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経営指針の話13 社風をつくる経営指針

経営指針の話13 社風をつくる経営指針

おはようございます。
 午前10時、札幌からお客様。企業倫理に関するアンケート結果と分析について話を伺う。僕もアンケートに回答したひとり。僕の回答と平均値にギャップがあって興味深かった。午後は印刷工業組合のミーティング。帰社後、スロウ編集会議。さまざまな角度からアイデアが湧いてくる。60号の特集テーマがまだ決まらない。

規則よりも「掟」

僕はアンケートの自由記述欄に「制度の充実よりも社風づくりが決め手」と記入していました。企業不祥事を防止するためには、そうならない社風を形成することが何より重要だと考えています。札幌から来られたH氏も「制度があっても抜け道を探す人が現れる」との見解を示していました。ルールの厳格化では必ずしもよい会社にはならない。ルールとか制度は必要なものですが、本当に必要なものはもっと別なものだろうと僕は思っています。
 それをひと言で表すならば、「掟」という言葉が一番近いような気がします。掟とは「人の行為に関し、前もってこれこれと方向づけたもの」とか「集団・グループ内における私的な規則の総称」と辞書に載っています。明文化されているかどうかは別として、「必ず従わなければならない」と誰もが思うようなもの。
 必ずしも明文化されたものではないのに、従わなければならないと思うのは、どういうものなのでしょう?
 もう10年くらい前、スロウの取材である成長著しい企業を取材したことがありました。社風も組織そのものもユニークな会社。その中で一番僕の心に残ったのは「人としてどうなの?」という言葉。ルールを破っているわけではないが、好ましくない言動・行動をとってしまう社員がたまにいるものです。そうした社員に対して発する社長の言葉。健全な組織であれば、ここでその社員さんはハタと気づくことでしょう。何といっても「人」ですから。「人」未満になりたいと思っている人はいないはずです。
 社員のあらゆる言動・行動をルール化しようと思ったら、膨大な規則やマニュアルとなってしまうことでしょう。しかも、恐ろしいことにルールを厳格にすればするほど、人は「自分の頭で考えなくなる」のです。本当はできるだけ規則を少なくするほうがよい。僕はそう思っています。
 組織には規則が必要ですが、それは必要最低限のものに留めるべき。その分、明文化されていない「掟」のようなものが欠かせません。掟といっても、みんなの行動を縛るような不自由なものではありません。もちろん破ったからといって吊し上げられるものでもありません。
 僕のイメージする掟とは、守りたくなるような、あるいは次世代に受け継いでもらいたいと思うような「文化」「伝統」に近いもの。破っても処罰はされませんが、破るとちょっと居心地の悪さを感じることとなる。その代わり、掟を守り続けると、我が社の一員であるという誇りや安心感が得られる……。そのような明文化されていない掟が我が社にはいくつかあると思います。
 もうひとつは、先ほど挙げた「人としてどうなの?」という、どの組織、どの社会に所属しても求められる人間としての掟。社会人といっても、人間には未熟な部分がたくさんありますから、常に「人としてどうなのか」について考えねばなりません。また、上司には部下が人の道から外れないよう注意を促す義務があります。その際、規則を持ち出すより、「人としてどうなの?」というひと言のほうが効果的なケースが多いことでしょう。

経営理念と社風

会社組織のルールに関しては、就業規則に明文化されているはずです。ただし、「人としてどうあるべきか」について書かれているわけではありません。大切なことであっても規則にしにくいもの。就業規則の文面は少しまわりくどくなっていると思います。本当は「人としてあるべき道」について書きたいのだけれど、ルール化できない……。それがまわりくどい文面として表現されているのかもしれません。
 それはさておき、社内の掟について一歩踏み込んで示しているものといえば、経営指針ということになります。経営理念などは我が社のもっとも重要な掟。経営理念を破っても、処罰の対象にはならないケースがほとんどでしょう。けれども、理念に反する行動をすると、何ともバツの悪い気持ちになるに違いありません。だから、明確に意識しているかどうかは別として、みんな経営理念に沿って行動しようと思っているはずです。心豊かに仕事をするには、理念行動が非常に大切なのです。
 経営理念が浸透してくると「好ましい社風」が形成されるようになっていきます。社風はどの会社にも存在しますが、好ましい社風というものは、意識してつくろうとしなければできるものではありません。創業期には自然発生的に好ましい社風となることもあるでしょう。けれども、10年、20年とたつうちに社風は変容していく。会社には「こうあるべき」という掟が必要であり、その掟をひと言に集約させたものが経営理念なのです。
 創業者が社長という会社の場合は、「社長=理念」といったケースが多いもの。この場合、必ずしも理念が明文化されている必要はないでしょう(もちろんあったほうがよい)。一方、後継者には経営理念の明文化が欠かせません。たとえカリスマ性を持つ後継者であったとしても、創業者には敵いません。権力で人を動かすのではなく、判断基準(経営理念)を提供し、各自自分の頭で考えるような組織を築くことが重要なのです。
 それを社風や企業文化として定着させていくには、経営理念だけではなく、経営指針(経営理念・10年ビジョン・経営方針・経営計画)として体系化していくことが求められます。
 社風というものは「何となくこうなった」というものではありません。社風を好ましい方向へ変えていこうという意識を持った経営者、リーダーが長い年月をかけてつくりあげていくもの。その中心に経営指針があると考えて間違いないでしょう。

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