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北海道の仕事と暮らし65 読書文化と教育

北海道の仕事と暮らし65 読書文化と教育

おはようございます。
 午前中は写真セレクト作業等。午後は同友会事務所。1時、第1期十勝経営者大学「経営学コース」が始まる。これから3月末まで、毎土曜日通うことになる。第1講は国際経済論。北海道大学大学院公共政策学連携研究部、佐々木隆生名誉教授が講師。「リスクを孕む世界経済のこれから」というテーマ。話が非常にわかりやすく、頭の中が整理されていくのを感じた。と同時に、問題の深刻さもこれまで以上に感じることとなった。
 4時半いったん帰宅。中同協経営労働委員会の資料を出力。4つのファイルをすべて出力すると270ページ超となった。
 6時からは書店商業組合十勝支部新年懇親会。僕は会員ではないが、毎年「関係者」という立場で参加するようになった。書店、出版社、新聞社の集まり。書店としては「読書文化」、出版社、新聞社としては「活字文化」、さらに印刷会社としては「印刷文化」を守らなければならない。今は年に一度の集まりだが、地域の中で結束力を強め、ムーブメントを起こす必要があるのではないか? 久々にビールを飲み、そうした思いを強くした。

読書率の不思議

昨日一日をひと言に集約するならば、「知ることが何より大切」ということでした。そのためには「教育」も当然重要となってきます。当たり前のことなのに、それほど大切にされてはいない。ここに大きな問題が横たわっています。
 たとえば、企業内において、教育、研修、勉強会は重要度が高いものとして位置づけられています。しかし、目の前に仕事があると、勉強は後まわしにされることが多い。「勉強よりも仕事のほうが重要」と思い込んでいる人は、重要度の低いものであっても仕事を優先させ、勉強を後まわしにします。その結果、生産性の低い仕事の仕方を延々と続けることになる……。
 こうした悪循環は多くの会社で見られる現象でしょう。それが企業内だけではなく、家庭教育にも影響を及ぼしているのではないか? あくまでも僕の推測に過ぎませんが、そう考えることがあります。
 普通に考えれば、読書嫌いの人たちの子供が読書好きになるとは思えません。例外があるとすれば、読書を推奨する学校であったり、よい先生に恵まれれば、本が好きになる可能性はある。けれども、本来の姿としては、親が本を読み、子供も読書好きになるというのが理想ではないでしょうか?
 勉強が好きになるかどうか。ポイントのひとつは「読書好きかどうか」にあるでしょう。まわりの大人が読書好きであるとか、率先して何かを学んでいること。そんな家庭環境なら、何も言わなくても子供は勉強するようになり、必要な知識を身につけるようになっていくに違いありません。
 ネットで改めて調べてみたら、都道府県別の小学生読書率で、北海道は43位でした(2017年度)。最下位グループに位置しています。1位岩手県、2位鹿児島県、3位山形県。一方、25歳以上の読書率のランキングでは、1位東京都、2位神奈川県、3位千葉県(2016年度)。首都圏の圧勝(?)という結果になっています。これは地方の読書好きな人たちが首都圏の大学に進学し、そのまま定住した結果ではないか……。この数字だけで断言はできませんが、そのように解釈できそうです。
 小学生読書率1位の岩手県は、25歳以上では30位。平均以下となってしまっています。これは読書の推奨活動が始まって日が浅いのか、それとも首都圏に流出してしまったのか。このあたりはわかりません。岩手、山形、鹿児島には、ぜひ腐らずに読書推奨活動を継続してほしいところです。

「専門知識だけ」の危うさ

教育という観点でいうならば、単に知識を増やすための読書ではなく、自分の住む地域への愛着心を高めるような本も読書生活の中に取り入れるべきでしょう。東京の情報に偏重した本を読めば、東京志向が強くなるのは当然のこと。そういう人がいてももちろんよいのですが、北海道の本、十勝の本を多く読めば、地域エンゲージメントは高まっていくことになるでしょう。進学、就職で管外に移り住んだとしても、生まれ育った地元のことを気にかけるような大人になっていく。
 読書、あるいは新聞を読むことで知識が増える。その結果、どう変わっていくのか? それは大なり小なり、行動の仕方が変わっていくことになるわけです。一番わかりやすいのは、消費マインドや実際の消費行動が変わっていくことになるでしょう。
 地元に対する知識が増えて、地域経済に関して問題意識を持つようになると、「できるだけ地元の店から商品を買おう」とか「地元資本の会社に発注しよう」という気持ちに変わっていくものです。それがめぐりめぐって、自分の会社や自分自身にも少なからぬ影響を及ぼすことになる。
 十勝経営者大学の中では、教育格差の問題について触れられていました。今世界で起こっている問題に対処するには、まずは教育の底上げが重要……。そんな話だったと思います。地域の問題も教育格差が拡大する中では解決困難。読書を通じて、広く知識を吸収することが何より重要でしょう。
 自分の仕事に直接的に役立つ専門知識も、社会人になったら持っておかねばなりません。けれども、専門知識だけでは新しい問題には対処できない。そんな話も講義の中にありました。「専門知識には賞味期限がある」という話。世の中は急速に変化しています。常に新しい問題が発生し、同時に新しいチャンスが目の前にやってくる。それらに対応するためには、直接関係ないような情報、知識が求められるわけです。佐々木教授は「知育」という言葉を使っていました。知的能力を高めるような教育、とりわけ読書習慣を普及させていかねばなりません。
 やはり、十勝の読書率を高めるような活動にもっと積極的に関わっていくべきではないか? 十勝経営者大学と書店商業組合新年会に参加して、改めて強く感じることとなりました。

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