
おはようございます。
朝礼に参加すると、帯広コア専門学校の学生さんが紹介されていた。2週間の企業実習らしい。受け入れはウェブチーム。2週間あれば、きっと多くのことが学べるに違いない。
午前中はK氏から送られてきたデータを僕のものと合体させ、整合性があるかチェックしていた。ボリュームがありすぎか? 当日、K氏と打ち合わせて微調整しようと思う。午後は一転、プライベートな用事を済ますことに。2時40分帰宅。そこから3時45分まで、1時間ちょっとの間にさまざまな仕事をこなす。4時、同友会事務所。とかち支部四役会。4時半から幹事会。久しぶりに議長を務めた。帰宅後、まだやり残した仕事があることに気がついた。
オウンドメディアへ
ここでは「ウェブサイト」と書きましたが、僕は社内では「web」と書くことが多い。人によって「Web」だったり「WEB」だったり、「ホームページ」「HP」だったりする。何だか、スッキリしない言葉ですね。
ウェブサイトが一般化する前は、「ホームページ」(HP)と呼ばれていた。それがいつの頃からかウェブのほうが主流となった。専門的なことはわかりませんが、HPはどうやら誤用されることが多いらしい。ブラウザの最初のページやウェブサイトのトップページが、本来はHPなのだそうです。というわけで「HP制作」と言ってしまうと、トップページだけの制作をしていると誤解されるかもしれません。
ソーゴー印刷のウェブサイト制作はいつから始まったのか? これは僕の入社した2000年のことだったと記憶しています。確か、会社案内を充実させようということでさまざまなツールを制作していて、その中にウェブサイトもありました。ずいぶん大がかりに行われていた。記憶が定かではありませんが、DVDもつくられたはず。どこかにありそうですが、僕の手元には残っていません。
たぶん、この頃からちゃんとした会社であれば、ウェブサイトを持つべきである……といった認識が広まっていったのではないかと思います。ただ、この頃の印刷会社はどこもそうでしたが、インターネットは印刷会社にとって脅威となるものと思われていました。我が社にも若干その傾向があったのではないかと思います。ウェブ制作を事業化することはなく、社内での技術開発も部分的な動きに留まっていました。
最初のうちは「ウェブサイトを作るとこんなにお金がかかるんだ……」と思うような金額でしたが、数年のうちにフリーの技術者やセミプロっぽい人が続々参入し、制作料金はずいぶん下がっていきました。我が社でも2008年頃からウェブ制作を受注するようになりましたが、利益率としては高くはない。時間ばかりかかるというイメージでした。
ところが、数年前あたりから、再び潮目が変わってきたような気がします。「オウンドメディア」という言葉が使われるようになってからのことでしょうか? オウンドメディアとは「企業や組織自らが所有し、消費者に向けて発信する媒体」のこと。紙媒体であれば広報誌などを指します。ウェブサイトを単に「保有している」のではなく、オウンドメディアとして活用する企業が増えていきました。
ウェブサイトと雑誌の関係
その結果、見栄えがよく、中身のあるウェブサイトが求められるようになっていきます。こうなると、セミプロレベルの制作者には負担が重い。逆に、これまでウェブサイトと微妙な距離にあった印刷会社がウェブ制作に積極的に乗り出していくようになっていきました。
なぜ印刷会社か? それは紙媒体の制作と同じような工程があることと、印刷媒体とテータを共用することができるため。トータルでコストを考えると印刷会社に発注するほうがパフォーマンスが高い。そう考えるクライアントが増えてきたのかもしれません。
僕はもうひとつ別な角度からこの動きを眺めてきました。というのも、数年前(10年くらい前だったかもしれません)に、「出版関連業界の編集者やライターがIT業界に移行している」といった情報をよく見るようになったのです。出版、とりわけ雑誌はここ20年くらい右肩下がりになっていますから、人材のほうもどんどん流出している。僕の想像では、一部はITに、別な一部はUIJターンという形で地方に移り住んでいる。事情は異なりますが、まあ、僕もそうしたUターン組のひとりといえそうです。
これはどういう現象なのか?
オウンドメディアとしてのウェブサイト。これは紙媒体の広報誌と極めて近い関係にあると捉えてよいのではないでしょうか。つまり、雑誌の制作手順と同じようなやり方でウェブサイトを制作する。メディアが紙かウェブかの違いがあるだけ。
デザインの仕方や文章の書き方には若干違いがあるわけですが、基本的には雑誌の制作に近い。我が社の編集者も特に違和感を感じることなく制作しているようです。
事実、「スロウのようなテイストで……」といった依頼がときどき寄せられます。また、さまざまな会社のウェブサイトを見ると、雑誌的な作り方をしているところがずいぶん多い。僕個人としても、「技術的に凝ったサイト」よりも「雑誌のように洗練されたサイト」のほうが好ましく感じます。
ウェブサイトに長々書かれている文章は読まれない……。そう主張する人もいますが、僕の考えはその逆です。ウェブでは無制限に長く書くこともできるし、数多くの写真を盛り込むことができる。マニアックな情報を伝えるのであれば、紙媒体よりも向いていることが多い。僕も目がチカチカするまで読んでしまうことがあります。
ウェブサイトは電子的な仕掛けの雑誌なのだ。そう再認識すると、我が社にできることは山のようにあるはず。
スロウのサイトの中に「スロウのウェブマガジン」(https://n-slow.com/webmagazine/)があるのをご存知でしょうか? 改善の余地はあるものの、おもしろい試みだと思っています。
