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北海道の仕事と暮らし52 前工程と次工程

北海道の仕事と暮らし52 前工程と次工程

おはようございます。
 奇跡的に丸一日使うことのできる日を与えられた。差し迫ったものがいくつもあった。緊急度の高いものから片付けていく。次々メールを送り、いくつか電話をする。少し身軽になってから、帯広経営研究会要覧の入稿作業。集まった原稿をそのまま送ったのでは、制作担当のC氏が混乱するに違いない。わかりやすくまとめる作業に時間を要する。これはやはり会員でなければできない仕事だ。今年は定款等に変更箇所があって、確認作業に時間がかかる。午後4時頃入稿。最後はマレーシアの企業経営者向けプレゼン資料作成。7時頃完成。マレーシアにいるH氏にメールで送る。一日集中したためか、8時間も眠ってしまった。

仕事の質を左右するもの

入稿作業をしながら思ったこと。それは次工程の人の苦労を軽減しようという気持ちが大切だな……ということでした。
 僕の場合、毎日入稿作業をしているわけではありません。だから、営業や編集者の人に比べると、比較的ていねいに入稿することができる(たぶん)。毎日入稿に追われている人の場合はどうなのでしょう? その人の性格にもよると思いますが、少し雑になってしまうこともあるかもしれません。
 そこで求められるのがイメージ力でしょう。雑な入稿の仕方をすると、次工程である制作やデザイナーは混乱することとなる。作業効率が落ち、ミスが発生しやすくなるわけです。そうすると、思い通りの結果とはならず、やり直ししてもらうケースも出てくるでしょう。次工程にも自分にも悪影響を及ぼすことになってしまいます。自分の仕事の質は絶対に落とさない。そういう決意がないと、みんなが困ることになるのです。
 東京で仕事をしていた頃は、ほぼ自己完結型の仕事でした。前工程は「受注」、次工程は「納品」という仕事。デザインはデザイナーに依頼することが多かったものの、途中からは自分でこなすようになっていきました。どうしてかというと、ラフを作成したり、デザイナーに説明するのが面倒だったから。説明している時間があったら、自分でやってしまおうと思ったのです。今でもラフづくりは苦手。インデザインで半分完成させ、デザイナーに仕上げてもらうことが多い。こんなやり方は、デザイナーにとっては不本意かもしれません。
 そんな自己完結型に慣れていた僕であるため、ソーゴー印刷に入社すると妙に不自由な気持ちになってしまいました。何をするにも、誰かに頼まなければならない。自分で印刷できたらどれほどよいか。そう思うこともあります。
 印刷物ができあがるには、原稿作成→入稿→制作・デザイン→校正→製版→印刷→製本・仕上げ、というプロセスを経ることとなります。アナログの時代には「版下」とか「製版フィルム」という段階もありました。
 どの製造業も同じだと思いますが、前工程の仕事の質が低いと、後工程がいくらがんばってもクオリティを上げることはできません。
 そしてまた、前工程がどんなにいい仕事をしたとしても、後工程の人がいい加減な仕事をしてしまうと、完成品の質はやはり低いものとなる。前工程の人からすると、残念なことこの上ないということになるわけです。

つながりや関係性をイメージする

組織で仕事をする人に欠かせないイメージ力。それは「前工程の人がどれほど苦労していい仕事をしてきたのか」ということを想像する力。そして、「後工程の人が存分に力を発揮している状態」を想像することでしょう。どちらが欠けてもいい仕事にはならないのではないかと思います。
 今もあるのか忘れましたが、社内のどこかに「後工程はお客様」という標語が貼ってあったことを覚えています。社内で完成した製品・商品が最終工程というわけではありません。納品し、お客様が印刷物を使用するときが最終工程。出版物の場合は読者が本を読むときが最終工程ということになります。
 印刷物が使いやすいか、目的に沿ったものか。雑誌・書籍が読みやすいか、求める情報が得られるか。最終工程に位置するお客様・読者がどのように印刷物や出版物を使用するのか、僕らはしっかりとイメージできていなければなりません。
 自分の仕事に誇りを持っている人は、「後工程はお客様」という意味をちゃんと知っているに違いありません。一方、自分の仕事の意味や価値を十分心得ていない人の場合、お客様や読者の存在をイメージしにくくなるかもしれません。職種によって、お客様・読者と接する機会の多い人と少ない人とがいます。頭の中ではお客様がいることは承知していても、我が社に何を求め、どんな製品を必要としているのか、理解できない……。未熟な人の場合はそうなってしまうでしょう。
 それぞれ自分の専門分野について技術を高めようと、誰もが努力しているに違いありません。しかし、それだけでは製品・商品の品質は高まらない。ある程度のレベルまではたどり着いても、そこで壁にぶつかってしまうことになるんですね。人の心を動かすような商品にまで高めるには、技術を超えた何かが必要となる。
 出版の仕事で言えば、前工程は「企画・取材」ということになるのでしょう。しかし、実際に取材してみると、編集者は自分が一番の前工程ではないということに気づくはずです。何か価値のある仕事や生き方をしている人を取材する。その人の仕事や生き方そのものが、自分にとっての前工程であるとも言えるのです。
 編集者はその人の仕事ぶりや生き方に対し、最大限敬意を払って記事をつくろうとする。そうして、次工程の人たちも同じように敬意を払い、最終的には一冊の本になる。
 そんなふうに、あらゆる人、あらゆる物事はつながっているのではないかと思います。こうしたつながりや関係性をイメージできる人が価値を生み出していく。「お客様が最終工程」と書きましたが、実はその先にも工程が続いていると考えるべきなのかもしれません。

ソーゴー印刷株式会社

〒080-0046 北海道帯広市西16条北1丁目25
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