
おはようございます。
朝7時出発。芽室でS氏と合流し旭川へ。狩勝峠を越えると積雪量がまったく異なっていた。見通しもよくない。時間に余裕を持って出発したのが幸いだった。取材時刻ピッタリの11時、目的地到着。同一テーマ、2ヵ所にわたる取材。取材でなければ見ることのできない機体、設備を撮影。午後は東神楽でプレ取材。4時少し前、富良野駅でS氏と別れ、僕はニュー富良野ホテルへ。
6時半、中小企業家同友会道北あさひかわ支部富良野地区会&わかば会新年例会。第1部の新春講演で話をさせていただく。テーマは「出版と編集で地域の魅力と価値を高める ~経営指針づくりでわかった自社固有の役割~」というもの。60分にしては中身を詰め込みすぎたようだ。1.2倍速くらいで話すこととなった。幸い、参加者の多くは経営指針を実践している方々だった。一部話を省略したが、ちゃんと伝わっているようだった。7時40分頃から第2部の懇親会。参加者ひとりずつ感想や近況報告をするコーナーがあった。懇親会も学びの場となっているところが素晴らしい。懇親会終了後、バスで街中へ移動。第3部と第4部が行われた。延々経営指針の話が続く。宿に戻ったのは深夜。
ビジョンと将来ドメイン
世の中には立派な経営者が大勢いますし、経営指針を立派に実践している企業もたくさんあります。したがって、僕の出る幕は本当はさほどないわけですが、全道経営指針委員長という立場上、経営指針について語る場面がどうしても増えることとなります。同友会での講演はあくまでも「実践報告」。ですから、成功事例を披露する必要はなく、あくまでも我が社の事例をありのままに伝えることに専念すればよい。そう考えて、素直に報告させていただいています。
僕の考えるところ、経営指針づくりの最大の山場は「事業領域」(ドメイン)なんですね。それも、今のドメインを考えるのではなく、将来ドメインについて描いていく。僕の場合はここにもっともエネルギーを注ぐこととなります。
一方、経営指針を初めて成文化するという人の場合は、経営理念と10年ビジョンを言葉に表すことに苦労することとなるでしょう。それはもっともなこと。経営理念の明文化は容易なことではありません。いったんできあがったとしても、「これでよい」ということにはならない。毎日頭から離れず、ずっと考え続けることになるでしょう。僕も2002年の夏から、ずっと毎日考え続けています。
ただ、考える時間は経営理念よりも、ビジョンと将来ドメインのほうが長くなってきました。理念というものはある程度普遍的なものといえます。言葉が適切かどうかは別として、コロコロ変わるものではありません。考え続けはしても、たぶん僕の代で変更することはないでしょう。
ビジョンの場合は、経営理念とはちょっと事情が異なります。僕はビジョンを「超長期」「長期」「中期」と3つに分けて考えており、長期ビジョン(10年)と中期ビジョン(3~5年)は絶えず変わり続けています。僕ひとりの会社であれば、大きな変更はないかもしれません。しかし、志を持つ人と一緒に仕事をしている場合は、自分の描くビジョンだけで自社の中長期ビジョンを表すことはできません。人が成長し、各人の描くビジョンが発展していけば、当然ながら会社のビジョンも変わっていくこととなります。
このあたりは、企業文化や経営スタイルによって違いがあることでしょう。我が社の場合は有機的に変わり続けるビジョンが合っているような気がします。
戦略よりもストーリー
変化し続けてはいるのですが、経営理念がしっかりしていれば、一貫性が損なわれるようなことはまずありません。描いたビジョンに沿って、次に将来ドメインを設定していくこととなります。このとき必要となるのが「自社固有の役割は何か?」ということ。経営理念策定シートの「3」の項目です。経営指針研究会で研究生の方々がけっこう苦労する設問。これは「自社は何業か?」と言い換えてもよいかもしれません。
ここで、印刷業、出版業、広告業……といった即物的な答え方をすると、将来ビジョンはなかなか見えてこないんですね。自社の現在の顧客は印刷物や出版物、広告ツールを求めているわけではないのです。こうした商品を通じて得られる「気持ちの変化」だったり、「使用することで得られる結果」に期待しているわけです。ですから、役割はもっと別なところにあると考えるべきでしょう。
そうした自社固有の役割は、時代とともに変化していくもの。自社の理念とビジョンに沿って、将来の自社固有の役割を描き出すことが求められます。それが将来ドメインとなっていく。
僕がこうした勉強をしていた頃は「将来ドメイン」ではなく、確か「戦略ドメイン」という言い方をしていました。どちらも意味するところは同じ。ですが、僕はあるときから「戦略」という言葉を使うことに慎重になっていきました。戦略という言葉の中には、どうしても「誰かを打ち負かす」といった意味合いを感じてしまいます。これまでさんざん使ってきたため、今もつい使ってしまうことがありますが、今は別な言葉に置き換えるよう意識しています。
「戦略」を「ストーリー」に置き換えることもあります。ビジョンに到達するためのストーリー。このほうが我が社には合っているはず。自社の歴史もストーリーですし、今もストーリーの途中にあります。これから展開されるストーリーを美しく描き出したい。そういう気持ちを持っている人が我が社には多いのではないかと思います。
ここ数年、世界も北海道も十勝も、そして我が社も、大きく変化しています。魅力的なストーリー、そして将来ビジョンを描くことが何よりも重要なのではないか? これは企業ばかりではなく、個人の人生にも当てはまりますね。
