file 18 広報誌(紙)

file 18 広報誌(紙)

おはようございます。
 午前中は会社で企画案を練る。アイデアを紙片に書き留めていく。急速に考えがまとまっていく。あとは文章でまとめるか、パワポのデータにするか。ビジュアルが決め手になるような気がする。昼は帯広ロータリークラブ例会。午後は自宅で仕事をする。午前中に一日分の仕事を終えたのかもしれない。急にスピードダウンしてしまった。7時から帯広経営研究会総務広報委員会。

内製するか外注するか

前回は「会報」がテーマだったので、今回は「広報」を取り上げようと思います。
 ざっくり広報と言ってしまうと範囲が広くなってしまいますから、今回は広報誌、または広報紙に限定します。冊子状になっているのが広報誌、一枚物、あるいはタブロイド判のような形状のものが広報紙。どちらも発行する目的は同じ。自社の理念、商品、出来事、社風などを顧客や地域の人々に伝えること。そして、自社に愛着を持ってもらう、共感してもらう、できれば商品を購入してもらう……といった期待とともに発行しているはず。
 広報誌には実にさまざまなタイプがあります。
 コストを最小限に抑えたものとしては、手書きやワープロソフトなどで原稿を作成し、コピー、またはプリンターから出力して、顧客に配るというもの。この場合は、紙代、コピー機のカウンタ料、インク代程度。あとは作成に費やす時間くらいでしょうか。多少手間はかかりますが、手づくり感があるという特徴があります。おすすめは「手書き」ですね。なぜか手書きにすると、顧客との距離感が縮まっていくような気がします。印刷会社に発注する必要もありません。少部数であれば、内製化できるというのもメリットですね。
 ある程度までの部数であれば、高速カラープリンター(オルフィスなど)を使って、自社で印刷することが可能。しかし、1000部くらいの単位になると印刷会社に発注したほうがよいのではないかと思います。やはりプリンターとオフセット印刷ではクオリティに違いがあるものです。この点、「あえて品質を問わない」という考え方もありますから、意見の分かれるところでしょう。
 たぶん、印刷会社に発注しなければできないだろう……と思われるもの。それは雑誌のようなつくりになっている広報誌です。最低8ページ、多い場合は数10ページ。雑誌ではないので、100ページを超えるようなことはほとんどないでしょう。
 こうした冊子では、編集段階から印刷会社や広告代理店、デザイン事務所が関わっていることが多い。ソーゴー印刷の場合、社内に編集者が20人ほどいます。ふだんは雑誌やフリーマガジンをつくっていますが、広報誌を受注した際には、編集のお手伝いをすることがあります。やはり、コストをかけるのであれば、プロの手を借りたほうが見栄えという点でも、メッセージ性という観点からも、よいものができるに違いありません。

一貫性のあるメッセージ

ただ、そこまでコストはかけられないという企業が実際には多いはず。ですから、誌面データは自社で作成し、印刷のみ発注するというケースも増えているような気がします。DTPが普及している今日では、ある程度慣れてくればプロレベルに近いものができるでしょう。その場合はアドビのソフト、インデザイン、イラストレーター、フォトショップあたりが必要となってきます。
 広報誌は定期的に発行するものです。だいたい、月1回とか年4回といったペースでしょうか。継続的に発行し続けるのであれば、「基本デザインのみプロのデザイナーに組んでもらう」というのも、ひとつの方法でしょうね。この場合の料金設定がどうなるのか、僕にはわかりませんが、基本デザインのデータを受け取って、あとは自分たちで制作を行う。技術的に可能であれば、このやり方はありだと思います。
 たまに、我が社のデザイナーが社外の方々に向けてデザイン講習会を行うことがあります。本当にごくたまに行われるものなので、前回がいつだったのか覚えていません。DTPの普及とともに、こうした講習会のニーズはけっこう多いに違いありません。印刷会社のデザイナーは当然ながら印刷のことを熟知しています。モニター上で見るのと実際の印刷の仕上がりにはギャップがあるもの。このあたりを理解する必要があります。
 記事の作成や編集という面でも、やはりプロの編集者と一般の方々とでは歴然とした違いがある。当たり前ですね。ただ、取材、執筆、編集にはコツのようなものがあって、その仕事に向いている人であれば、比較的速やかにある程度のレベルにまで到達することができる。
 これも、やはり講習会に参加するのがよいでしょう。こちらも、たまに開催することがあります。今月、北海学園大学人文学部と連携協定を締結しましたから、今後、学生向けに取材・編集講座といったものを開催する機会があるはず。テキストを企業向けに作成し直して、帯広で編集講座を行うのもよいかもしれません。
 近年、どの企業もオウンドメディアに力を入れているはず。オウンドメディアとは「企業や組織自らが所有し、消費者に向けて発信する媒体」のこと。広報誌はもちろん、パンフレットやウェブサイト、ブログなども含まれます。オウンドメディアに欠かせないもののひとつは、「一貫したメッセージ」ではないかと思います。作り手は広報担当社員だったり、社長自らだったりするでしょう。誰がつくるにせよ、自社としての一貫性が求められる。
 自社としてのもっとも重要なメッセージ。それは社外の人間にはわからないことが多い。したがって、一部外注するにしても「できるだけ自ら関わること」が重要となってきます。我が社は技術・ノウハウを提供することができますが、広報誌に盛り込むべき「一貫したメッセージ」は発行する会社固有のものでなければなりません。

〒080-0046 北海道帯広市西16条北1丁目25
TEL.0155-34-1281 FAX.0155-34-1287

高原淳写真的業務日誌