
おはようございます。
朝の便で帯広から羽田へ。さらに市ヶ谷へ。予定通り、12時半頃目的地に到着。午後1時から中同協(中小企業家同友会全国協議会)の企業変革支援プログラム改訂プロジェクト会議。第1回目であるため、自己紹介、意見交換、今後の進め方等が話し合われた。休憩をはさみ、4時間に及ぶ会議だった。宿は新橋。帯広にUターンして18年もたつと、地下鉄がどうつながっているのかもわからない。スマホの乗り換え案内のアプリに頼り切り。
夜は高校時代の同級生、H氏と飲む。「5年ぶり」と言っていたが、僕の感覚ではちょくちょく会っていたような気がする。同級生と会う場合、20年ぶりとか30年ぶりといったケースが増えてきた。5年は「つい最近」という認識になっているのかもしれない。次に東京で会うときは、H氏にとって39年ぶりの再開となるA氏を誘うことに決まった。
企業変革支援プログラム普及の鍵
中小企業家同友会には、全国に46000社もの会員がいます。うち北海道は5900社。加入率でいうと、北海道は群を抜いて高い。ただ、東京で行われる会議に出席すると、活動の中身についてはずいぶん進んでいる地域があるものだと気づきます。経営指針成文化運動にしろ、今回の企業変革支援プログラムの普及・登録推進の活動にしろ、北海道は残念ながら出遅れています。これから挽回していかねばなりません。
北海道でも少しずつ経営指針成文化に取り組む会員企業が増えてきました。これは各支部経営指針委員会の努力によるところが大きいのですが、やはり経営指針の必要性に気づく経営者が増えてきていているためでしょう。必要性を感じながら、取り組むのをためらっている会員も多数いるのではないかと思います。踏み込むことのできない最大の理由は「難しそうだから」というものではないかと僕は想像しています。
企業変革支援プログラムについても、昨日の会議の中で「敷居が高いと感じる会員がいる」といった報告がありました。STEP1に比べてSTEP2の販売数が少ないのは、単純に文字数が多くて「難しそうに感じる」からではなかろうか?
中身を充実させればさせるほど、執筆者や編集者が熱心につくればつくるほど、テキスト(プログラム)のほうは理論的、専門的になっていく。正しさや詳しさを追求するあまり、難解な言い回しになったり、くどい文章になっていく傾向がある。現在の企業変革支援プログラムを見ると、必ずしも難解というわけではないことに気づきます。しかし、難しいと感じる会員がいるのは、直感的に感じる「ボリュームの多さ」によるためでしょう。
企業経営者としての使命に目覚め、熱心に企業経営に取り組んでいる人たちにとっては、どうということのないテキスト。中身が充実しており、これに沿って企業変革に取り組めば、素晴らしい効果が期待できる……。昨日の会議に出席して、道内企業にもっと広めていかねば、と痛感しました。
一方、北海道の同友会会員企業に広めていくには、もっと直感的に「いい!」と感じられるようなツールが必要だ。そう改めて感じました。僕の「暴論」かもしれませんが、そこには地域性の違いというものがあるのではないかと思うのです。
地域性という問題
自分自身を振り返ってみてわかることですが、デスクワークの日々が続くと、自分の思考は次第に理屈っぽいものとなっていきます。逆に、取材等で道内各地をまわると、素敵な風景を見たり、自然体で生きている人たちに出会ったりする。そうすると、自分の感性が刺激される(ような気がする)。
その結果、頭で考えて「いい」と思うのではなく、直感的に「いい」と思えるようになっていくのです。北海道……といっても住んでいる場所、仕事をしている場所によりますが、僕らの場合は、直感的に物事を判断する機会が多いのではないでしょうか? 物事をよく考えずに「おもしろそうだから」という理由だけで、とんでもないことをやってのける人たちもいます。
北海道と対極にある東京にもとんでもないことをやってのける人がいるわけですが、質的にはずいぶん違いがあるはず。この違いは機会を改めて考えてみたいと思います。
さて、北海道暮らしが長くなると、理屈っぽく考えるのがちょっと苦手になってくるものです(僕だけかな?)。しかし、企業経営には論理性や科学性が必要となりますから、左脳もちゃんと働かせるることができるよう、日頃のメンテナンスが欠かせません。僕にとって、同友会での勉強はちょうどよい内容。難しすぎず、やさしすぎない。
ほどよいやさしさでを保ちながら、企業経営の質を高めていく。経営者としてのスキルを高めていくことが、北海道同友会の目指すべき方向性ではなかろうか? 勝手に僕がそう思っているだけですが、とかち支部の中で活動しているとそのことがよくわかる。札幌で企業経営していると、左脳重視の傾向が若干出てくるのではないかと思います。
たぶん、僕の役割は「やや難解に思われるプログラム」を極限までやさしくかみ砕いて、直感的に「いい」と感じられるようなツールを生み出すことなのでしょう。2017年春、「激訳・経営指針成文化」を著したように、激しくわかって、訳がわかる……というようなツール、または伝え方が必要。これは科学的経営をしている立派な企業経営者には、困難な仕事ではないかと想像します。
難しいことをやさしく伝えるのが本当の能力……といわれますが、正解のない企業経営というものに関して、やさしく伝えるのは本来不可能なこと。賢明な経営者の場合、理屈っぽくなったり、正確性にこだわるのはやむを得ないことなのです。
その点、僕の場合、賢明さでは劣るものの懸命さは持ち合わせていますから、文庫本「激訳シリーズ」的な伝え方をすることは可能。たぶん、僕のようなタイプの人は道内にはけっこういると思います。そこそこの正しさ+美しさ+神秘性。この3つが揃うと、直感的に「いい!」と感じられるのではないかと思います。