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北海道の仕事と暮らし37 仕事をつくる仕事

北海道の仕事と暮らし37 仕事をつくる仕事

おはようございます。
 昨日はほぼ一日パソコンの前に座っていました。ものすごく集中したが、十分な成果が得られたとは言い難い。一歩か二歩進んだのだから、これでよしとしよう。午後、素晴らしいニュースが飛び込んできた。取り急ぎ、関係者ふたりに伝えたが、拍子抜けするほど感激が薄かった。まあ、時期が来ればわかる。すべてのものにはタイプラグがある。感動も後からやってくるものだ。今年も仕事納めの日がやってきた。ずいぶん残してしまった仕事がある。

先見力と忍耐力

仕事納めの日。段取りよく仕事をしている人は、例年少しだけ仕事をし、多くの時間を清掃や片付けに充てています。僕は段取りの悪いタイプなので、仕事時間が多くを占め、自分の机の上だけ片付けるという日になる。日々ハードに働いているはずなのにどうしてこのようなことになるのか、ちょっと不思議な気持ちになることがあります。
 仕事は大きく2つに分けられるのではないかと思います。「仕事をつくる仕事」と「すでに目の前にある仕事」。すでに目の前にあり、何をすべきかが明確な仕事は計算しやすい。取材、撮影、原稿執筆時間などは、経験者であればおおよそ計算できるものです。
 一方、「仕事をつくる仕事」のほうは、計算外のことが起こりますし、いくら時間をかけたからといって目に見える成果が得られるとは限りません。何ヵ月かかっても成果ゼロということもある。新事業を立ち上げたり、営業で新規開拓を熱心に行っている人は、「成果が得られるかどうかわからない」というプレッシャーと闘いながら、自分を信じて努力を重ねていることでしょう。
 ほとんどの人は目に見える成果を速やかに獲得したいと考えています。一日働いたら、日給を手にしたい。そこまで短いスパンではないにしろ、数ヵ月努力したら、その見返りがほしい……と考えてしまいます。
 しかし、数ヵ月程度の努力で新規事業が軌道に乗るはずはないわけです。20年前に創刊した月刊しゅんが軌道に乗るまでには、創刊から5年という期間を要しました。それも、かなり危険な状態を経ての5年。ギリギリのところで運が残っていたともいえますし、当時の関係者は超人的と思えるほど努力をした。
 どの時代にも「仕事をつくる仕事」に携わっている人が社内には何人かいるものです。こうした仕事をする人がいなければ、その会社は数ヵ月、数年しか持たないことでしょう。企業は常に数年先、10数年先を見越して商品開発をしたり、事業領域を変えていったりする。
 経営者は当然のこととして「仕事をつくる仕事」に多くの時間を割いています。ただ、今の時代は経営者や一部の幹部だけでは、新しい仕事を生み出すのは困難であるといえます。やる気に満ちた若手が関わらなければ魅力ある仕事にはなりにくい。
 決め手は、先見力と忍耐力と持った若手かな……。全体を見渡す能力も求められる。社内には、こうした力が備わっている人と短期的成果を追い求める人とがいます。どちらのタイプであってもよいわけですが、社内には2割程度、前者のようなタイプの人がいてほしいと僕は思っています。

ベネフィットとプロフィットのタイムラグ

ものの価値が非常にわかりにくい時代になっています。20年くらい前までは「印刷物」というモノに価値があった。今は印刷物の代わりとなるコミュニケーションツールが数多くあり、形のないものに価値を見いだす人が増えています。最近では、形のないツールが増えすぎて、紙媒体への回帰も進みつつあります。形あるものと形のないもの。「形」はさほど問題ではなく、コンテンツに価値があるかどうかが重要なのでしょう。
 我が社の仕事も、形のないものを数多く扱うようになってきました。世の中全体、形のないものが急速に増えています。キャッシュレスが進んでいき、「現金」が使われなくなるかもしれません。シェアリングエコノミーが広がっていくと、GDPが下がっていくことになるでしょう。経済的に豊かなのかどうか、計測しにくくなる。北海道は物々交換やお裾分けが盛んな地域ですから、GDPに反映されない豊かさがあると考えてよいと思います。豊かさも価値も、自分が感じ取るもの。それが長年貨幣価値という数字に置き換えられてきたことのほうが、僕には不自然であるように感じてしまいます。
 それでも、当面は資本主義経済の中で生きていくことになるわけですから、数字に置き換えることが可能な価値を僕らは生み出していかねばなりません。
 「仕事をつくる仕事」には、2つのものが求められるでしょう。人々が豊かさを実感できるような価値を持つもの。もうひとつは、それを金額として数値化することができ、自社に豊かさをもたらすものであること。言い換えれば、前者はベネフィット、後者はプロフィットということになります。
 「仕事をつくる仕事」で知っておかねばならないことは、最初にベネフィットを提供するということ。そして、タイムラグがあってプロフィットがもたらされる。例外もありますが、そういう順番になっていると考えておいたほうがよいでしょう。四字熟語で言えば「先義後利」ですね。
 タイムラグをどの程度見込んだらよいのか? ここがひとつの考えどころです。プロジェクトの大小にもよりますし、社内の事情もある。我が社の場合、5年くらいかかっているものが月刊しゅんの他にもあります。一般には許容されにくいタイムラグ。もっとも、企業経営という点で「5年」は長期とはいえません。一般に、社風を変えるには10年かかると言われています。経営者は10年単位で考える必要があります。
 世の中全体というべきでしょうか? 僕の観察するところ、先見力と忍耐力が低下傾向にあるような気がします。世界的に見てもポピュリズムの台頭がそのことを示しています。継続的な努力の結果、正当な成果が得られるはずなのに、先に成果を求めたり、一日分の努力でもらえるつもりになっていたりする。そうした風潮が地域企業にまで広まってしまうのは、好ましいことではありません。
 「仕事をつくる仕事」に携わっていない人であっても、その仕事の意義を知るべきです。同時に、自分の仕事の仕方をよりクリエイティブなものに変えていくことが重要。全社員自ら「仕事をつくる」。そんな会社になったら、きっとすごいことになるでしょうね。

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