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北海道の仕事と暮らし05 ボーダレス化

北海道の仕事と暮らし05 ボーダレス化

おはようございます。
 午前中は自宅で仕事。やるべきことがいくつもあって、重要事項が後回しになってしまった。これではいけない。昼は帯広ロータリークラブ例会。情報集会の報告。帰宅後も「やるべきこと」が続く。4時、同友会とかち支部事務所。十勝経営者大学の打ち合わせ。6時、会社で某プロジェクトのミーティング。

参入障壁が低くなった

前回は「地域間競争が激化している」という話でした。遠く離れたところにいる「誰か」と競争している。誰かとは誰なのか、わからないことが多い。したがって、どのように競争したらよいのかわからないうちに仕事を失ってしまうこともあります。その打開策のひとつとなるのが、地域経済循環率を高めるような事業活動である、と僕は考えています。
 大競争時代の現在起こっているもうひとつの現象は「ボーダレス化」でしょう。業界の垣根がなくなってきている。どんな業種であっても、比較的容易に参入できるようになってきたのです。これは今までであればあり得なかったこと。
 たとえば、印刷業界というのはなかなか参入しにくい業種だったはずです。印刷機を1台購入するにも、オフセット印刷であれば数千万かかりますから。しかも、それを使いこなすには相応の技術が必要となる。普通に考えれば、印刷会社を起業しようという人は滅多にいないでしょう。
 ところが、オンデマンド主体の印刷業ということであれば、参入する価値はあるかもしれません。設備投資額は一桁少なくなりますし、技術的にも難しいものではない。アイデアがあって、ビジネスモデルを築くことができれば、成功しそうな気もします。
 近年、印刷機を持たない印刷会社というのも増えています。かつては「印刷ブローカー」と呼ばれていましたが、今はそれも印刷会社なのだという認識に変わりつつある。工場を持たない印刷会社。
 「工場を持たない……」というところがポイントですね。今の時代、工場を持たないパソコンメーカーがありますし、工場を持たない家電メーカーを起業する人もいます。今は比較的容易に製造をアウトソーシングすることができる。製造力よりも、技術力よりも、今は「アイデア力」と「デザイン力」の時代なのです。
 アイデアとデザイン。これは業界の中に長年浸かっていると、次第に弱まっていくものではないでしょうか? 印刷業界にどっぷり浸かっていると、ユーザーの潜在ニーズに気づきにくくなることがあるものです。異業種の人は印刷業の弱点をよく知っている。そこに、ビジネスチャンスを発見するかもしれません。
 印刷業界の人たちは、プロとして高品質な印刷物を製造するために日々努力している。ところが、「高品質な印刷物」とか「高い生産性」といった従来型の価値観とは異なる視点から、印刷ビジネスを眺めている人たちもいます。発注のしやすさだったり、極小ロット対応だったり、付帯サービスとの連携であったり……。いろいろなパターンがあって、それらの多くは業界にどっぷり浸かっている人には気づかないようなもの。その間隙を突いて参入してくる。その結果、あっという間に市場の一部を奪われる。
 ここ20年くらいの間に起こっているのは、そのような現象ではないかと思います。

アイデアとデザイン

印刷業を事例に話を進めましたが、こうした現象があらゆる業界で起こっている。ここに悩ましい問題があるわけです。
 どの業界の人たちも、自分たちの持っている技術に磨きをかけ、よりよい製品を生み出すために並々ならぬ努力を積み重ねてきている。ところが、技術をほとんど持たない人たちが、いとも簡単に(そう見える)市場に食い込んでくる。参入の仕方が「業界にどっぷり浸かっている人」とは異なりますから、ほとんど競争にならないんですね。市場の一部は、アイデア力とデザイン力を持った人に流れていく。
 ここ20年の動きを見ると、ものすごくよくわかります。ちゃんと気づいて、既存業界に属している人たちは考えと行動を改めなければなりませんね。我が社ももっと改めていかねばならない。市場から求められているものは、時代とともに常に変わり続けているのです。
 ここまで既存業界の弱点ばかり書いてしまいましたが、もちろん強みだってあるはずです。すでに保有している技術力や製造力。これは新規参入した人にはないもの。欠けているのはアイデアとデザイン(他にもあると思いますが)ですから、ここは「自前で何とかする」「能力を持った人を採用する」「他社と組む」のいずれかの方法で対応すればよいということになる。マインドを変えれば、状況は変えられるはず。
 一番いけないのは、「従来通りのやり方をさらに熱心に継続する」ことではないでしょうか? それがうまくいかなかったことは、ここ20年間の動きを見ればハッキリわかることです。
 アナログな時代には、職人技といったものがどの分野でも通用していたと思います。数字や言葉に置き換えることのできない、感覚的、芸術的な世界がある。ところが、デジタルの時代になると、かなり微妙なところまで数値化されるようになり、自動化、機械化されるようになりました。今後、さらにAIやロボットが普及するようになっていきます。そうなると、従来型のビジネスのやり方ではまったく通用しなくなる。旧態依然の業界は消えていくことでしょう。
 大競争時代は当面続くと考えられます。今後も、よくわからない業種の人たちがあっという間に市場を席巻してしまうという現象が起こるでしょう。そうして、大切な地域企業が縮小、廃業に追い込まれることになるかもしれません。何が有効な手立てなのか? 短い言葉で簡潔に述べることはできませんが、十勝の先進的な企業の中には、参考となる事例、ヒントが数多く隠されているような気がします。
 地域企業は、アナログな感覚をしっかり保持しながら、ビジネスのやり方をどんどん変えていかねばなりません。

ソーゴー印刷株式会社

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