file 08 取材・執筆

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おはようございます。
 昨日は来客応対、次世代幹部養成塾、経営指針研究会。合間にすべきことがいくつかあって、ややハードな一日となりました。次世代幹部養成塾では「とかち道研」を題材に。経営指針研究会はSWOT分析の段階に入りました。

書き手は大都市に偏在するという現実

今回取り上げる「取材・執筆」は、我が社の場合、単独で販売されることはまずありません。基本的には印刷・製本までワンセットになって販売されるもの(電子媒体になることもありますが)。取材・執筆だけという仕事は受注しないことが多い。
 ただ、最近そうした仕事の引き合いがずいぶん多いようなのです。僕もここ1ヵ月の間に2つ相談を受けました。できれば協力したいところではあるのですが、人員は限られています。能力的にはクリアしていても、量的にあふれてしまっている。何とかよい解決方法があればよいのですが……。
 取材・執筆のプロと呼べる人はさほど多いわけではありません。こうした仕事は新聞社か出版社の内部、または周辺にいるものです。どちらかというと大都市に多い職種。特に出版社そのものが地方都市には非常に少ない。帯広で出版事業を営むというのは、通常の考え方ではできるものではないのです。
 もともとなかったところに出版事業を興したわけですが、芽と呼べるものはあったのかもしれません。地方都市の場合、一部の印刷会社には取材・執筆機能が存在します。それは自費出版や広告・広報媒体制作のニーズが地域にあるため。どの程度の印刷会社が制作部門を持っているのかは不明ですが、社内に編集部を設置可能な印刷会社もあるでしょう。
 ただ、有能な書き手が圧倒的に足りない……というのが現状ではないかと思います。都市型の職種ですから、取材・執筆の才能を持つ人や成長意欲の高い人は大都市を目指す傾向にあります。我が社も有能な書き手を確保することに長年苦労してきました。
 2004年に雑誌「northern style スロウ」を創刊。これはある意味、無謀なチャレンジでもありました。書き手が十分確保できているとはいえない状況の中での創刊。本を出していく中でブレイクスルーが起こり、気づくと書き手が誕生していた……。実際は違っていたかもしれませんが、僕にはそのような記憶が残っています。そして、僕自身も2006年から記事を書くようになり、同様にブレイクスルーが起こりました。商品が人を育てる。そうわかった瞬間でもありました。
 今、社内を見渡すと、ずいぶん書き手の層が厚くなってきたのではないかと感じることがあります。人口17万人弱の地方都市で、これだけ書き手が在籍している会社はほとんどないでしょう。通常であれば「十分な仕事量を確保すること」に苦労するはず。ですが、我が社の場合、なぜか取材・執筆の仕事は十分すぎるほどある。自前の媒体(雑誌、ムック、webサイト等)がたくさんあるからに他なりません。
 また、自費出版物の編集にも活躍の場があります。ゴーストライターとなる場合もありますし、著者の文章をリライトすることもある。職種名でいえば、「編集職」ということになるのですが、業務の範囲は営業、企画から執筆まで守備範囲が広い。たぶん、大都市の出版社の編集職よりも圧倒的に職域が広いのではないかと思います。

あらゆる業種に求められる取材・執筆能力

通常、ライターといえばスペシャリストということになります。編集者もスペシャリストでしょう。ところが、我が社の編集者はスペシャリストとはならず、ゼネラリストに位置づけられる。これは地方の印刷会社だからなのかもしれません。
 そんな組織の中で活動していますから、編集プロダクション的な受注の仕方をするのはできれば避けたいところ。出版・広告事業の一部、あるいは印刷事業の一部として取材・執筆がある。社内で一貫生産することによって、自社の理念に沿った活動ができる……。的確な説明とはいえませんが、そのような事情で取材・執筆のみの受注はしないことが多い。
 例外的なものとしては、自社媒体を広めるためのツールとなり得るような仕事。この場合は関係者と相談しながら慎重に判断し、受けるべきものは受ける。今もそのようにして編集活動を行っている媒体があって、12月には冊子として誕生していることでしょう。
 取材・執筆というスキルは出版社、新聞社に限らず、さまざまな業界に求められることになるのではないかと僕は予測しています。すでに力のある企業はそうした人材の確保に動いている。オウンドメディアに力を入れている会社も多い。
 人々の生活行動、消費行動は、モノではなくコトにシフトしている。ですから、知りたいのは商品のスペックではなく、背景となるストーリーであったり、生産者の人柄や考え方であったり、企業の理念やビジョンであったりするわけです。それを伝えるには、やはり文章力が欠かせません。
 我が社もまだまだ十分なスキルを保有しているとはいえないでしょう。ただ、才能を持つ人が入社するケースが増えてきました。また、ある程度時間はかかっても取材・執筆力が向上するような仕組みもできつつある。僕としては、あふれんばかりの意欲があれば、あとは商品が人を育ててくれる……と信じています。
 僕が入社したばかりの18年前には、取材・執筆能力を持つ人はほとんどいませんでした。編集長のM氏が孤軍奮闘していた期間が長かった。辛抱強く成長を待つこと。そして、人材が揃わない中でも魅力的な商品を生み出し続けること。そうした苦労の多い時期を過ごすうちに、少しずつみんなの能力が高まると同時に、才能を秘めた人が入社する会社になっていった。
 まだ、確立したわけではありませんが、こうしたノウハウを社外に伝えるべき時期に来ているのではないかと僕は考えています。新たな形で展開する自分史、自費出版事業の一環として、取材・執筆講座を実施してみたいと思っているところです。

ソーゴー印刷株式会社

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高原淳写真的業務日誌