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北海道の仕事と暮らし95 十勝経営者大学

北海道の仕事と暮らし95 十勝経営者大学

おはようございます。
 午前中は新入社員研修のテキストづくり。午後1時、十勝経営者大学第10講。講師は北海学園大学経済学部の西村宣彦教授。「持続可能な地域づくりと財政問題」というテーマ。夕張を主な事例として話が進んでいった。講義終盤では、グローバル資本主義が深化する中でどのように地方が生き残っていくか、考えさせられた。ここは今年度の十勝経営者大学のテーマ「経済学」の中で一番知りたかったところでもある。今回が今年度最終講。講義終了後、松田学長から修了証書が手渡された。このうち、5年連続修了し、第1期卒業生となったのは僕を含めて8名。ただひとり、I氏は5年間100%出席だった。素晴らしいことだ。帰宅後、早めの夕食。ひと仕事しようと思い、資料をプリントアウト。膨大な量がありビックリ。これをどのように原稿にまとめるべきか、作戦を練らなければならない。

意識して俯瞰、深掘りする

十勝経営者大学が始まったのは2015年1月のこと。経営者大学は、北海道同友会では札幌で古くから行われている人気講座。僕も一度だけ経営学の講師として参加したことがあります。十勝経営者大学学長の松田孝志氏は、わざわざ札幌まで通い続けて毎年受講し、札幌の経営者大学を卒業した人。そんな松田氏が「十勝にも経営者大学が必要だ」と考え、設立されてから5年経ちました。無事、第1期の卒業生が誕生。
 「経営学」から始まり、「北海道論」「教育論」「法律論」「経済学」。僕には今年の経済学がずいぶん難しく感じられました。もっと勉強しなければならないということでしょうか? 自分の興味の対象、あるいは自分の弱点がよくわかる。そんな5年間の講義でした。
 支部例会をはじめとする中小企業家同友会のさまざまな学びには、「実践報告」というものが多い。これはもちろん、自社の経営に役立つものであり、知識の幅を広げてくれるものでもあります。経営者大学にも実践報告が一部含まれていますが、どちらかというと理論中心。アカデミックな講義が多いというのが十勝経営者大学の特徴。30数年前に受けた大学の講義を思い出させてくれるような内容です。
 社会人になって35年目となります。目の前には常に現実の仕事があり、差し迫った悩みや問題が常にあるという状態。そうした中で生きていると、具体的なことばかりに目が向かい、全体を見渡したり、ひとつの問題を深掘りすることができなくなったりすることがあるものです。十勝経営者大学には限りませんが、自分で意識して、俯瞰したり深掘りするような習慣を持つことが大事ではないかと思います。
 企業経営者の場合、ある程度自分で自分の時間を確保することができるものです。現場の最前線で活躍している中堅、若手の人たちはなかなかこうした勉強の場を持ちきれずにいるかもしれません。しかし、十勝経営者大学の場合は、1月から3月までの毎週土曜日開催。週休2日の会社に勤務している人なら、無理なく受講できるはず。経営者大学という名称にひるむことなく、チャレンジしてほしいところです。むしろ、現役の企業経営者よりも、将来経営者を目指す人のほうが得るものが大きい。そんな講座です。

具体化と抽象化

新入社員にも、若手リーダーにも、中堅幹部にも、そして企業経営者にも、それぞれ何かしら抱えている悩みや問題があるわけです。
 その悩みというものは、多くの場合「具体的な悩み」ではないでしょう。僕は小学生の頃、「人は死んだらどうなるのだろう?」といった抽象的な悩み(?)を持っていましたが、成長とともに具体的な悩みが圧倒的多数を占めるようになっていきました。
 40代ともなると、自分の悩みだけではなくて、他人のことで悩む機会が増えていきます。部下を持つ人であれば、部下のことで悩むわけです。ですから、多くの部下を持つ人は多くの悩みや問題を抱えることになる。
 こうした悩みや問題は、「具体的な悩み」であるわけですから、「具体的な解決法」を知りたいという欲求が湧いてくるものです。もちろん、具体的悩みに対する具体的解決法というものもあるわけですが、すぐには答が見つからない、あるいは永遠に答えが出ないという問題も少なくありません。学校の試験では正解・不正解がハッキリしたものが多かったわけですが、仕事や人生において、答はひとつではないわけです。
 悩みや問題は具体的なものであっても、それに対する自分の解答は抽象的であったり、哲学的なものになったりすることがある。自分としては具体的解決法を導き出したいと思っているのに、スッキリした解決とはならないケースが多いのです。
 リーダーとなる人に求められることは、答(具体的な解決法)を学ぶことだけではなく、「解決に至るまでの道筋」や「答えの出ない問題に対する考え方」を学ぶことが重要でしょう。具体的な問題をいったん抽象化、概念化し、背後にある真因について考える。解決に至らないまでも、状況を一部好転させる……。そんな能力が求められます。若い人や経験の浅い人は現象面にとらわれがち。おそらく、抽象化、概念化には苦労することでしょう。
 したがって、日常から少し離れたところで「純粋に学ぶ」という時間が必要ではないかと思います。十勝経営者大学はそのような場所と言えるでしょう。また、同友会の支部例会やさまざまな勉強会でも「純粋に学ぶ」ことができるはずです。具体的な実践報告であっても、異業種の経営者の話が多いわけですから、自分の頭の中では絶えず「具体的事例を抽象化し、自社に置き換えながら聴いている」はず。
 具体化と抽象化。頭の中で頻繁にやりとりするうちに、問題解決能力が高まったり、哲学的に物事が考えられるようになっていくことでしょう。
 来週から始まる新入社員研修も、答の出ない問題について考えることになります。4月が目前に迫ってきました。

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