
おはようございます。
午前中は会社でパソコンに向かう。ノートPCにタブレットをUSBでつなぎ、サブディスプレイとして使用。使用感はなかなかよいが、パッテリーの消耗が激しい。3時間しか持たないとは。午後は自宅で仕事。大変な失敗に気づく。挽回するのに1時間半費やした。気づくと3時半。4時、中小企業家同友会とかち支部四役会。4時半、幹事会。6時半帰宅。夕食後、作業再開。慣れない作業に約2時間。その後、本来やるべき仕事に取りかかる。0時をまわったところで頭がまわらなくなった。そして、目がまわった。
プラスとマイナスの反応
今日は2018年度経営指針研究会総括報告会の日。研究生たちにとっては感慨深い日といえるでしょう。委員、サポーターにとっても同じ。自分が初めて経営指針をつくったときの記憶がよみがえる。そんな特別な日でもあるのです。
もちろん、経営指針書ができたからといって、これで完成というわけではありません。「いい会社になる」と保証されたわけでもない。当然です。計画ができても、行動しなければ何も変わりません。理念、ビジョンを明示し、行動の仕方やスケジュールを明らかにしたもの。それが経営指針。
自社はどこを目指していて、何をどうすればよいのかがわかってきた……。今はそういう状態。しかも、まだ本当にわかったと言い切れない。一年という研究期間は実感としては短いものではありませんが、十分な期間であるとはいえないでしょう。今はまだスタートラインに立ったという状態。これから何年もかけて、本当に目指しているものを明らかにし、何をどうすればよいのかについて詳細に検討する必要があるのです。
そんなことを考えている間にも、世の中は刻々と変化していきます。半年も経つと、経営計画に書いたことが意味をなさなくなっている……ということもあり得る。したがって、期の途中であっても計画を修正する必要が出てくることでしょう。
計画をしっかり立てたつもりでも、必ずといってよいほど計画通りにいくものではありません。そんな状況を見て、「経営計画を立てても意味はない」と短絡的に考えてしまう人も出てきます。あるいは、計画通りに物事を進めないことに不満を持つ人が現れるかもしれません。
経営指針を成文化し、社内で発表することによって、これまでには起こらなかったであろうと思われる問題が発生します。そんな状況に対してネガティブに捉えてしまう経営者もたまにいます。しかし、これは最初から想定しておくべき状況なのです。
何かを変えようと思ったら、プラスの反応とマイナスの反応の両方がやってくる。いいことばかりを期待していたとすれば、足をすくわれることになるでしょう。マイナスの反応は「もしかしたら、大失敗だったかも?」と心配になるくらいの大きさかもしれません。僕も2002年から2003年にかけては大いに悩みました。ですから、マイナス面の反応、現象は覚悟しておくべき。その一方、プラスの反応、プラスの成果を何としても生み出さなければならない。プラスに集中することが重要なのだと思います。
自分たちの進めている改革について、まず経営者が信じ切ること。そして、信じている人が何人かいて、一緒に変えていこうとすること。多くの人はプラスとマイナスの両方を見比べている状態。プラスの変化に魅力が感じられるようになると、次第に協力的になっていき、結果として社風や企業文化が好ましい方向へ変わっていくことになるでしょう。
自社本来のよさを表現する
日本人の多くは不安遺伝子を持っています。ですから、社員が変化を好まないことは当然考慮しておくべきです。
一方、世の中が急速に変化しているのに、自社が変化しないままでいると、急速に自社は衰退への道をたどることになる。今の時代、ほぼ全員世の中の動きを把握していますから、「自社が変わらなければならない」ことも知っている。変わることへの不安と変わらないままの不安。両面から不安が押し寄せてきて、不安定な状態になっている人が多いのではないかと想像しています。
20年近く前には、「自分は変わりたくないが、会社には変わってほしい」といった都合のよい考えを持つ人がけっこういたような気がします。さすがにそれは通用しません。自社をよい方向へ変えていくには、自分の一部を変えねばならない。実際、そのように行動できているかどうかは別として、そういう気持ちをみんなが持つことが重要です。
変わるといっても、別人になるということではありません。どちらかというと、「本来の自分のよさを表現する」ということ。経営指針を読み、理解に努めればわかるはずです。別な会社になることを目指しているわけではなく、これまで十分に表現できていなかった「本来のよさや強み」を形にしていく……。その道筋が描かれているのです。
「自社らしさ」を求めて変化するのですから、働く自分たちも「自分らしさ」を求めて変化していくことになるでしょう。
不安を消し去ることはできませんし、消す必要もありません。それ以上に、変化していく自分と自社に喜びや充実感を感じ取れるかどうか? ここがひとつの鍵となるでしょう。
このため、経営者は社内の誰よりも「変化を好む人」であるべき。これは業態をコロコロ変えるといった意味ではありません。本業に徹するのもひとつの道ですし、ひとつの商品を何10年も作り続けるというのも立派な企業活動。ですが、商品の作り方や提供の仕方、顧客との関係の築き方、自社の組織や社風のあり方……といったものについて、「もっとよい方法はないだろうか?」と模索する必要があるのです。
どんなに素晴らしい企業であっても、変わらなければビジネスは陳腐化していく。どんなに素晴らしい人財であっても、変化しなければただの人になってしまう。ただ闇雲に変化を求めるのは無謀な行為。自社を好ましい方向へ変えていくには、経営指針の成文化が不可欠といえるのです。