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広報と広告07 じゃぱにうむ2019 ~印刷産業の地方創生事業事例発表会~

広報と広告07 じゃぱにうむ2019 ~印刷産業の地方創生事業事例発表会~

おはようございます。
 午前9時15分発のエアドゥで東京へ。五反田は近い。昼には目的地に到着していた。1時、大日本印刷五反田ビル。発表等に関する説明。2時から「じゃぱにうむ2019 ~印刷産業の地方創生事業事例発表会~」が始まる。内閣府地方創生推進事務局参事官、遠藤健太郎氏の基調講演。続いて、全国9社の地方創生事業に関する事例発表。僕の発表は2番目。1社20分という短い発表時間。あっという間に出番がやってきた。聴き手にとり、少しわかりにくい部分があるのではないかと思い、話すスピードは1.2倍速程度に抑えた。60分あればもっとしっかり伝えられるのだが……。それでも発表は楽しく終えることができ、聴き手にもある程度伝わったのではないかと思う。
 僕を除く8社の発表、そして東京理科大学大学院教授、生越由美氏の講評はとても参考になるものだった。一口に地方創生事業といっても、実にさまざまな切り口があるものだ。印刷産業はそのすべてに関わっているといってよい。印刷業が衰退産業から成長産業に転じる日は近い。そう実感した。終了後、8階レストランでレセプション。

自分の頭で考え、行動する

20分間発表してみて感じたこと。我が社の地方創生関連事業の展開は「ひと言では説明できないな……」ということでした。一件関係なさそうにも思えるプロジェクトが、ある時期から次第につながりだしていき、気づくとひとかたまりの地方創生関連事業になっている。今となっては不思議な感じがします。
 我が社の場合、「地方創生事業」という意識が、もしかしたら希薄なのかもしれません。もちろん、各事業が地方創生と無関係であるとは思っていません。地域の役に立つような仕事をしようという思いが強い。けれども、地方創生のため、と大上段に構えて仕事をしているわけではありません。一つひとつ、いい仕事をして自社商品として育てよう、という気持ちのほうが強い。
 おそらく、そうした気持ちを持つ企業、団体、自治体等が地域の中で増えていくと、自然に地方創生へと向かっていくのでしょう。
 地方創生というものは天から降りてくるものではなく、地域企業や地域に住む人たちの創意工夫、そして根気強い取り組みの中から成果が生まれてくるものであるはず。誰かよく知らない人が敷いたレールの上を走る……というものではない。僕はそう思っています。
 したがって、試行錯誤はもちろんのこと、大小さまざまな失敗や挫折があってもよいのではないかと思います。自社の社歴を見ても輝かしいまでの失敗歴(?)が並んでいます。それは社史の表舞台に出てくるものではありませんが、我が社にとっては重要な歴史の一部。無数の「思い通りにならなかった出来事」を経験するからこそ、望んでいた成果を手にすることができるのです。
 失敗しないようにしよう……という消極的な姿勢からクリエイティブなものが生まれるはずはありません。地方をクリエイティブに変えていこうというのが地方創生という言葉でしょうから、「失敗しても気にすることはない」というおおらかさが求められるはず。そして、成功するにせよ、失敗するにせよ、主役は地域企業や地域住民でなければなりません。自分の住んでいる地域ですから、自分が本気になってリスクを負ってチャレンジしなければ意味がない。自分の頭で考え、自分で行動することが求められます。もちろん、自分の実力、能力には限界がありますから、地域内での協力関係が重要であることは言うまでもありません。

何が地域と自社を密着させているのか?

印刷業が成長産業に転じるには「積極的チャレンジ」が鍵になるのではないか? 昨日の各社の発表を聴いていて、そう思いました。
 印刷業は受注型装置産業を長年続けてきました。受注ビジネス。そして、設備投資にお金がかかる産業。このため、あまりリスクを負おうとしない傾向があるのではないか? リスクを負うとすれば、それは思い切った設備投資をすることくらい。基本は「待ちのビジネス」という側面が強い。
 たぶんこれからの印刷業に求められるのは、待ちのビジネスから「町(街)のビジネス」へと転換することでしょうね。すでにその芽を各印刷会社は持っていますし、積極的に方針として掲げている会社も多いことでしょう。あとはそれをどのように広げていくのかということ。
 地域のために自社の持つ強みを生かしていこう……。印刷業に限らず、ほとんどの企業経営者はそう思っているはず。けれども、自社の本当の強みに気づいていなかったり、古いやり方に固執している会社が多いような気がします。「自社は印刷業だから」と決めつけているのです。
 製造業としての強みを持つ印刷会社も確かに存在します。けれども、そうした会社は少ない。多くの印刷会社、とりわけ地域企業の場合は「地域密着力」によって仕事を得ているわけです。何が地域と自社とを密着させているのか? そのあたりを考えると、自社の強みが明確になってくるのではないでしょうか?
 我が社の場合は、取材力であってり、情報編集力というものが大きな強みとなっています。それが媒体創造力につながっている。強みや取り柄というものは、無自覚なままではあるレベルまでしか到達しない。意識して磨いていく必要がありますし、困難と思えるプロジェクトであってもチャレンジしなければなりません。
 チャレンジしやすい企業文化、失敗が許される社風を築いていくことが欠かせませんね。
 印刷業はクレームが発生しやすい業界といわれています。確かに1文字の誤植でもクレームにつながることがある。その結果、「失敗しないように」という気持ちになりやすい。頭の中にパーティションを設けて、堅実な仕事をする自分とチャレンジャーな自分の使い分けができたらよいのですが……。それほど器用なタイプの人は少ないかもしれません。ただ、そう意識することがこれからの印刷人には求められます。

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