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広報と広告02 信頼度の高い情報

広報と広告02 信頼度の高い情報

おはようございます。
 朝7時から次世代幹部養成塾第11講。読書会4回目。グループ発表ではだいたい予想通りの感想が寄せられた。10時、市役所へ。帯広市産業振興会議第4回集客・交流部会。前回欠席の委員も出席し、議論はさらに深まった。と同時に、広がりを見せ、「集客・交流」の範囲を超えるものとなった。僕が持ち合わせていない視点からの発言もいくつかあり、大いに考えさせられた。午後1時、札幌からのお客様。原価や運賃上昇等の話。3時半、役員会。4時半、幹部会議。

人として信頼できるか?

十勝からの情報発信量は、ここ20年の間に爆発的に増えたのではないかと思います。十勝に限らず全国的に増えている。インターネットのおかげというべきでしょう。
 SNSが盛んになってからは個人レベルでの情報発信量が増えています。マスメディアから地域メディアへ。そして、今はパーソナルメディアの時代になってきている。これは歓迎すべきことでもあるのですが、一方ではややこしいことにもなってきている。情報を不特定多数の人に向けて発信するには押さえておくべきルールやマナーがあります。そのあたりが欠如した情報は誤解、反感、対立を生みやすい。
 情報の発信者も受信者も、「情報の信頼性」について考えねばなりません。マスメディアの信頼度が高く、パーソナルメディアの信頼度が低い、というわけではありません。情報の発信元の信頼度が高いかどうか? ここが一番のポイントでしょう。信頼度の高い個人からの情報は、やはり信頼度が高い。信頼度の高い企業からの情報も、やはり信頼度が高い。たとえマスメディアであっても、信頼度が疑わしいメディアもあります。ここは情報の受け手が判断するほかありません。
 つまり、信頼度の高い情報を常に発信していなければ、信頼度は低下してしまうということになります。いったん信頼が失われてしまうと、取り戻すのは大変です。企業の場合はそれが致命傷に至るケースもあります。十二分に注意せねばなりません。
 ここでいう「信頼度の高い情報」とはどういうことか? 100%完璧な情報ということではありません。どのメディアも完璧というのはあり得ない。たとえば、入念に校正しているはずの新聞(全国紙)に誤植を発見することがあります。また、たまに取材を受けて記事になったとき、「事実の一部が間違っている」というケースがあります。
 これは重大な間違いでない限り、僕の中ではセーフだと思っています。我が社の媒体にもときどき間違いがある。ヒューマンエラーをゼロにしたいと思っても、完璧にゼロにすることは困難。「ミスは許されない」という厳しい姿勢を各自持つべきですが、起きてしまったミスは最終的に許さざるを得ない。僕らは人間なので、人間を超える人間になることを求めてはいけない……と僕は考えています。
 「信頼度の高い情報」とは、「人として、企業として信頼できるかどうか?」というところにあるわけです。正確であるかどうかよりも、その人の性格はどうなのかということ。たぶん、100%正確な人の言葉よりも、性格のいい人の言葉のほうを人は信頼するのではないかと思います。「90%の人が3ツ星をつけています」という情報よりも、信頼できる人から発信された「厚岸ウイスキーとカキえもんの組み合わせが絶妙」という情報に惹かれやすい……。したがって、情報発信者は、自分の信頼度、自社の信頼度を高めていかねばならないわけです。

損得と善悪

前日書いた「広報理念」がやはり重要なのだと思います。広報理念は自社の経営理念に直結したものでなければなりません。自社の経営に対する考え方、商品づくりに対する考え方、人材育成に対する考え方、地域との関わりに対する考え方……。あらゆる物事に対する基本姿勢を明らかにしながら、情報発信していくことが求められます。
 そうした考えをいちいち情報に書き加えるようなことはありません。しかし、発信された情報の背景に思想・哲学が感じられること。ここが重要でしょう。ちょっと難しいように感じられるかもしれませんが、僕らは半分無意識的にそうした情報発信の仕方をしているはずです。
 話を極端に単純化してしまって恐縮ですが、ビジネスにおける価値基準は大きく2つに集約されるのではないかと思います。それは「損得」と「善悪」。
 経済活動としてビジネスを行っていますから、利益が出るかどうかは非常に重要な課題といえます。利益がなければ、どれほど素晴らしいことを考えていても事業を継続させることはできません。
 もう一方の善悪は、人として善いことなのかどうか、社会の公器である企業として善いことなのかどうか、ということです。「自社は儲かるが、世の中に悪影響を及ぼす」という事業は行うべきではない。2つの価値基準はどちらも大事ではありますが、優先順位をつけるとすれば、「善悪」が一番で次に「損得」を考えるべきでしょう。地域企業経営者の多くは「地元あっての自社」ですから、当然そのように考えているのではないかと思います。
 広報活動においても、自社・自分の損得ばかりが優先にならないよう、ちょっとした配慮が必要となります。自分または自社の発した情報が地域社会に、あるいは世界にどのような影響をもたらすことになるのか? ちょっと大袈裟な感じもしますが、常にそのことをイメージすることが重要です。情報の受け手はどのように捉え、どのように感じるのか?
 イメージ力の乏しい人が情報発信担当者になると、その企業は非常に危ういことになるかもしれません。また、企業のトップの発言は当然ながら「その会社の考え」として受け止められますから、さらに慎重になる必要があります。僕も毎日ブログを書いていて、ごく稀に「しまった」と思うことがあります。広報活動に熱心になると、どこか自分が内省的になっていくような気がします。

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