
おはようございます。
昨日は早朝にひと仕事。これはいい調子だ……と思ったのもつかの間、あっという間にペースダウンしてしまった。10時来客。午後はプレゼン資料作成準備。5時半、北海道ホテル共栄会役員会。6時、総会。6時半、懇親会。参考になる話がいくつもあった。
講演、事例発表の意義
さて、来週末から講演、発表が続きます。その準備に集中せねばなりません。14日は帯広経営研究会3月例会、15日は中小企業家同友会オホーツク支部3月例会、18日は東京で「じゃぱにうむ2019」(地方創生事業事例発表)。このうち、パワーポイントのデータが完成しているのは「じゃぱにうむ」のみ。他2つはこれから。
過去に行った講演のデータを流用し、編集し直せば何とでもなりそうなものですが、使い回すスライドは半分以下にしています。話している僕のほうが飽きてしまうというのが最大の理由。飽きっぽい性格なのでしょう。
それはともかく、僕にとって講演とか事例発表といった場はとても貴重な機会。依頼があったならば、100%受けるようにしています。たとえ、自分にとって苦手なテーマだったとしてもすべて快諾する。僕の記憶では一度も断ったことはありません。
それはなぜか? 僕にとって講演や事例発表は自社の「広報活動」の場であるからです。求められている話はどこかしら自社の事業活動とつながっているもの。これまで話してきたテーマは、「経営指針」「経営者とは」「地域経済循環」「コミュニケーション」「北海道の魅力」「効果的な情報発信」といったもの。いずれも、ソーゴー印刷の事業に関連しています。また、自社の事業活動や自分の経験を紹介しながら話をしないと、おもしろい発表にはなりません。
つまり、僕が講演や事例発表をする目的の半分は、自社のPRということになります。講師料があってもなくても、引き受けるだけの価値がある。
考えてみてほしいと思うのです。たとえば、「いつでも営業に来てください」と言ってくれる人が、世の中にどれほどいるでしょう? 魅力的な営業パーソンなら話は別ですが、僕にそう言ってくれる人はまずいません。そもそも、僕は営業経験ゼロなのです。それでも、自社の受注・売上を増やしたい、顧客を増やしたいと思っていますから、何らかの形で営業に近い活動を行うことになる。それが僕にとっての広報活動であり、もっとも重要な広報活動が講演や事例発表なのです。
いつもありがたいと思うのは、自分で集客することはほとんどなく、講演会、例会の主催者がある程度の人数を集めてくれること。それだけに、講演では聴き手にとって役に立つような話をしなければなりません。また、役に立つだけではいけない。聴いていて楽しくなければ情報の価値は半減すると思っています。
「楽しませる→役に立つ」という順番でしょうか。「すごくいい話なのにおもしろくない」という講演、事例発表では二度とお呼びがかからない……。僕はそう思って、どんなに難解な話でも、わかりやすく楽しい伝え方をするよう心がけています。今のところ、その作戦がうまくいっているのでしょう。いいペースで講演予定が入っています。
広報理念
14日の帯広経営研究会3月例会の講演テーマは「広報からの会社経営 ~ここまでできる広報の世界~」というもの。ちょっと変わった演題ですね。僕が考えたものではありません。いつもそうしているのですが、僕はいただいた演題、テーマを自分なりに解釈し、主催者や聴き手が求めている内容に沿って話を進めていこうと考えています。その中に自社の考え方や自分の思いをしっかり組み込んでいく。聴き手のニーズ、普遍的な考え方、自分・自社の生き方。この3つがバランスよくミックスされていることが重要。
「広報からの会社経営」というテーマをいただいた瞬間、ソーゴー印刷を「広報の得意な会社」と思ってくれていることがわかりました。同時に、「どのように広報活動を行ったらよいのか、その方法を知りたい」というニーズがあることにも気づきました。
過去何度も「効果的な伝え方」といったテーマで講演やセミナーを行ったことがあります。この場合は、具体的な広報ツールの作り方であったり、広報活動に関する基本的な考え方、注意点を伝えることが多かった。また、講師は僕よりも第一線で活躍する編集者のほうが適任です。しゅんやスロウの編集者がセミナーの講師を務めることもあります。
今回はこれまでとはちょっと異なります。「会社経営」という言葉がついています。企業経営における広報の位置づけという、非常に重要な話をすることになるでしょう。テクニカルな話は最小限に留める予定。みんなテクニカルな話が好きなことはわかっていますが、それは本を読めばわかること。しかも、テクニックのほうはすごいスピードで進歩していて、1時間や2時間で伝えられるものではありません。僕の持っている知識も不十分。
それよりも、もっと本質的な話をすべきだと考えています。テクニカルな部分はできるだけ自社の広報担当者に任せるべきでしょう。企業に経営理念があるように、それぞれの企業には広報理念が必要です。我が社の場合は、各媒体の編集理念がそれに近いものと考えています。
帯広経営研究会会員であれば、ほぼ全社、経営理念が明文化されているはず。これに加えて、広報理念を言葉に表す。そうすると、自社の広報活動のあり方が明確になってくるはずです。
何にために広報を行うのか? 単純に売上を上げる、顧客を増やすのであれば、広報よりも広告を重視すべきでしょう。経営に直結する情報発信活動。広報では、商品そのものよりも、自社の哲学や思想を伝えることに重点を置くべき。そこが手薄になると、底の浅い会社ということになってしまいます。平たく言うと、「自社の経営理念を伝える」というのが広報の最大の目的と言ってよいと思います。