
おはようございます。
朝7時半出発。ふたりのI氏とともに美幌へ。センスが感じられるカフェ。コーヒーには丸みが感じられた。午後は小清水での取材。濤沸湖に大勢人が集まっていた。思ったよりも風が冷たい。ここは野鳥の楽園。超望遠レンズや望遠鏡が並んでいた。取材1時間、打ち合わせ1時間半。打ち合わせ後、小清水ツーリストセンターで川崎里実さんの「小清水の鳥 12ヵ月」原画展を観る。精緻な表現。野鳥の魅力が伝わってくる。ニハチ食品でとばを大量購入してから帰途につく。途中、プレ取材的活動があったようだが、詳細は僕にはわからない。8時半帰宅。
食べ物は最強の「現物」
広報活動にはさまざまなやり方がありますが、もっともよく伝わるのは「現物を見せながら伝える」ことでしょう。昨日は野鳥の観察会。望遠鏡でようやく見えるというくらい遠くにいる野鳥であっても、実際に存在しているからこそ、リアリティを感じながら情報を受け取ることができる。現物に勝るものはありません。
僕は講演会等では写真を多用するほうです。現物を見せられない場合は、写真や動画を使うことになります。現物には敵いませんが、写真は言葉以上に語ってくれることが多い。僕は長年、自己表現のために写真を撮ってきましたが、近年では情報伝達のために撮る機会も増えてきました。このほうが本来の写真の持つ機能といえるのかもしれません。
僕の講演会やセミナーでは現物を用意することもあります。それは出版物、印刷物に限られる。出版や印刷に興味を持っている人には説得力のあるツールとなるでしょう。しかし、さほど興味がないという人にとっては「現物」として威力を発揮することはありません。
この点、強力な「現物」となるのは、何といっても「食べ物」でしょう。野鳥観察における野鳥と同じくらい、食べ物にはインパクトがある。その上、調理不要なものであれば、どこへでも持って行くことができる。僕の講演では視覚と聴覚への働きかけがメインとなりますが、食べ物があれば、さらに味覚、嗅覚、触覚が加わります。これは非常に伝わりやすい。食べ物を扱う人の講演、セミナーには敵わないな……と思うことがあります。
3月26日、北海学園大学で「大学生が行きたい就活イベント 十勝もありじゃない?! 企業の魅力再発見」が開催されました。僕は実際には見ていませんが、盛況だったようです。パンフレットをよく見ると、「十勝を味わうビュッフェ食べ放題」と書いてあって、十勝を代表するパンとお菓子の写真が添えられていました。食べ物に釣られて……というわけではないでしょうが、効果的であったことは容易に想像することができます。
就活イベント。参加する企業にとっては合同企業説明会ということになります。超売り手市場ですから、参加者数や参加者の訪問企業数がとても気になるところ。3月26日のイベントは「アットホームな雰囲気で好評だった」という不思議な報告が届きました。ある意味「十勝もありじゃない?!」というゆるいコピーに符合しているところもある。従来型の硬いイメージの合説とはずいぶん違っていたようです。
そのためかどうかわかりませんが、さっそく我が社にエントリーシートが届いていました。募集はウェブサイトでしか行っていませんから、就活イベント効果といってよいかもしれません。
ツールを組み合わせる
広報にしろ、広告にしろ、複数のツールを組み合わせることで効果が増していくということを僕らは学ばねばなりません。僕も頭ではよくわかっているはずなのですが、つい忘れてしまうことがあるものです。これは月刊しゅんのような強力な媒体を持っているためかもしれません。発行部数約13万部。そのうち大部分を十勝管内の各家庭に配布している。かなり強力な媒体。したがって、情報内容によっては印刷メディアだけで十分伝わってしまうのです。
ところが、伝えたいと思う情報であっても、伝わりにくい類いのものがあるわけです。就活情報もそのひとつといえるかもしれません。紙媒体での広報活動は当然のこととして、他のツール、たとえば就活イベント(合説)、インターンシップ、動画といったものと組み合わせることが重要となります。
自社が本当に売りたいと思っている商品に対して適切なプロモーション活動を行っているかどうか? このあたりは、しっかり検証すべきですね。これは僕自身の反省でもあります。自前のメディアを複数持っている。しかも、そのうちのひとつは発行部数13万部というメディア。ですから、自社広告を載せれば告知できるはず……という思い込みがどこかにある(そう思っているのは僕だけかな?)。伝え方とメディアの組み合わせ。ここが大切。
我が社の場合、食べ物という強力なツールを持っているわけではありません。ただ、まったく使えない手でもないようです。昨年の「スロウ村の仲間たち」では、スロウオリジナルブレンドコーヒーを提供しながらムック本「北の焙煎人」を販売し、期待通りの結果を得ることができました。そういえば、10年近く前の話ですが、スロウ20号記念イベントでは、「スロウオリジナルきびだんご」を無料配布したことがありました。
無理矢理食べ物に結びつける必要はないわけですが、自社の広報活動には「魅力的な現物」の活用を考えるべきでしょう。その現物が自社の認知度やブランド力向上につながるものかどうかも検討すべきところ。何でもいいというわけではありません。
スロウは5月25日発行の次号で創刊15周年を迎えます。7月25日発行の次々号は60号。節目となる号が2回続くことになります。何か、記念となるような活動がしたい……。編集部内でも話し合われていますが、まだ詳細は明らかになってはいません。きっと、次号の原稿をすべて入稿した頃にアイデアが湧いてくるのでしょう。