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第2回 過去の自分に向き合う

第2回 過去の自分に向き合う

皆さん、おはようございます。お元気でしょうか?
 昨日は夕方からずっと食事会の準備をしていました。今日2月2日と来週の7日水曜日。2週連続の開催です。我が家最大の寸胴が久々に登場しました。スープカレーとタンドリーチキンはほぼ完成。他にどんな料理が並ぶのか、僕はまだ把握していません。このあたりは、段取りきちんとしているM氏にお任せです。
 というわけで唐突な書き出しですが、自分史づくりにおいても段取りがとても重要だということはおわかりいただけることでしょう。スープカレーに辛さの段階があるように、自分史づくりもいくつかの準備段階を経て、人生の濃厚な味わいが表現できるというもの。では、「7×7の法則」に続く準備の第2段階、「人生年表の作成」に話を進めましょう。

人生年表は発見の連続

僕は人生年表と呼んでいますが、自分史年表という言葉もよく使われています。だいたい同じようなものだと思います。自分の人生を歴史年表のように表す。単純に言えば、それだけのこと。とっても簡単です。
 ネットで検索すると、実にさまざまなスタイルの人生年表が出てくるはずです。自分史では過去に意識を向けて年表がつくられますが、未来志向の人生年表を作成する人も多いようです。僕もここで紹介したフォーマット以外に、「これからどんな人生を歩んでいくか」を表した人生年表(人生コンセプトマップ)を作成しています。こうした作業は、できるだけ若いうちに一度行っておくべきですね。
 自分史づくりにおける人生年表は、比較的シンプルなものでよいのではないかと思います。
 「年」「歳」「自分史(出来事)」「感じたこと・価値観」「社会の出来事」。とりあえずはこの5項目です。項目が多すぎると、ものすごくエネルギーを消耗します。実際につくってみて、物足りなさを感じたなら、項目を増やすとよいでしょう。
 最大の問題は、過去の出来事がなかなか思い出せないことです。僕の場合、中学、高校の記憶がものすごく乏しいことに気づきました。中学校のときは新聞づくり、高校からは写真に打ち込んでいました。しかし、それ以外の出来事についてはほとんど覚えていない・・・。インベーダーゲームが流行っていた時代。喫茶店でインベーダーをしながらナポリタンを食べた記憶くらいしかありません。

ところが、人生年表に真正面から取り組んでいくと、不思議なことが起こるのです。
 まずは覚えているところから記入していき、できるだけエクセルのシートを文字で埋めることに集中しましょう。ともかく、「年」「歳」「自分史」を埋めていくわけですが、重要なのはこのあと。事実関係を一通り記入してから、それぞれの出来事について「感じたこと」や「当時の自分の価値観」について思い出し、それを書き込んでいくのです。同時に「社会の出来事」も記入しましょう(ネットで調べればすぐに出てきます)。
 感じたことや価値観を思い出す。おそらく、それがきっかけになるのではないかと思います。錆びついていたトビラが音を立てて開かれる・・・。そんな感覚かもしれません。完全に忘れていたと思っていた記憶がよみがえってくることがあるのです。当時の情景がモノクロームの映像で浮かび上がってくる。最初はぼんやりしたものかもしれません。けれども、何度かチャレンジするうちに細部まで思い出せるようになっていく。不思議なものです。

過去の自分に向き合う。ある年代になると、誰もが経験することでしょう。しっかり丸一日使って向かい合うことができたなら、相当な発見が得られるのではないかと思います。
 過去の出来事を変えることはできません。けれども、過去の出来事に対する解釈については、今からでも変えることができる。自分にとって好ましくない出来事であっても、数10年たった今なら、それを肯定的に解釈し直すことも可能なのです。
 自分史作成という作業は、単に過去を記録するだけのものではありません。今という時間を生きている自分を、より肯定的な気持ち、考え方に変えてくれるものではないか? 僕はそんなふうに考えています。事実、僕は人生年表を作成しただけで、ずいぶん肯定的な気持ちに変わっていくのを感じました。
 なぜ、そう感じたのか? それは過去の出来事を解釈し直しただけではありません。重大な発見が得られるのです。それは子供の頃から今日に至るまで、自分の人生の中に脈々と流れているもの。自分が大切にしている価値観であったり、自分が一貫して好きなことであったり、ずっと積み重ねてきた知識・技術だったりするでしょう。このあたりから、僕は「人生テーマ」を明確にすることができるようになりました。

自分史作成講座の話というよりも、自己啓発本のような方向へ進んでしまいそうですね。それもまたよしとしましょう。自分史作成そのものが自己啓発のようなものといえます。
 自分の人生は本に著すだけの価値がある。人生年表を作成することで、そうした思いを強くすることができるに違いありません。事実そうなのです。
 どのような人生にも浮き沈みがあるものです。「虎穴には入らずんば虎子を得ず」とチャレンジしているつもりが、実は墓穴を掘っていた・・・。そんな経験もきっとあるでしょう(僕だけか?)。どんな経験でも、解釈を変えることで魅力的なストーリーになったり、意義深い人生の一部と思えるようになっていくものです。
 ぜひ、人生年表づくりに丸一日、せめて半日は費やすようにしましょう。

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