広報誌の作り方」とか「効果的な情報発信」といったテーマで講演またはセミナーを行うようになっていった。これも2002~2003年頃が最初だったと思うのですが、確かな記憶が残っていません。
 2005年頃になると、今度はスロウ編集部へ依頼が舞い込むようになっていきます。編集部へというよりは、編集長に対する依頼。M編集長は演台に上ることを望まないタイプなのですが、「どうしても」ということでいくつかの講演を引き受けるようになりました。M氏の講演はかなりの集客力があって、会場でスロウを販売するとよく売れた。僕もまた聴いてみたいと思っていますが、現在講演活動は休止しているようです。
 興味深いのは、若手の人たちが行っている講演・セミナーのほうかもしれません。若手ですから「講演」と銘打つことは少ないのですが、実践報告としては十分な内容。講師としての実力を持っているのではないかと思います。依頼が舞い込んだときに「やります」と答えるかどうか。それだけの問題です。
 セミナーについては編集部として対応することも多いようです。先ほどの「広報誌の作り方」「効果的な情報発信」の他には、「取材の仕方」「文章講座」「魅力的な写真の撮り方」「デザイン講座」「web制作の実際」といったテーマでセミナーが行われています。写真の撮り方では、僕が話すこともありますが、最近ではフォトグラファーのS氏が担当。僕はまだS氏の話を聴いたことはありません。どんなセミナーなのか気になります。
 こうした講演やセミナーの報酬はまちまち。ボランティア的なものもあれば、まとまった収入になるものもあります。いただいた謝礼はそのまま経理に渡すことになっています。

理念を伝える

講演・セミナーは我が社にとって営業品目とはなっていないのですが、ある種の重要な商品でもあると僕は捉えています。どんな商品かというと、「入口商品」なんですね。我が社のことを知ってもらうための商品なのです。
 よくある試供品とかトライアル商品のようなもの。たとえば、写真講座であれば、セミナーを受講するとひとつかふたつ技術を身につけることができて、写真の腕を上げることができる。けれども、プロの技術が身につくというわけではありません。10年、20年かけて身につけた技術を2、3時間で教えられるわけがない。したがって、「もっといい写真」を求めるのであれば、プロに依頼しようという気持ちになる。文章でもデザインでも、同じことがいえるでしょう。専門技術について知れば知るほど、奥の深さや難しさもわかってきますから、当然のことといえます。
 一方、講演の場合は技術・ノウハウよりも、思想・哲学について語られることとなります。観念的になると話はおもしろくないので、具体的な実践事例を紹介しますが、伝えたいのはあくまでも思想や哲学。しゅんやスロウは何を大切にしている媒体なのか。あるいはソーゴー印刷という会社はどういう思想や考え方を持っているのか。
 こうした思想・哲学をしっかり語ることのできる社員はまだ多いとはいえません。日々の仕事の中では、我が社の理念や雑誌の編集理念に基づいて活動しています。この点では僕以上に信頼度の高い人が多い。けれども、思想・哲学を体系的に語ったり、「なぜそうなっているのか」を伝えるには、もう少々経験が必要なのかもしれません。思想・哲学を語る機会を得た人は、どんどん自分の考えていることを講演の場で伝えてほしいと思います。
 ただ、若手には僕の持っていない強みがあります。僕の場合、つい理論化、抽象化して語ってしまうのですが、若手の人(特に編集者)の何人かは、自分の感じていることを素直にアウトプットしています。仕事を通じて何を感じているのか? 取材相手が感じていることを自分はどのように解釈しているのか? 自分が日頃感じていることを言葉で表現する。それが講演やセミナーの場で聴衆の共感につながっていけば、素晴らしいことです。
 僕らのふだんの事業活動では、販売する商品、製作する製品を通じて自社の理念を伝えようと努力します。こうした日々の活動が大切なのは言うまでもありませんが、言葉によって直接自社の理念を伝えるような場も必要でしょう。それがセールストークの場ではなく、講演やセミナーという形であれば、理想的と言えるのではないでしょうか。
 そのためにも、講演やセミナーの依頼が頻繁にやってくるような魅力的な活動、意味ある商品づくりを行っていくことが重要ですね。

〒080-0046 北海道帯広市西16条北1丁目25
TEL.0155-34-1281 FAX.0155-34-1287

高原淳写真的業務日誌