
おはようございます。
午前10時、池田で「りくらす」の取材。午後、気になっている案件に着手しよう……と思ったのだが、必要なものが揃わない。どうしたことか? 期せずして部屋の片付けをすることになる。あきらめて、別な案件に切り替える。
ルックイースト政策から40年近くたって……
今日はマレーシアから38名のお客様がやってくることになっています。午前中はソーゴー印刷の会社見学。午後は十勝の企業経営者や行政、団体との交流会。我が社のツアー事業がいよいよ始まることになります。僕らとしては未知の領域。ほとんど誰も経験したことのない仕事。
そんなわけで、遅ればせながら昨日はマレーシア経済についてインターネットで調べ、参考になりそうなものを出力し、読み込んでいました。本当はマレーシアとの交流が始まった3、4年前に知っておくべき事柄。どうしてちゃんと勉強しておかなかったのか? 何となく知っているつもりでいたのでした。
マレーシアについてもともと知っていたのは、マレー系、中華系、インド系などからなる多民族国家であるということと、マハティール首相によるルックイースト政策くらいでしょうか。昨年は90代にしてマハティール氏が首相に返り咲いたことに驚きました。
ツアー事業を担当する我が社のスロウトラベル北海道(STH)という部署からは、マレーシアの富裕層人口が600万人を超え、シンガポール全人口以上になっていることを教えられました。マレーシア全人口の約2割に相当します。
さらに、所得別人口構成を調べてみると、富裕層とアッパーミドルが約6割を占めています。ロワーミドルが約3割。低所得者数は約1割。他のアジア諸国に比べて低所得層が圧倒的に少ない。その歴史的背景はちょっと複雑そうなので、ここに書くことはできません。もっとちゃんと学ぶ必要がありそうです。
ルックイーストの時代はともかく、今は僕らのほうがマレーシアから学ぶことが多いのではないかと思っています。特に我が社が業務提携しているアムレジャー・メディア社のビジネスは興味深い。たぶん、僕らにはない発想を持っている。そして、行動の仕方もずいぶん違っているような気がします。
それでいて、日本に対する関心度は今なお高いようです。今回やってくる38名の方々は、みな企業経営者または経営者団体関係者。普通に旅行するというより、旅の趣旨は視察旅行または研修旅行らしい。日本の経営者も盛んに海外へ視察旅行していますから、どの国の経営者も同じかもしれません。しかし、わざわざ北海道に絞ってやってくるということは、北海道に彼らを引きつける魅力と可能性があると考えてよいのでしょう。
北海道の魅力は北海道民が一番よく知っている……。10数年前まで僕はそう信じていたのですが、雑誌スロウで取材をするようになってから、その確信は揺らぐこととなりました。取材相手の6割か7割の人たちは移住者であり、彼らの生活こそ、僕にとっては「北海道らしい」と思えてしまうのです。北海道らしさとはどういうことなのか、大いに考えさせられました。
そんなわけで、北海道で生まれ育った人も、人生の途中で北海道に惹かれて住むようになった人も、どちらも北海道民であることに違いはない、と思うようになっていきました。現に社内にも道外出身者が多数います。僕も20年間本州で暮らしていたUターン者です。
ツアー事業の意味
外国人が北海道(というより日本)で暮らすには今なお制約があると思います。しかし、頻繁に行き来して、2拠点生活を送るのは決して不可能ではないでしょう。というよりも、それに近い暮らしをしている人が増えているはず。海外旅行と移住との境目は、次第に消えていくことになるのではないでしょうか?
マレーシアの方々が北海道に関心を持つのと同様、日本人のほうも移住したい国ナンバーワンとしてマレーシアを選ぶ人が多いのだそうです。温暖な気候、物価が比較的安い、英語が通じるといった理由らしい。僕もポケトークを使えば、マレーシアで暮らせるかもしれません。それはともかく、日本人の旅行先としても魅力的ですね。僕はまだ飛行機の乗り換えでクアラルンプールに立ち寄ったことと、シンガポールと国境を接するジョホールバールに足を踏み入れたことがあるという程度。
これまではJICA草の根技術交流事業を通じて、我が社のSTHの人たちがマレーシアを訪問していましたが、僕もプライベートで行ってみたくなりました。たぶん、今年はマッタフェア(旅行博)のタイミングに合わせて訪問することになるでしょう。
北海道のことを考えるには、道外に飛び出してみるのが一番ではないかと思うことがあります。道外に出てみると、「北海道にはこの部分が足りない」と気づくもの。逆に「北海道にしかないもの」に気づくこともあります。ずっと道内に住んでいて、しみじみとわかることもあるとは思います。けれども、20代、30代という若いうちに気づくには、外の世界を広く見聞きすることが必要。
今は国内旅行とほとんど変わらない費用で海外へ行くことができる。劇的に行きやすくなったのは、たぶん30年くらい前のことではなかったかと思います。バブルの頃かな? もう忘れましたが、1990年代には年2、3回ペースで海外旅行をしていました。それはほとんど撮影旅行でした。もっと視察や研修といった意味合いで海外を訪問すればよかった。今ならそう思いますね。
世界が不安定になってきて、治安の面で心配な国もありますが、まだまだ見ておくべき国が多い。一方、北海道にもさまざまな国から大勢やってきて、経済面ばかりではなく、人的、文化的交流がこれから盛んになっていくことでしょう。僕らはどうしてもインバウンド消費というお金にばかり目が向かう傾向にありますが、本当はもっと違う面に意識を向ける必要があるでしょう。
地理的、文化的、歴史的背景の異なる人々との交流を通じて、お互いの知識や感性が豊かになっていくこと。そういう場を積極的につくっていくことが僕らの役割のひとつになるのではないか? たぶん、ツアー事業を行う意味はこのあたりにありそうな気がします。
