おはようございます。
ようやくスピードが上がってきた。朝はプレゼン資料作成。10時から芽室町上美生で取材。午後、ふたたび資料作成。ほぼ完成。4時半、とあるゲストハウスへ。予定より少し早く到着。5時には中小企業家同友会とかち支部四役が集まる。1時間ほどO社長による経営問答が行われ、続いて懇親会となった。ここでも経営や事業の話がメイン。学ぶところが大きい。ワインを飲みながらも、キーワードを記憶に留めることに努めた。
夜、最後のひと仕事。パワーポイントのデータにアニメーションをつける。動作確認してから、「じゃぱにうむ2019」事務局にメールで送る。夜遅くなったが、何とか期日までに届けることができた。
地域の発展につながる事業
昨日作成したプレゼン資料は、「じゃぱにうむ2019 ~印刷産業の地方創生事業事例発表会~」で映写するためのもの。発表会そのものは、3月18日開催。まだだいぶ先の話ではあるのですが、パワポのデータには提出期限がありました。1ヵ月以上前にプレゼン資料を完成させたのは初めてのこと。ふだんなら、早くて1週間前、ギリギリのときには当日朝ということもあります。締め切りがあると、仕事は速くなる。自分で自分の締め切りを設定できるようになるのが一人前の社会人。残念ながら、僕はこの点ではまだ一人前とは言えません。
それはともかく、20ページ以内という制約の中で、我が社の近年の取り組みをまとめていきました。我が社も、おそらく同業他社も「自社の発展」のために事業活動を行っているはずです。しかし、それは「地域の発展」と無関係ではありません。これはどの業種であっても同じこと。熱心に取り組めば取り組むほど、自社の事業が地域に少なからぬ影響を及ぼすこととなる。
地域企業としては、地域の発展につながるような活動に力を注ぐことが重要となるはずです。地域のためになる活動であれば、地域から受け入れられ、事業活動が軌道に乗っていく。「自社のため」と「地域のため」。両者のバランスをどのようにとるかがポイントとなります。
グローバルに展開している企業であっても、地域企業に通じるマインドを持つ会社があります。規模が大きくなると本社を東京に移すというケースが多いと思いますが、あくまでも本社を地元に置き続ける……。こうした経営姿勢を持つ企業の存在は、地域にとって非常に大きい。単純に税収の面からだけではなく、地域の企業経営者にとって大きな目標となりますし、地元に住む人の地域エンゲージメントを高めることにもつながっていくのではないかと思います。
3月に行う僕の発表内容は、UIJターンに関するものとなります。
僕自身はUターン組。十勝を離れた年数に違いはあるものの、昨日取材させていただいた方も同じくUターンでした。そして、十勝に戻ってきたとき、僕と同じような感覚を抱いたようで、興味深く聴いていました。あまり話題に上ることのない「Jターン」はどうなのでしょう? 事例としてちょっと少ない。我が社に該当する人は2人くらいかな……。
道民・町民になる
我が社は近年、UIJターン関連の事業を積極的に行っていますが、Uターン、Iターン、Jターンはそれぞれ性質の異なるもの。移転してくるという現象面では同じように見えても、マインド的にはずいぶん違いがあるような気がします。
僕は大学進学で大阪に住むこととなりましたが、そのときの心細さとある種の解放感は、たぶんIターン(移住)の人に近いものがあるでしょう。大学進学ならともかく、社会人経験豊富な人が移住するときには、どのような心の動きがあるのだろう? そのあたりは「北海道移住の本 りくらす」の中で描写されています。りくらすの記事の書き手も、移住者だったりします。きっと自分の経験と重ね合わせて原稿を書く人もいることでしょう。
大都市圏を除き、日本全国ほとんどの地域が人口減少・人口流出に悩みを持っています。したがって、UIJターンに力を入れている自治体は多い。けれども、僕自身は無理にUIJターンを勧めるようなことはしていません。あくまでも事例を紹介したり、自分たちの住む地域の魅力を伝えることに留めています。
旅行先として魅力的な場所であっても、実際の住み心地となると話は別。最初はよい面ばかり見えてしまいますが、デメリットもちゃんと知っておく必要がある。ですから、りくらすを読むとデメリットと思われる部分も書かれています。これは移住を検討する人にとっては有益な情報となるでしょう。
パワーポイントのスライド20枚、そして20分という発表時間の中では、当然ながらすべてを語ることは不可能です。僕としては現時点での結論を簡潔に述べようと思います。
それは、「地域のありのままの姿を見せること」と「ありのままの地域に愛着を持って住んでもらうこと」。長所も短所も数え上げればキリがありません。住んでみるといろいろ不満に感じるところもあるでしょう。それでも愛着を感じることができるかどうか? そこは移住者に求められる心の持ち方。
一方、もともと地域に住んでいる人たちは、自分たちの地域がもっと魅力的な場所になるよう、地域資源の発掘や磨きをかけることに熱心にならねばなりません。この「もともと住んでいる人」には、元UIJターン者も含まれます。2016年に発行された十勝版のりくらすを読み返していて、「移住者ではなく、池田町民として」という記事に目が留まりました。
生まれ育った場所は道外であっても、北海道・池田町にしばらく住むと、北海道民となり、池田町民となるわけです。移住者に色がついているわけではなく、同じ道民、町民となる。道民の大半はここ百数十年以内に引っ越してきた移住者の子孫。ちょっとしたタイムラグに過ぎません。
住んで1年目であっても、50年目であっても、自分の住む町に愛着が持てるかどうかが重要でしょう。僕らの事業活動、とりわけ出版事業は「地元への愛着心を高めるため」に行っているところがあります。これは月刊しゅんでも、スロウでも、りくらす・わくらすでも同じ。人生に幸せを感じるかどうか? それは、自分の住んでいる場所への愛着心と無関係ではないと考えています。