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file 12 クナウムック「北の焙煎人」

file 12 クナウムック「北の焙煎人」

おはようございます。
 火曜日に開かれる食事会の準備。今回は北海道の郷土料理がメインとなる。午後からは休日的な過ごし方。

カフェ、喫茶店、コーヒーショップ

11月1日、クナウムック「北の焙煎人」が発売されました。「スロウ村の仲間たち2018」で先行発売していましたから、すでに手に取っている方も多いのではないかと思います。
 これまでクナウムックシリーズはAB判というサイズでした。月刊しゅんと同じ大きさ。「北の焙煎人」はA5判。小さくなったため、単行本に近いイメージとなりました。写真は豊富に使われているものの、従来のクナウムックよりも文字がやや多め。じっくり読んでいただきたい記事が増えたという印象です。
 今後のクナウムックシリーズはたぶんA5判で発行されることになるのではないか? そんな予感がします。それほど、今回のサイズ変更はいい具合に感じている(個人的感想ですが)。文字と写真のバランスがいい。
 たぶん、読者の方々が疑問に思われるのは、「なぜ新シリーズ最初の本がコーヒーなのだろうか?」というところでしょう。北海道とコーヒー、北海道と自家焙煎。どちらかというと意外感を持たれるかもしれません。
 これは「スロウなカフェを訪ねて」の連載が始まった頃から意識していたこと。北海道には自家焙煎の喫茶店が実は多いのではないか? 単に軒数が多いだけではなく、コーヒーに対してある種の思想を持っていると思われる焙煎人がいる。その事実に、比較的早い時期から気づいていました。
 スロウ本誌の連載では「カフェ」という名称を使用しています。10年以上前から歴代編集者と僕との間では、「カフェと喫茶店はどう違うのか?」というテーマでディスカッションが繰り広げられていました。おもに取材先へ向かう車中での会話として。
 単純に「営業許可の違い」といってしまえばそれまでですが、やはりカフェと喫茶店とでは違いがある。営業許可にも関係しますが、僕らのぼんやりとした結論としては、「料理がメインであるカフェ」と「コーヒーがウリの喫茶店」という違い。ちなみに、連載「スロウなカフェを訪ねて」では、「何らかの料理をつくっている店」を取材するという、編集部内の暗黙のルールがあったようです(今はどうかわかりません)。
 あとはイメージ的なものでしょうか。明るい店がカフェで、照明の暗い店が喫茶店。僕も高校時代から喫茶店に入るようになりましたが、確かに照明は暗かった。セルフ式のコーヒーショップ、ドトールができたのは僕の大学時代。これは「喫茶店」ではなく、「コーヒーショップ」。「カフェ」ともちょっと違いますね。あくまでもコーヒーが主役ですから。
 コーヒーに対するこだわり度ではどうなのだろう? どこか、思想的に違いがあるような気がします。

「北の焙煎人」誕生秘話

スロウ編集部は「スロウなカフェを訪ねて」の記事をつくることはできても、喫茶店やコーヒーショップの記事には踏み込めない、ちょっとした理由がありました。
 それはなんと「コーヒーが苦手な編集者が多かった」という事実(社外初公開)。数年前までのスロウ編集部は、コーヒーよりお茶派が多かったのです。ところが、取材へ行くとなぜかみんな「コーヒー好き」のように思われてしまい、1日3軒取材すると3軒ともコーヒーを出してくれる……ということもありました。僕は大歓迎ですが、コーヒーが苦手な編集者は大変だったでしょう。
 今はたぶん全員コーヒーが好き。というわけで、今年に入り、このプロジェクトが始動したわけです。きっかけは、たぶん車中での会話だったと思います。あるいは僕の知らない場面での会話かもしれません。みんな「北の焙煎人」の存在が気になっていた。コーヒー好きな編集者が揃った今がチャンス……というわけで、一気に取材が進められていきました。
 編集部内では、「焙煎人という“人”を中心に取材していくのか」「コーヒーの淹れ方を扱うかどうか」「器具やコーヒーカップはどうか」といったさまざまな議論があったと記憶しています。結局、スロウ編集部らしく「人」中心にまとめられていった。今回のムックでは、焙煎人の思想、人生哲学にまで踏み込んだ記事が多かったのではないかと思います。
 僕もこれを機に、自分で淹れるコーヒーは「北の焙煎人」のものに限定することとしました。僕は社内でときどきコーヒーを淹れて、みんなに自由に飲んでもらっています。数ヵ月前から、その味が格段にアップしていることに気づいている人も多いでしょう。
 今は会社では普通のコーヒーメーカーを使っています。もっとこだわりの淹れ方を……と思って、自宅で円錐型のドリッパーを使い始めていますが、まだ思い通りの味になりません。取材では「淹れ方」の話も聞いたはずなのですが……。僕は立場上、撮影に集中せねばなりませんから、どうしても自分の知りたい情報を聞き逃してしまいます。
 そんなわけで、編集部のみんなが心からつくりたいと思った本がこうして形になった。これが本づくりの基本ですね。僕らはつくりたくない本をつくることは決してありません。しかし、今回のようにフォトグラファーやデザイナーを含めて、全員が足並み揃って「つくりたい本をつくる」というのもめずらしいのではなかろうか?
 心からつくりたいものをつくる。そのように規定すれば、今後誕生するクナウムックは少人数のチーム編成になっていくことでしょう。僕にも温めているテーマがあります。最初は「クナウこぞう文庫」から出そうと思っていましたが、今回の「北の焙煎人」の仕上がりを見て、考えが変わりました。年に2、3冊、こういうムックを出していければ楽しいですね。 

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