おはようございます。
午前9時来客。30分ほどインタビューし、500字ほどの記事を作成する仕事。話はおもしろく、記事にならない部分の話がためになった。耳寄り情報を得た。11時過ぎから札内と帯広で取材&撮影。日中なのにマイナス11度。厳寒の中での撮影。といっても15分くらい。あとは屋内での取材。午後は急ぎの写真セレクト作業。そして、画質調整、原稿作成。それぞれ担当者に送る。5時半には仕事を終える。それにしてもキーボードを叩きまくった1週間だった……。というよりも、年明けからずっとこんな感じだ。
社風、仕事の質への影響
昨日は3人を取材&撮影しました。共通していたのは、どこかしらゆとりや安心感が感じられたところでしょうか。今年に入ってからの僕とは正反対。僕ももっとていねいな仕事の仕方を心がけねばなりません。2月のGoogleカレンダーを見ると、先月ほど予定は詰まっていない。いくぶん落ち着いて仕事ができるに違いありません。
印刷業界はこれから3月末にかけて繁盛期を迎えます(ちなみに、僕は「繁忙期」という言葉は使いません)。売上的には平均的な月の1.7倍くらいになる。感覚的には2倍くらいの仕事量でしょうか。職種によって異なりますが、きっとハードに感じている人が多いはず。
そんなときほど、ゆとりを持って働いたり、相手に安心感を与えるような言動や行動が求められますね。僕も内心はともかく、そのようにふるまいたいと思っています。現実にはちゃんとできているとは言いがたいのですが……。我が社のみんなはどうでしょう?
心のゆとりやていねいな仕事といったものは、おそらく社風によって影響を受けるものなのではないか? 昨日の取材を通じて、そんな感想を抱きました。そうした社風が形成されるには、社長の人格、人柄の存在が大きい。後半2人の取材中、社長の話が出てきましたが、異口同音に社長の人柄が伝わってきました。そして、それは僕の知るN社の社長像とピッタリ合致したものでした。
企業のトップの人格、人柄。それが好ましい社風形成につながり、社員の仕事の仕方に少なからぬ影響を及ぼすことになります。ゆとりや安心感から生み出される仕事は、自然にていねいで質の高いものとなる。その結果、顧客からも喜ばれ、リピーターも増える。昨日の話では、「営業しなくても仕事が集まってくる」とのことでした。理想的なパターンですね。リピートと紹介による新規顧客。きっと利益率の高い企業であるに違いありません。
そうやって考えていくと、結局のところ社長である僕の人格と人柄に我が社の問題の本質がある……。そう考えねばならなくなってきます。確かに、そのことはもう18年くらい前から気づいていました。気づいて、努力して向上を図ってはいますが、長年かかって形成された自分の人柄を短期間で変えることは困難。あと10年くらいはかかるはず。もしかすると、一生かかっても目指すところまで到達しないかもしれません。
そんなわけで、我が社は誰がトップなのかわからない……という企業を目指しているところがあります。目指すというより、自然とそのようになったというべきでしょうか? できれば、そこに中堅、若手が加わっていくことが望ましい。業務上のリーダーというよりも、社風形成上のリーダーの台頭が期待されます。
コングロマリットの理由
一昨日も、まったく違った角度から同じような話を聴きました。その会社はコングロマリットなのですが、どうして多角化しているのか、その理由が実に明快で思わず納得してしまったのです。
自分がよく知る事業では、つい口出ししてしまう。自分の専門外であれば、人に任せるしかない……というのがその理由。自然に権限移譲が進むことになり、任された人はそこでリーダーシップを発揮することになるわけです。だから、自社のコア事業を核に事業領域を広げていくというやり方ではなく、飛び石で新たな事業を展開していく。僕は、このような経営の仕方を考えたことはありませんでした。しかし、企業規模の大小は関係なく、多角化経営をしている会社はけっこうあるものです。僕にとっては非常に勉強になります。
それでも、僕の代ではコングロマリット型の企業にはなっていかないような気がします。印刷事業を出発点として、広告、出版、イベント、ツアー……と広げていきましたが、僕の捉え方ではそれぞれ隣接している事業。ストーリー性を重視した事業展開となっています。
ただし、僕にとってまったくわからないのがイベントとツアー。ここには僕はほとんど口をはさんでいない。何か発言するときには、「理念と照らし合わせてどうなのか」ということ。あとは単なる思いつきレベルのことなので、僕の考えが採用される可能性は極めて低い。やがて、ストーリー重視のコングロマリット型になっていくのかもしれません。
話を戻すと、これも社長の人格、人柄によるところが大きい。自分の思い通りにしなければ気が済まない……という社長であれば、たぶん多角化はしにくいはず。人の話をちゃんと聴くとか、長い目で人を育てることのできる経営者でなければならない。また、失敗しても許される、何度でもチャレンジできるという企業文化の形成も必要でしょう。
「成功するまでやり続ける」という気概を持った人が生まれてくるような会社にせねばなりません。
昨日最初に取材したT氏は「人生は思い通りになるもの」と話していました。これは楽観的な意味ではなく、「思い」そのものが重要なのだと僕は解釈しました。自分の「思い」が長い年月をかけて人格や人柄を形成し、仕事や人生の充実度につながっていく。良質な思いを強く持つこと。そうした人が何人か集まると、困難な事業も成し遂げられるのではないかと思います。