おはようございます。
朝、日曜大工的な作業をする。あっという間に全身筋肉痛。午後から本来やるべき仕事に着手。あまり進んだとは言えないが、方向性は見えてきた。夕方買い物へ。日曜日らしい過ごし方。
我が家の庭では福寿草とスノードロップが咲き出した。3月上旬というのに。早すぎる。このまま春になるのだろうか?
自社の見え方を変える
僕にとって広報活動を行う目的は、「自社の経営理念を伝えるため」と第1回目に書きました。では、目標とするところはどこにあるのか? どんな結果を求めているのかというと、「自社の見え方を変える」、あるいは「本来の見え方に戻す」ということ。
我が社はたぶん誤解されている。同じように、ほとんどの会社は誤解されているといってよい。ふんだんに広報・広告予算を使うことのできる会社は誤解を解いているかもしれません。けれども、地域企業の多くは誤解されたまま放置してしまっています。このため、学生も、その親も、学校の先生たちも大企業志向になり、地域企業は人材確保に苦しんでいる……。そんな状況にあるのではないかと思います。
地域企業の中で本当に価値のある仕事をしていると自覚している会社は、広報活動に対してもっと積極的になるべきでしょう。自己PRが苦手な会社が非常に多い。あるいは、自己PRすることに対して罪悪感のような感覚を持っているのではないか、と感じることすらあります。
すべきことは、自社の事業活動を誇張して伝えるのではなく、「ありのままの姿を伝える」ということ。自社の経営理念に基づく価値ある活動は、「わかってもらおう」と思わなければ、ほとんど誰にも伝わらない(業種にもよりますが)。ただし、「わかってもらおう」という気持ちが強くなりすぎると、押しつけがましい広報活動となってしまいます。だから、「ありのまま伝えること」に徹することが重要なのです。
僕自身の広報活動はどうかというと、ちょっとだけ押しつけがましいところがある。そう反省することがあります。誇張はないが、念押しするような伝え方をしていることに気づくのです。ですが、許容の範囲内かな? 我が社の人たちはみんな自社の広報活動に対して抑制的。ですから、僕が一歩踏み出さねばと思うことが多い。
各社事情は異なるものの、「自社はこのような形で地域社会に役立っている」「自社はこのような思想・哲学に基づいて仕事をしている」ということを繰り返し伝え続けなければなりません。
言葉で言わなくても伝わるはず……という考えは、多くの場合間違っているといってよいでしょう。経営理念が具現化したものが「商品」。ですから、自社の理念は商品を見ればわかるわけですが、一般消費者がそこまで特定企業の商品に関心を持っているわけではありません。商品の背景にある思想・哲学・考え方を解説しなければ、自社及び自社商品を理解してもらうのは困難でしょう。「言わなくてもわかるだろう」というのは、消費者に対してちょっと無責任な態度なのではないか? 僕はそう考えています。
広報の優先順位を上げる
地域企業の多くは、広報に使うことのできる経営資源が限られています。その結果、担当者が片手間で行っていたり、暇になったら行う……といったずさんな活動になっているケースもあることでしょう。
伸びている会社、輝いて見える会社は、広報活動をしっかり行っています。一担当者に任せるという形ではなく、経営活動の一環として行われている。僕の考えでは、広報は経営活動、広告は営業活動です。「自社の見え方を変える」ために経営活動として広報を位置づけることが重要でしょう。
企業経営者は自社に対して特別な感情を持っているものです。社員の場合は多少なりともエンゲージメント(愛着心)を持っている。ですが、経営者の場合、エンゲージメントで自社とつながっているわけではありません。自社と一心同体。好きなところも嫌いなところもすべて自分の一部……という感覚なのです。ですから、自社の欠点や弱点を指摘されると、平気そうな顔をしていても内心傷ついているというのが企業経営者だと思います(異なるタイプの人もいるでしょうが)。
だからこそ、本当の自社を知ってほしいという気持ちが社内の誰よりも強いわけです。有力な広報ツールを持たない経営者の場合は、言葉だけで伝えようとする。結果は火を見るよりも明らか。伝わらない上に、「またあの話か」ということになってしまいます。ただ、稀に聴き手を惹きつける魅力的な話をする経営者もいますね。こうした経営者の場合は、社内にもその魅力が伝わります。インナーブランディングという点で有効でしょう。
カリスマ性を持つ経営者はほんの一握り。多くの企業では、広報理念を定め、方針に沿って広報ツールを整備したり、広報技術を磨く必要があるのではないかと思います。これをちゃんと継続的に行っていくと、自社の見え方は着実に変わっていくはず。ただし、ほとんどの人は広報の専門家というわけではありませんから、ただ闇雲に行うのではなく、本で学ぶとか、プロに相談するなど必要でしょう。
広報に対して執念を燃やすのは経営者の役割といえます(大企業は別かもしれませんが)。社員のみんなは自分の目の前にある仕事をやり遂げることに手一杯なのです。社長は社長でいっぱい仕事を抱え込んでいるかもしれません。それでも広報をおざなりにすべきではありません。
広報活動を着実に進めていくのは極めて簡単です。経営者がその重要性に気づき、自分の中でもっとも優先順位の高い仕事として位置づける。どんなにハードに働いている経営者でも、優先順位の3番目くらいに広報活動があれば、後まわしにはできないでしょう。