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経営指針の話14 経営指針と人材育成

経営指針の話14 経営指針と人材育成

おはようございます。
 午前10時から商品撮影。午後1時来客。2時過ぎ、自宅で次世代幹部養成塾の準備と事務的作業。5時半、次世代幹部養成塾第12講。テーマは「新入社員受け入れ研修」。郵便局と買い物へ。夕食は8時頃となった。

自社の価値観を伝える

あっという間に3月も月末が近づいてきました。3月29日には中小企業家同友会とかち支部の合同入社式が行われ、4月からは新入社員が我が社の一員となります。入社する人数は多いこともあれば、ひとりだけということもある。過去に内定辞退によって、一度だけ新卒採用ゼロという年もありました。この年を除き、必ず新卒採用を続けるようにしています。新入社員が先輩社員の人材育成力を育てる。そう考えているのです。
 中小企業のよいところは社長と社員との関係が近いというところにあると僕は思っています。心理的距離としては、近く感じる人もいれば遠いと感じている人もいるでしょう。けれども、物理的距離は間違いなく近い。少なくとも、全社員の顔と名前が一致していて、だいたいどんな性格の人であるか把握しています。これが、社員数数千人、数万人という会社なら不可能でしょう。
 関係が近いため、性格や仕事ぶりだけではなく、一人ひとりの人生についてイメージすることがあります。幸せな人生なのかどうか? ここが非常に気になります。会社がその人の人生すべてに関わることは不可能ですが、少なくとも仕事を通じて豊かな人生を手に入れてほしい……。そう願っています。これは我が社だけではなく、世の中の大部分の中小企業経営者が願っていることでしょう。
 ここでいう豊かさとは「経済的豊かさ」と「内面的豊かさ」の両方を指しています。経済的豊かさでは、大企業に比べ見劣りするというのが正直なところ。その分、内面的豊かさをどれほどもたらすことができるのか? ここに地域企業、中小企業に勤めるメリットがあると考えています。自分の成長と地域の発展のために純粋な気持ちで働くことができる。そこが地域企業のよいところです。
 新入社員の中には誤った先入観を持って入社する人がいます。一番多い勘違いは「企業は利潤を追求するのが目的」というもの。新入社員ばかりではありません。ベテラン社員にも企業経営者にも大学教授にも、そう勘違いしている人がいます。数字ばかりを追いかけていると、そういう気持ちになってしまうのかもしれません。けれども、目的と手段は別物なのです。本来の企業の目的、仕事の目的に立ち戻らなければなりません。
 新入社員及び社歴の浅い人たちの中にあるちょっとした誤解や勘違い。何が正しいのかを断じることはできませんが、我が社の価値観や基本的考えについてはきちんと伝えなければなりません。これは一次、二次面接の場でも伝えています。もちろん、我が社の価値観を理解した上で、新入社員は入社しています。けれども、その真意を理解するには、新入社員研修で学ぶ必要があります。我が社の場合、仕事観、人生観、人間観についての学びが新入社員研修の中心テーマとなっています。

後輩社員の幸せのため力になる

経営指針書(我が社の場合「中期ビジョン及び第59期経営計画」)は、新入社員教育のテキストとして活用できるものです。我が社では「危機管理ブック」と「就業規則」を合冊したため、210ページにもなってしまいました。これらを除くと146ページ。このうち、80ページは理念、ビジョン、価値観、基本的考え方について述べられています。この冊子を読み込むだけでも、我が社として伝えたいことの半分くらいは理解できるのではないかと思います。
 経営指針の中には、必ず経営理念が明文化されています。企業によって表現の仕方に違いはあるものの、自社がもっとも大事だと思っていることが言葉で表現されているはず。その意味するところを全社員に伝え、浸透させなければなりません。
 新入社員の場合、「仕事ができるようになるかどうか」で頭がいっぱいという人が多い。けれども、仕事の真の目的を理解していなければ、どこかで成長がストップしてしまいます。先輩社員となる人たちは、「この仕事は何のためにやるのか」「自分たちは何のために働いているのか」といったことを新入社員や社歴の浅い社員に、自分の言葉で伝えることが大切です。
 その際、必ずしも言葉で伝える必要はないのではないか? そう考えることもあります。言葉で表現することが苦手な人もいるからです。それでも、生き生きとした仕事ぶりから、言葉以上に「働く意味」が伝わってくるという人もいますね。これもひとつの人材育成力であり、その人の「自分の言葉」ではないかと思います。
 自社に経営理念が必要であるように、教育理念を明文化することが重要です。何のために、そのような考え方で人材育成するのか? ここを明示しておかないと、新入社員や後輩社員の持っている可能性が十分に引き出されてこないのではないかと思います。
 会社の考え、上司の考えという「型」にはめることが教育ではありません。そして、当然ながら社員が「何をやっても自由」というわけでもありません。新入社員には潜在能力と無限の可能性がある。と同時に、能力発揮の妨げになっている「何か」があることに、上司、先輩社員は気づく必要があります。それが何かについて、自ら気づかせることが大きな役割となるでしょう。
 新入社員にはこのように接するべき……という研修を、僕は毎年受講しています。しかし、接し方やメッセージの伝え方は人によって異なります。一人ひとり強みも性格も異なるのですから、自然にそのようになる。我が社の経営理念、教育理念に沿って育てることが重要ですが、前提条件としてあるのは「その人の幸せのために力になりたい」という気持ちを持つことではないかと思います。
 僕の知る限り、そういう気持ちは企業規模の小さな会社のほうが強い傾向にあります。僕が学生に対して、「地域企業への就職」を勧めている理由はここにあるといってよいでしょう。

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