第2回 素書きの効用

第2回 素書きの効用

おはようございます。
 ただいま午前4時15分。ちょっと早起きしてみました。ふだんより30分早く活動を開始しています。

昨日は書いているうちに、つい力が入ってしまいました。
 でも、「誰でも書けるようになる」という僕の思いは伝わったのではないかと思います。文章力が上達するには、とにかく書きまくること。できれば、感動とともに、あるいは奥深い味わいとともに書き表していきたいものです。
 いきなり話は変わります。僕の大好物は・・・実は「牡蠣」。20数年前のこと、毎日のように牡蠣を食べていた時期がありました。すると、通っていた居酒屋の店主から牡蠣ナイフをプレゼントされたんです。「魚屋さんで牡蠣を買ったほうが安上がりだよ」って。僕らの懐具合を心配してくれたのか、大量の牡蠣をむくのに疲れたのか? 今となっては謎ですね。
 好きな食べ方は、誰が何と言っても「生牡蠣」です。レモンもポン酢も不要。ただ、海水の味を口いっぱいに感じながら、その柔らかな食感を堪能する・・・。至福のひとときですね。

文章の書き方もまったく同じではなかろうか? そう思うのです。ものすごく強引な話の進め方で恐縮です。「生書き」こそ、執筆の基本だと僕は信じています。余計な味付けをすることなく、素材が持つ味だけを素直に言葉で表していく・・・。そんな書き方ができれば最高ですね。
 ときには、なかなか書けずにもどかしい思いをすることもあるでしょう。それでもやけになってはいけませんし、事実を無視して書いてもいけません。焼き牡蠣も蒸し牡蠣もそれぞれ味わいはあるものの、文章執筆においては「生」を基本にしましょう。
 第2回目のテーマは酢牡蠣・・・じゃなかった、「素書きの効用」です。

素材の味を感じながら、彩色を加えないで書く

素書き。辞書には「彩色を加えないで線だけで描くこと」と載っています。素描(そびょう)ですね。
 デッサン同様、文章を書くときにも素書きというやり方は有効なのではないかと思います。まずは、彩色を加えないで書いていく。素材の味を感じながら、それでも彩色を加えない。文章を書くことに苦手意識を持っていた一時期、僕はそんな書き方をしていました。今でも慎重に書こうと思う原稿には、この方法を採用しています。
 やり方は2通り。箇条書きとこざね法。
 僕の箇条書き歴は長く、高校時代にまでさかのぼります。中学時代には長文を書くのが得意だったはずなのに、高校に入るとさっぱり書けなくなっていました。そこで、事実あるいは自分の思いや考えだけをノートに箇条書きに。字数を数えたことはありませんが、1項目1行限定。短く書くのがポイントです。
 そうして、20~30行くらいになると、文と文とをつなげていくのです。たぶん、最初から文才のある人なら、こんなやり方はしないでしょう。頭の中でつなげてから原稿用紙(当時)に向かうはずです。だが、書けない人は文をつなげていくスキルが低い。だから、一度書き出してからつなげる必要があるのです。

社会人になると、学生時代よりも込み入った内容の文章を書く機会があるものです。僕はなぜか、写真の仕事と並行して文章を書くことになりました。ひどく苦労しました。当時普及期にあったワープロに向かって、小さな画面を見つめていました。液晶のディスプレイは、驚くなかれ「16字×1行」。小さすぎる。手書きより大変。最初に買ったワープロはあまり活躍しませんでしたね。
 次に使ったのはキャノワード360。これは当時最高と思える性能でした。しかし、僕の脳みその性能はイマイチだったようです。ワープロの画面に向かいながら、ほとんどマインドフルネスのような状態にありました。2時間たっても、3時間たっても、指先に指令が届かない・・・。やがてトランス状態がやってきます。丸一日ワープロに向かって200文字書くのがやっと。そんな状態でした。
 で、こざね法を思い出したんです。
 中学か高校のときに読んだ「知的生産の技術」(梅棹忠夫著、岩波新書)に載っている有名な手法。用意するのは名刺大程度の紙片(こざね)。これに短い文(単語でもよい)を書いていく。たくさんの紙片に書いていき、つながりのある紙片をまとめる。本には「端を重ねてホッチキスで留める」と書いてあったような記憶がありますが、ホワイトボードに磁石で留めるほうが便利ですね。ただの紙片ではなく、付箋紙を使えばさらに効率がアップすることでしょう。

箇条書きもこざね法も考え方はほとんど同じ。最小単位の文または単語を別々に書き出し、それをつなげていくというやり方。
・こざね法を思い出した
・「知的生産の技術」に載っていた方法
・名刺大の紙片
・短文か単語を書き出す
・今ならホワイトボードを使うのが便利
・付箋紙を使ってもよい

こんな感じで箇条書きまたは紙片に記入していきます。これをつなげて、パソコンで書いていくうちに肉付けされることになるでしょう。書きながら、「本の中では、ホッチキスで端を留める・・・と書いてあったはず」と思い出すのです。次第に「書ける」モードにチェンジしている自分に気づくはずです。

どうでしょう? 書きたくなってきたでしょうか? 
 まだその気にならない・・・という人は、生牡蠣+日本酒で気分を盛り上げてからチャレンジしましょう。では、また明日。
  

ソーゴー印刷株式会社

〒080-0046 北海道帯広市西16条北1丁目25
TEL.0155-34-1281 FAX.0155-34-1287

高原淳写真的業務日誌