高原淳写真的業務日誌 > 北海道の仕事と暮らし > 北海道の仕事と暮らし59 将来ドメイン

北海道の仕事と暮らし59 将来ドメイン

北海道の仕事と暮らし59 将来ドメイン

おはようございます。
 目覚めたら7時だった。前日夜更かししたのだからやむを得ない。9時半出発。風景を撮りながら帰途につく。12時半帰宅。少し休んでから、帯広市内で打ち合わせ。6時半、帯広柏葉高校同窓会新年交礼会。例年通り、会報のための撮影を担当。終了後、同級生の多くは二次会へ向かった。僕は帰宅。たっぷり睡眠を確保した。

何をやっても自由だが……

昨日は事業領域、とりわけ将来ドメインを中心にブログを書いたのですが、今朝になって、もう少し書いておきたいことがあることに気づきました。
 事業領域はできれば明確に定めたほうがよい。それはおそらく間違いないでしょう。社内で認識を共有するためにも、領域の設定は必要。けれども、世の中の変化がここまで激しくなってくると、事業領域に縛られるべきではない、と僕は考えるようになってきました。
 以前は違う考えでした。僕が経営指針や経営計画について勉強し始めた2002年頃は、たぶん「選択と集中」という言葉がよく使われていたと思います。研修の中でも「本業に集中せよ」と言われていたと記憶しています。余計なことに手を出すから本業がおかしくなる。これはバブル崩壊で得た教訓のひとつといえるでしょう。
 その教訓を今もかたくなに守り続けている企業も多いと思います。そして立派に自社を発展させている企業もある。ですから、道はひとつではありませんし、それぞれ独自の考え方があってよいわけです。
 ただ、ひとつ言えるのは、「従来の本業に執着していると消えてしまう業種もある」ということ。そう考えると、消える可能性のある業界の人ほど、将来ドメインについて真剣に考えなければなりません。いや、むしろ「何をやっても自由なのだ」というくらい、柔軟に物事を考える必要があるでしょう。
 印刷業の場合は、幸い「消えていく業種」ではありません。けれども、古い考え方に執着したままでいると、どんどん勢いが失われていく業種のひとつといえます。消えはしないが、変わらなければならない業種。製造業にしても、サービス業にしても、そういう業種はけっこうありますね。今のままでよいという業種はたぶんほとんどない。大部分は「変わらなければならない業種」か「このまま行くと消えていく業種」のどちらかでしょう。そのくらいの大変化が起こっているわけです。
 そこで、僕らはどう考えるべきなのか? 経営指針づくりを通じて、自社の方向性を指し示すことが求められているのだと思います。「何をやっても自由」なのですが、何も考えずに思いつきレベルで新しいことに手を出したら、バブル期とは違った意味で痛い目に遭うことでしょう。
 僕はあるとき、こう考えました。領域は厳密に設定せず、テーマを明確にすることが重要なのではないか? そういう考えが自分の中で強まってきたのはいつ頃だったのだろう? たぶん、さまざまなジョイントビジネスの話が持ちかけられるようになった頃だったと思います。特に、スロウを創刊して数年経った頃でしょう。

アーティスティック経営

月刊しゅんにしろ、スロウにしろ、自前の媒体を持っていると何かしらのメリットがあるものです。取材活動や情報発信活動を行っているのだから、「こういうこともできるのではないか?」という相談をときどき持ちかけられるのです。
 そのように舞い込んだ話には、我が社の従来の事業領域と合致するものもあれば、事業領域外のプランだったりすることもあります。後者の場合は、大いに悩むこととなる。考え、悩んだ結果、引き受ける場合もあれば、辞退する場合もある。その際の判断基準として、「自社の事業テーマに沿っているかどうか」がひとつのポイントとなるのではなかろうか? 単純に「自社の能力不足」を理由に辞退することも多いのですが、テーマに沿っていないと思われるケースもあります。テーマがわかりにくい場合は、「自社のビジョンと関連があるかどうか?」と考えてもよいでしょう。
 損得を基準に物事を考えると、今はよくても、数年後、数10年後、望ましくない方向へ自社を導くこととなってしまうのではないか、と僕は考えています。損得も当然考慮すべきですが、同時に中長期的視点から意思決定しなければなりません。プロジェクトが大規模なものであればあるほど、損得だけで判断するのは危険といえます。
 僕はこうした考えに関して、勝手ながら「アーティスティック経営」と命名しています。何がアートなのかについて、僕は語る立場にはありませんが、僕にとっては「秩序を見いだすこと」であったり、「美を発見したり、創造すること」であったりします。それをアートと言ってよいのであれば、企業経営者の目指すところも、やはりアートと考えて差し支えないのではないか?
 では、秩序とか美といったものは、企業経営の中のどこにあるのでしょうか? 僕の考えでは、それは社歴の中にある、ということになります。創業から今日までの社歴。その中に秩序や美を見いだすことができるかどうか? ここが重要だと思うんですね。
 創業の精神があり、幾多の困難を乗り越えながらも、一貫して追い求めているものがあるかどうか。あるいはストーリー性が感じられるかどうか。ストーリーをハッキリ読み解くことのできる企業は美しい、と僕は思っています。実際、日本の企業の中にはそういう美しい歴史を持つ企業が数多くあります。
 将来ドメインを描く際にも、秩序や美を意識する必要がある。それが僕の現時点での考えです。これは今の我が社のためというより、「次世代の我が社の人たちのためにそうすべきではないか」と考えています。過去を変えることはできません。ですから、今を生きている僕らが次世代のために、美しい事業・商品をつくり、美しい社歴を残していく役割があるのです。

〒080-0046 北海道帯広市西16条北1丁目25
TEL.0155-34-1281 FAX.0155-34-1287

高原淳写真的業務日誌