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北海道の仕事と暮らし85 「働く環境づくりの手引き」

北海道の仕事と暮らし85 「働く環境づくりの手引き」

おはようございます。
 昨日はしようと思ってなかなかできなかったことができた。それは保険の見直し。いろいろ相談していたら、4時間くらいかかった。仕組みもよくわかった。他に、食事会のための買い出しと書類の整理。地層のように積み重なっていた書類がスッキリし、机の天板が何色だったのかわかるようになった。ようやく仕事をする準備が整った。

人生設計は明確か?

保険の見直し作業を行ったメリットのひとつは、「自分は何歳まで働くのだろう?」と考えたことでした。もちろん、体が動く限り働くつもりでいるのですが、経営者として生涯現役というわけにはいきません。冷静な頭で経営判断できるのは何歳までか。後継者に譲るべきタイミングは何年後か。僕と同年代の経営者であれば、誰もが考えていることでしょう。
 経営指針、あるいは経営計画を立てる際、見落としがちなことがあります。それは「人は年をとる」という当たり前の事実。もちろん、頭ではわかっていることですが、目の前にあるやっかいな諸問題に心が奪われて、後まわしにしてしまうことがあるものです。
 10数年前の僕はまさにそういう状態にありました。そして、40代だったこともあり、睡眠時間を削って働いても体の回復は早かった。やっかいな問題を取り去り、頭の中をスッキリさせたいという欲求を強く持っていました。
 しかし、それから10年くらい経ってわかったことは、やっかいな問題はたとえ解消しても、別な種類の問題が現れて、決してなくなることはないということでした。本当に差し迫った問題は全力で解決せねばなりませんが、それ以外の問題に関して神経をすり減らして対応することはない。むしろ、仕事に楽しく打ち込むうちに自然に解決するような問題もある……。そんなことがわかってきました。
 問題に対応するという対症療法的なやり方ではなく、体質改善を目指していくべきなのでしょう。免疫力を高めるような会社づくりが我が社には必要。そのためには、まず自分の人生設計をもう一度ちゃんと見直さなければなりません。
 先月行われた中同協経営労働委員会で改めて気づいたのは、「働く環境づくりの手引き」の有用性でした。昨年までは正直に言うと、「経営指針委員会で扱うにはちょっと荷が重いな……」と思っていたのです。しかし、冊子として発行される普及版に関しては、それほど重たい内容ではありません。21ページ目以降は記入シート。つまり、読みこなす必要があるのは20ページ弱ということになります。あっという間に読み終えることができる。
 それでいて深く考えさせるようなつくりになっています。中小企業家同友会ですから、起点となるのはもちろん「労使関係」であり、「経営姿勢」です。そこから、「10年後の働く環境ビジョン」をまとめていく。
 重要なポイントは自社の環境ビジョンだけではなく、「私」と「家族」の姿も記入していくというところ。我が社の経営計画書のフォーマットもそのように活用できるつくりとなっていますが、説明不足であるため、使い勝手がよいとはいえません。この点、「働く環境づくりの手引き」のほうがはるかにわかりやすい。

経営指針と個人との関係

一番使えると思ったのは「未来年表」のところ。10年ビジョンを立てていたとしても、ビジョンに至るまでの道筋を明確に描き切れていないことが多いもの。たとえば、4年後とか7年後にはどうなっているのか、何をしているのか? 経営計画書にも書かれておらず、頭の中でもぼんやりとしている。なのに、10年ビジョンだけしっかり具体的に記載されている……。
 ここに大きな問題がありそうです。というわけで、来期に向け、未来年表を作成することにしようと思います。
 手引きに載っている記入シートには、「社会・業界・会社」「社内の働く環境」「社員と家族の将来」の3つの項目が並んでいました。エクセルで作成することになりますから、我が社の場合、もっと項目を増やすことになるでしょう。「自分のライフワーク」とか「事業承継プラン」といった自分の関心事を項目が加わることとなるはず。若手社員であれば、「キャリアプラン」を組み込んでもよいでしょう。
 僕はずっと自分史年表の有効性について語ってきたはずなのに、未来年表のことに無頓着でした。過去から現在までの自分史年表と現在から先の未来年表は、ワンセットのものとして考えるべきですね。今の我が社の経営指針のあり方について、見直すべき点がハッキリしてきたような気がします。
 最初のうち、僕は「働く環境づくりの手引き」(去年までは「手引き」ではなく「ガイドライン」という名称でした)は、就業規則改正がメインテーマだと思い込んでいました。しかし、就業規則改正のためのガイド本ではなく、経営指針や就業規則を作成する上での考え方を示すものであるようです。
 経営指針(経営計画)づくりでは、どうしても自社中心に指針をまとめていくこととなる。その結果、個人の人生設計に配慮が欠けていたり、働く環境の整備が後まわしにされる傾向が出てきてしまう。これは1975年に発表された「労使見解」の精神と照らし合わせても問題が多い。そもそも、何のために経営しているのか? そう突き詰めて考えていくと、「個人」及び「家族」の幸せにつながるような会社づくりを、経営指針に明記していかなければ意味がない、という結論に至ります。
 もちろん、この点、現在の我が社の経営計画書にも記載されてはいますが、漠然とした文面になっています。聞き心地のよい言葉でふわっとまとめてしまった……と言われても仕方ありません。
 自分の未来は自分の手でつくる。そんな自立型社員のための経営指針をまとめていく必要があります。そのためにも「働く環境づくりの手引き」は大いに活用したいと考えているところです。

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