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北海道の仕事と暮らし71 一言集約

北海道の仕事と暮らし71 一言集約

おはようございます。
 土曜日。午前中は休日として過ごす。午後は十勝経営者大学第2講。講師は釧路公立大学の萩原充教授。テーマは「現代中国経済を読み解く ~歴史的にみたらどうなる?~」というものだった。現象面にとらわれない視点を持つことが大切、という話だった。夜はいくつかの事務的作業と写真選び。

複雑であることを受け入れて集約する

中国経済について「こうだ」とひと言で断じることはできないでしょう。昨日の講義の中でも、さまざまな側面や、僕にはなかった視点からの話が多かった。おもしろい。しかし、実体がよくつかめない。講義によって、僕の頭の一部はスッキリしましたが、別な部分ではさらによくわからなくなってきました。まあ、勉強とはそういうものなのでしょう。
 簡単に結論づけることはできませんが、講義の最後のほうに「実利的な中国」という話がありました。昨日の講義をひと言で集約するならば、この言葉になるでしょうか。資料には「それはそれ、これはこれ」と書いてありました。確かに、そういう傾向があるような気がします。
 これから書こうと思っているのは中国の話ではありません。「一言集約」についての話です。
 世の中も自社も自分も、昔に比べるとずいぶん複雑なことになっています。昔もそれなりに複雑だったでしょうが、今は情報革命とグローバリゼーションによって複雑さが尋常ではないレベルになっている。油断してしまうと、何が何だかわからなってしまいます。
 複雑な世の中を極端に単純化することで、ポピュリズムが台頭する国が増えてしまいました。これは危険なこと。しかし、これは逆に言うと「単純化は力になる」と捉え直すこともできるでしょう。ポピュリズムに流れるのは危険で困ったことですが、複雑であることを自覚しながら頭の中を整理することが今の時代に不可欠なスキルなのではないか、と思うのです。
 自分とは異なる考え、さまざまな情報をバッサリ切り捨ててしまうのがポピュリズム。異なる考えや矛盾しているように見える現象を受け入れながら、「自分はこう思う」というものを持つ。自分の考えを明確にしながら、複雑な世の中に立ち向かっていかねばなりません。「自分はこうだ」というものを持っていなければ、自信を持って行動することができないからです。
 そこで、一言集約という言葉を思い出しました。2002年、若手印刷人経営塾を受講していた際に出てきた言葉です。ひと言に集約する。これは僕にとってトレーニングになりました。
 その頃、僕の頭の中は混沌としていて、期待と不安、恐怖とチャレンジ精神、信頼と不信が複雑に絡み合っていました。ひと言に集約するのにずいぶん苦労したような気がします。一言集約では、物事の本質をひと言に表さなければなりません。自社の経営課題やビジョン、そして人生そのものについても一言集約する。大変といえば大変ですが、これは頭の中を整理するのによい手法でした。
 「ひと言で言えば何なのか?」。これは僕らの日常業務の中でも活用したいものです。とりわけ、話が長くて何を言っているのかわからない……と言われるような人は、一言集約トレーニングが必要でしょう。

「何を売っているのか?」

先日、東京で同級生と会ったとき、なぜかお互いのビジネスの話で盛り上がりました。どういう話の展開だったか忘れましたが、「何を売っている会社なのか?」という話になった。事業領域とか自社の存在価値については、これまでさんざん考えてきたテーマ。
 「何を売っているんだ?」と問われると、僕の場合、一番短い言葉で答えるならば「情報」ということになります。たぶんこれだけで伝わるだろうと思うような相手。もう少していねいにわかりやすく伝えることもできます。
 僕は「価値ある情報を届けること」が自社の存在価値だと考えています。しかし、冒頭に書いた通り、世の中も自社も自分も複雑にできています。違ったものを売っている人がいてもよいのではないかと思います。
 人によっては「情報そのものよりも心地よさ」を売っていることでしょう。そういうタイプの人が社内には何人かいます。また、ストレートに「高品質な印刷物」を売っているという人もいるはず。「自分のウリはこれだ!」という自信をそれぞれ持っているから、会社組織は正常に機能することになるわけです。
 個人の能力や存在価値を一言集約し、それをさらに組織全体として一言集約する。そういう作業を進めていくと、ずいぶん自社の見え方がスッキリするのではないか? たぶん、そういうところから「個人のコア・コンピタンス」が始まったのではないかと思います。一言集約とコア・コンピタンス。使われる場面は異なりますが、同じようなものなのかもしれません。
 僕が自社を「情報」と一言集約したのには理由があります。これは歴史的視点からというのが理由その一。人類は情報を記録するために文字を発明しました。それを広く伝えるために印刷が発明された。ですから、印刷会社が売っているのは印刷物ではなく、情報と考えるのが自然なことなんですね。
 紙が誕生したのは紀元前2世紀頃。2000年以上にわたって、情報伝達手段として紙媒体が使われてきたことになります。紙媒体は非常に便利で、リサイクルも可能。今後もずっと使われるでしょう。ただ、紙以外の媒体も種類豊富になってきました。したがって、どんな媒体でも情報を伝えることのできる会社になることが、我が社にとって大きな課題となるのではないか。それが「情報」という言葉に集約した理由その二です。
 一言集約はいつもすっきり集約できるわけではありません。無理矢理ひと言に絞らねばならないことが多い。言葉の上ではスッキリしても、頭の中はスッキリしない。このギャップによって、さらに考えるようになっていく。これも一言集約トレーニングのよいところといってよさそうです。

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