
おはようございます。
おかしい。昨日は原稿執筆に充てるつもりだったのに。気づくと、午前中は写真セレクト作業、午後は4時間かかって商品撮影を行うこととなった。原稿執筆は金曜日のワンチャンスを残すのみ。去年の同時期よりもスケジュールが込み入っているようだ。
何年続けられるか
それにしても「30年前と同じような仕事をしているなぁ」と感じることがあります。30年前にも果てしなく続く商品撮影がありました。果てしなく続く料理撮影というのもあったな……。モデル撮影では、ヘアメイクが終わるのを果てしなく待つこともあった。僕はせっかちなのか淡泊なのか、ヘアメイクに1時間かかっても撮影は5分か10分程度。ポラを待つ60秒すら惜しいと思いながら撮影していました。
今はデジカメなので待たずに済む幸せ(?)を享受しています。現像所へ通う必要がない。デジタル写真最大のメリットといえます。かつては1日2回通っていました。大量に現像を出していましたが、事務所のあった西荻窪は配達区域外だったのです。
30年前と同じような仕事ができるのは、デジタル写真になったという理由が大きい。
30年前の自分は「この仕事を何歳まで続けられるのだろう?」と真剣に考えていました。僕は勝手に「40歳が限界だろう」と決め込み、その後は自分の作品づくりだけに集中するつもりでした。その目論見はもろくも崩れ、僕の人生計画は練り直すこととなった。
16年前に作成した人生計画では、3年後、2021年から作品制作三昧の生活を送ることになっています。果たしてそうなるのかどうか? 何となく、そうならないような気がします。スロウの仕事を続けたいという気持ちが現時点では強い。
人生計画は「思い通り実現するところ」と「違った形で実現するところ」とがあるものです。30年前と同じ仕事をしているという今の状況は、もしかすると僕にとって幸運なことなのかもしれません。デジカメの進歩によって、技術的にも体力的にも、撮影はずいぶん楽なものになりました。
今不自由しているのは、老眼が進んでデジカメのモニターが見づらいこと。そして、パソコンで画像を見続けるのが辛くなってきたこと。パソコンで原稿を書くのはほとんど苦になりませんが、画像を見続けると苦しくなってくる。文章と写真では、「見る」と「観る」の違いがあるからかもしれません。
写真に限らず、あらゆる分野で仕事をこなすことが楽になってきています。仕事というよりも、作業というべきでしょうか。特に、力を要するもの、忍耐力を要するものが劇的に楽になってきている。北海道の場合、一番劇的なのは農機具の進歩でしょうか。これにより、大規模化が可能となった。いずれ無人化も実現するのでしょう。
仕事人生の集大成
北海道は人口減少数が47都道府県の中で最多となり、少子高齢化が急速に進んでいます。高齢化率(65歳以上の占める割合)という点では20位前後。直近の数字では高齢化率30.5%。初めて30%を超えたようです。
若い人の道外人口流出が止まらない。しかも、その北海道の中でも札幌一極集中が進んでいますから、道内地方都市の少子高齢化は深刻なものと考えるべきでしょう。
ただ、僕のまわりを見ると元気な高齢者がずいぶん多いような気がします。医療、介護の面で深刻な問題はあるにせよ、現役バリバリでも不思議ではない人たちが大勢いるのです。ただ、30.5%の人たちにとって少ないのは「活躍の場」ではないかと思います。
人生100年時代に向かっています。生活のためではなく、自分のライフワークを完成させるために仕事をする。そういう人が増えていくでしょうし、そのための場づくりや環境整備が求められるのではないかと思います。
定年退職という概念もこれから薄れていくに違いありません。第二の人生に何を求めるか……ではなく、自分のこれまでの仕事人生の集大成をどうするのか? そんな認識で老後を迎える人が増えていくことでしょう。つまり、従来の概念でいうところの「現役」の間に何を考え、どんな活動をしてきたのかが重要となってくる。現役期間に「ただ何となく会社に勤めていた」とか「お金のため、生活のため働いていた」という人にとっては、長い老後が退屈なものとなるのではないでしょうか?
僕は上手いか下手かは別として、40年も写真を続けてきたので、写真という表現手段を使って何かをまとめ上げたいと思っています。文章を書く仕事も30年以上となりました。できれば写真と文章の両方を使ってまとめたい。企業経営者としては18年。こちらはまだまだ「まとめる」という段階には至っていません。20年を超えると何かが見えてくるのだろうか?
取材活動を続ける中でときどき耳にするのは、「10年ひとつのことを続けてようやくプロになる」といった話。ひとつのことをやり続ける中には単調と思える作業や幾多の困難がやってくる。そうした些細な逆境を受け入れることができず、数年であきらめてしまう人が少なくありません。
どのような仕事にも価値があり、奥の深さがあるわけですから、自分が選択した道を最低10年は続けてみるべきではないかと僕は思っています。10年たつと「自分はまだまだだな」と思えてくる。奇妙なことに、3年くらいで「できちゃいました」と言って会社を辞めていく人がたまにいます。「これからがおもしろいのに」と言っても、このようなタイプの人にはなかなか伝わらない。
この道50年、60年という人から、僕らはもっと話を聴く必要があります。ただ「聴く」だけではなく、聴きながら「読み解く」必要があるのではないかと思います。技術が進歩し、未熟な人でもそれなりの仕事ができる時代になっている。それだけに、目に見えないもの、形にならないところを感じ取る能力が求められる。僕も取材活動を通じて、先達からまだまだ学んでいるというのが実情です。
