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経営指針の話10 2018年度経営指針研究会総括報告会

経営指針の話10 2018年度経営指針研究会総括報告会

おはようございます。
 まとまった時間を確保できないものの、合間を見つけてパワーポイントでプレゼン資料を作成していく。ずいぶん進んだが、まだゴールまでは遠いような気がする。午前10時、商品イメージ撮影。昼は組合理事会。午後出社。経営指針研究会報告集の出力。さすがに自力で製本作業をする時間はなく、総務部に依頼。自宅に戻ってパワポの続き。会社に戻ると、きれいに仕上げられていた。
 5時過ぎ、とかちプラザへ。6時、2018年度経営指針研究会総括報告会。発表者は7社9名。1社の発表時間はわずか10分。質疑応答5分。発表も質疑も短いのだが、その分、中身が濃かった。社内での発表をイメージし、社員に話しかけるような口調で経営指針を発表する研究生もいた。今年の報告会は参加者約60名。緊張感、熱意、とまどい、マスト思考……。さまざまなものが伝わってきた。9時から懇親会。研究生、委員、サポーター、次年度研究生、検討中の人。同友会非会員の人もいた。経営指針研究会を知ったことで同友会に入会する人もいる。もっと広報活動が必要だと感じた。

16%の壁

修了証書を受け取ると「終わった」という気持ちになりやすいものですが、経営指針研究会の場合は「ここから始まる」わけです。さすが、9名の研究生たちはその点を十分心得ています。経営指針研究会の本質をよく捉えていて、これからなすべきことを知っていると感じました。まわりに手本となる委員やサポーターが大勢いますから、イメージしやすいのでしょう。同友会とかち支部経営指針研究会も第7期。層が厚くなってきました。
 イノベーター理論でいえば、イノベーター(革新者)2.5%とアーリーアダプター(初期採用層)13.5%を合わせた16%に受け入れられれば、そこから急速に普及していくということになります。とかち支部の場合、今はまだアーリーアダプターに向けて普及活動を行っているという段階。
 しかし、このペースでいけば、数年のうちに16%の壁を越えられるはず。一年間の研究生になることに戸惑いはあっても、経営指針そのものに関心がある、学びたいと思っている人は意外に多いに違いありません。企業を経営していると、必ずそういうタイミングがやってくる。
 確かにタイミングというものはある。今は「目の前の仕事に集中すべき」という状況の人もいます。しかし、一方では最適なタイミングなのに、チャンスを逃してしまう人もいることでしょう。何がチャンスで、いつが最適なタイミングなのか? これは感性豊かでなければわからないのかもしれません。
 もっともわかりやすい判断基準があるのではないかと僕は考えています。それは「その場に居合わせているかどうか」ということ。たとえば、昨日の「経営指針研究会総括報告会に参加した」というのは、明らかに最適なタイミングといえます。興味があって、わざわざとかちプラザにまで足を運んだのです。さらに、懇親会まで参加した人もいます。こうなると感性以前。選択は明らかですね。
 経営指針研究会への参加をためらっている人の場合、さまざまなシミュレーションが頭の中で繰り広げられていることでしょう。「一年間ものすごくハードになるのではないか?」「自分にやり遂げることはできるだろうか?」といった不安を抱く人が多い。当然です。ですが、今やらなければ、数年後はもっと大変なことになるということも知っておかねばなりません。

最適なタイミングとは?

経営の勉強をいつ行えばよいのかというと、当然ながら経営者になる前がベストといえるでしょう。創業者の場合はそうならないことが多い。創業期は自社を立ち上げることに全力を注ぐはずですから、経営指針など考えている余裕はない。ですが、できるだけ早い段階で経営指針に取り組むべきではないかと思います。
 中同協経営労働委員会や全道経営指針委員会が行っているアンケートによって、経営指針と業績との関連性が次第に明らかになってきています。経営指針があるかどうか、経営指針を定期的に見直しているかどうか。経営指針を定期的に見直したり、社内に浸透させる仕組みを持っている会社ほど業績がよい。
 長寿企業の場合は、経営理念の代わりに「家訓」が代々受け継がれているところが少なくない。家訓、社是、理念……。呼び方はさまざまあっても、その組織ならではの哲学や思想が受け継がれていること。自社を永続させるためには不可欠であり、そのためには経営指針成文化を避けて通ることはできません。
 僕が経営指針に出合ったのは、社長になって1年過ぎた頃のことでした。自分でもビックリするほど何も知らないまま、ソーゴー印刷の社長になっていた。親子関係は悪くはなかったと思いますが、経営について会長(父親)から教わる機会はほとんどありませんでした。教わったのは、日計表の読み方くらいでしょうか。僕の中に、素直に教わろうとする姿勢が欠けていたのかもしれません。代わりに、会長は数多くの謎を残して昇天していきました。事業承継にはさまざまなパターンがあるものです。僕の場合、謎を解くことがそのまま経営指針成文化につながっていきました。
 それぞれの会社、それぞれの経営者にピッタリのタイミングがあるとは思います。けれども、自社を存続、成長、発展させるためには必ず通らねばならない道。ですから、戸惑う理由は何ひとつありません。誰に相談する必要もなく、経営者・後継者である自分が決めるだけの話。人生は選択の連続ですから、選択せぬまま「保留」という状態で放置しておくと、ものすごく遠回りすることになるでしょう。
 他の都府県の同友会の中には、「入会したら必ず経営指針を成文化する」というところもあるそうです。6000社近い会員数の北海道同友会では困難ですが、このくらい徹底すると経営指針成文化運動は盛り上がるに違いありません。まずは経営指針成文化率が会員総数の16%の壁を突破すること。各支部、ここに目標を設定したいところ。ちなみに、この16%という数字は、十勝の全事業所数に占める中小企業家同友会とかち支部会員数とほぼ同じであることに気づきました。 

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