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北海道の仕事と暮らし40 目指すべき地産地消

北海道の仕事と暮らし40 目指すべき地産地消

おはようございます。
 昨日は買い物、読書、料理づくり。日曜大工的な作業もほんの少し行った。全体的には体を休める日となった。
 今年も今日一日限り。2018年、平成最後の大晦日。今年一年、果たして意味ある仕事ができたのだろうか? いろいろ考えることはあるが、まだその考えはまとまっていない。

新陳代謝は正しいか?

ここ10数年ずっと考え続けていることですが、今年は特に地域経済について考える年となりました。どうすれば地域は経済的に発展するのか? 地域企業に勤めている人が安心して働くにはどうすればよいのか? もちろん、僕にとっては「自社をどう発展させればよいのか?」が最重要テーマですが、地域企業である我が社の発展は地域の発展と密接に関係しています。地域経済について考えないわけにはいきません。
 「産業の新陳代謝」といった言葉が新聞、テレビ等から聞こえてくることがあります。そういえば、最近は耳にしていないなぁ……。そう思って日経電子版で検索してみると、そこそこヒットしました。10月5件、11月と12月は各2件。「産業の新陳代謝が進まないと、日本経済にとってマイナス」という文脈が目立ちます。
 僕はずっと「新陳代謝」という言葉に引っかかるものを感じ続けています。同じような意味合いで「淘汰」という言葉も使われますね。こういう言葉の使い方はどうなのだろう? 新陳代謝というと「正常に機能している」といった印象になりますし、淘汰というと「自然界の法則」であるかのように錯覚してしまいかねません。倒産・廃業という言葉の使用を最小限に抑えるために持ち出した言葉のように僕には思えてしまいます。
 その一方で、日本では老舗企業をあがめる傾向も強い。創業200年以上の企業が日本には3000社以上あって、ダントツ世界一。世界の老舗の半数以上が日本企業であるということに誇りを感じている人も多いでしょう。僕もこれぞ日本の企業経営の素晴らしいところだと思っています。経営指針づくりに取り組む経営者の中には、「100年企業を目指す」といった意気込みを掲げる人が少なくありません。
 ピーター・ドラッカーによると「企業の命題は永続性」ということになります。100年企業、200年企業を目指すというのは、至極もっともな経営者の欲求であり、そこで働く社員の希望でもあると考えるべきでしょう。
 とはいえ、日本経済、地域経済には若々しさも必要ですから、起業家の育成や新規参入しやすい仕組みづくりといったものも必要となる。要はバランスの問題ですね。社会が求める価値を生み出さない企業が消えていくのはやむを得ないこと。それを補うような新興企業が台頭してくるのは自然なことといえるでしょう。
 問題は、立派な技術があるのに存続できない企業や、魅力ある商品を生み出しているのに価格競争に敗れてしまうという企業が多いことです。ここに来てクローズアップされているのは後継者不在による廃業という問題。これは地方でも大都市でも起こっていること。M&Aも盛んになってはいますが、失われる技術も多いに違いありません。

業態変革と地産地消

技術があってやる気もある。加えてアイデアも持っている。そんな企業であっても、苦戦している地域企業は多いことでしょう。製造業にしても、小売業にしても、原料コスト、仕入れコストの点で、大企業には太刀打ちできないような差がある。高い原価に苦労しながら商品をつくっている限り、価格差のハンデを埋めることは不可能に近い。加えて、大企業では大量生産・大量販売を行っています。最終価格では、2倍、3倍という違いになってくるわけです。
 この価格差を消費者はどのように感じ、どういう消費行動をとるのか? 僕はずっと気になっています。食品のジャンルでは、消費者の許容範囲はずいぶん広がってきたと感じています。2倍くらい高くても、地元素材、地元加工の商品を選択する。そんな人も少なくないのではないでしょうか。あるいは、ふだんは高くて手が届かないけれど、数回に一度は地元のものを購入する。そのような意識の人も多いでしょう。
 これは地元企業を応援したいという気持ちに加え、安心・安全を求めての消費行動と考えられます。ですから、食品関連業界はやり方次第で大手の競争が可能となる。
 次に有望なのは工芸やアートの分野ではないかと思っています。陶器やガラス製品などは100円ショップでも販売されていますが、その100倍くらいのお金を出して器を購入する人も多い。用途は同じでも、使ったときの気持ちに大きな違いが生じる。お金には換算できない価値を感じるわけです。大量生産ではなく、一点ものの器や工芸品や作品。地域企業や個人の作り手にとって、好ましい環境が整いつつあるような気がします。
 問題は、地域間競争や大企業との競争にさらされやすい業種の地域企業はどうすればよいのか、という点にあります。印刷業もそのひとつ。そのような業種は印刷業に限らず非常に多い。打つべき手は当然ながら「業態変革」です。ただし、やり方を誤ると危険な賭けとなってしまいます。我が社の業態変革も、それが正しかったのかどうか判明するのは10年くらい先の話になると思います。
 企業経営者はリスクを取らねばなりませんし、民間企業で働く人はリスクがあることを承知で働かねばなりません。しかし、この急激な環境変化をある程度緩和したり、企業の健全なチャレンジをバックアップするような施策や市場環境が必要なのではなかろうか? これは国や自治体に求めるというよりも、そうした地域づくりを異業種の企業家とともに築き上げていくべきなのではないか? 僕はそんなふうに捉えていて、十勝にはそれが実現可能な素地があると思っています。
 やり方はよくわかりませんが、可能性は十分にある。食品、工芸に続く第3のムーブメントは、工業製品の地産地消です。ちなみに第4のムーブメントは情報の地産地消。「平成の次の時代」に地域が掲げるべき大目標ではないかと考えています。

ソーゴー印刷株式会社

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