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北海道の仕事と暮らし32 人ありきの活動

北海道の仕事と暮らし32 人ありきの活動

おはようございます。
 帯広から中川まで5時間半のドライブ(仮眠時間含む)。途中、雪が舞うこともあったが、おおむねよい天気だった。美深のあたりでいい写真が撮れた。今回の目的は天塩中川駅で開催される「Dive to Haskap」に参加すること。6月に収穫されたハスカップの新酒「JuinNubo」の解禁パーティ。
 僕は飲む気満々だったのだが、タクシーが夕方5時半で終了とのこと。ポンピラアクアリズイングまで歩いて帰るわけにはいかない。車で会場入り。新酒はあきらめ、ハスカップサイダーを味わった。天塩中川駅は大勢の人で賑わっていた。町民が8割、町外の人が2割。最初は駅構内で料理をいただき、後半は屋外の焚き火料理を堪能した。さほど寒さは感じなかった。

誰かの熱意から事業が生まれる

このイベントはたぶん今年で6回目(確認したわけではありません)。定員先着40名という小規模なイベント。中川町だからできるのかもしれません。同じようなイベントを帯広や札幌で開催したら、趣がずいぶん違ったものとなるでしょう。駅前で焚き火……というのも無理そうな気がします。
 「Dive to Haskap」を始めたのは当時の地域おこし協力隊員だった、という話が出てきました。誰かひとり発案した人がいて、その人の熱意でイベントが開催される。そして、その後も誰かが受け継いで年1回のイベントして町に住む人たちの楽しみとなる。
 地域おこしも企業の事業活動も、同じようなところがありますね。
 誰かが新しいことを始めるわけです。発案者はひとりのこともあれば、複数名のこともある。新しいことをするには大きなエネルギーが必要。余計な苦労はしたくないという人は、新しいことには消極的です。それでも熱意ある人たちは困難を乗り越え、新しい商品、新しい事業を生み出していく。
 生み出されるのは、実は商品、事業だけではありません。多くの困難を経て新商品、新事業が生まれるのですから、同時にストーリー、エピソードも誕生していると言ってよいのです。
 我が社が今行っている事業も、何年前あるいは何10年前かに、誰かの発案によって始められ、幾多の困難を乗り越え、今に至っているわけです。ですから、事業を軌道に乗せるまでの苦難の歴史、ストーリーがある。そして、その陰にはユニークなエピソードも散りばめられています。
 そのようにして考えていくと、僕らの行っている事業活動も、中川町のような自治体の地域おこし活動も、「人ありきの活動」なのだと改めて認識させられます。
 誰かの熱意があって、初めて形あるものが誕生する。必ずしも自分が発案者である必要はありません。誰かの発案に賛同、共感し、熱意とともに一緒にプロジェクトを進めていく。そういう関わり方ができれば、仕事の充実感は違ったものとなるのではないでしょうか。
 本来であれば企業規模は関係ないのかもしれません。しかし、大企業や大きな組織に勤めている人の場合、自分のすべき仕事は「上から降りてくる」といった感覚を持ちやすいのではないかと思います。我が社は社員数60数名ですが、このくらいの規模であっても、「上からの指示」で動いているという意識で働く人がいると思います。既存の事業活動ではそのほうが効率的かもしれません。ただ、指示に従うだけの働き方から新しいものは生まれてこない。

「人ありき」であることを思い出す

当たり前の話ではありますが、今行っている事業活動や今受注・販売している商品は、すべて「誰か」が発案し、当時の人々が苦労して生み出したものです。立ち上げに関わった人たちにとっては、何10年たっても、鮮明な記憶として刻まれていることでしょう。
 しかし、すでに商品が存在し、事業活動が日常的に行われるようになってから入社すると、「誰かが生み出した」という認識が希薄になってしまうような気がします。
 僕にしてもそうです。「誰かが生み出した」と実感できる事業は20年くらい前まで。具体的には月刊しゅん創刊時のストーリーまでは鮮明に覚えています。それ以前になると、断片的な情報しかありません。印刷商品一つひとつの誕生の経緯がよくわかってない。発案者は先代社長だろう……と想像するだけで、商品化に尽力した人たちの苦闘の歴史を十分理解しているとはいえません。できるだけ、この空白を埋めていくことが僕の務めだと考えています。
 ハッキリはわからないとしても、誰かが生み出した「人ありきの活動」なのだ認識することが重要でしょう。そうイメージするだけでもよいと思います。
 すでにあるから、自分はそれを続けるだけ。そういう働き方や取り組み姿勢では、仕事を通じて充実感を味わうことはできないのではないかと思います。仕事を受け継ぐというよりも、先人の意志や精神を受け継ぎ、それに自分のアイデアや思いを付け加えていく……。事業活動にはそのような「人ありき」という姿勢が求められるのではなかろうか?
 僕は中小企業家同友会の経営指針成文化運動に深く関わっていくうちに、「創業者も後継者も同じ」という結論にたどり着きました。創業者は自分が会社を立ち上げたわけですが、自分が「ゼロから」ということはなく、誰から何かを受け継ぎ、それを形にしたのだと僕は理解しています。後継者は先代から自社を受け継ぐことになります。しかし、すでにあるものを守り続けるだけで自社を存続させることはできません。必ず、新しい何かを生み出さねばなりません。
 「人が事業や商品を生み出す」という当たり前の事実に目を向け、社員一人ひとりが「自分も当事者なのだ」という意識を持つ必要があるでしょう。
 新しいものを生み出すには並外れた熱意が必要となります。熱意を持った人は社長である場合もあれば、新入社員ということもある。社歴、役職、職種は関係ありません。自社、顧客、社会全体のことを考え、「こうあるべきだ」という理想に燃えている人。そうした人の周囲に協力者が現れ、核となる商品や自社を成長させる事業が展開されていく。
 企業には「火をつける人」「燃える人」「燃料を供給する人」「火が絶えないよう管理する人」、さまざまな役割を持つ人が必要だ……。昨夜は焚き火を見ながらぼんやり考えていました。

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