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北海道の仕事と暮らし98 新入社員受け入れ研修

北海道の仕事と暮らし98 新入社員受け入れ研修

おはようございます。
 朝は写真セレクト作業。9時、N氏とともに札幌へ向かう。N氏との出張は初めて。アート系の話。12時頃到着。宿に荷物を置いてから日創研札幌研修センターへ。12時半から新入社員受け入れ研修。この研修を受けて、今年で8年目。内容が大きく変わるわけではないが、毎回新たな発見があるような気がする。僕にとっては自社開催の新入社員研修に向けての準備という意味合いもある。6時頃終了。

先輩社員の学びと自社への浸透

新入社員研修には3つの要素があるのではないかと思います。ひとつは新入社員本人の学び。これが最大の目的であることは疑いありません。何しろ新入社員研修ですから。次に新入社員研修に参加する先輩、上司の学び。実はこれがものすごく大きい。僕の新入社員時代と今の新入社員との間には大きな違いがあります。考え方、感じ方の違いを知るだけでも参加する意義があるのです。
 3番目には新入社員受け入れ研修で学んだことを社内に伝えること。この研修に参加していない大半の社員に向けて、どのように伝えたらよいのか。ここが実は最大のポイントであり、我が社の課題ではないかと考えています。毎年考えて、伝え方を変えながら社内への浸透を図っています。しかし、ちゃんと伝わっているのかどうか、僕にはよくわからないところがあります。
 自分の新入社員時代とは違う。変わらないのは、「これから自分は社会人として一人前になれるだろうか?」という不安を抱えていることでしょうか。この点だけは34年前の僕も、今年の新入社員も同じではないかと思います。共通点も少なからずあるでしょうが、違っているところ、微妙にずれているところが実に多い。どちらが正しいということではなく、違いを知ることが人材育成の第一歩といえるでしょう。
 新社会人にとって、最初に入社した会社が自分の仕事観に大きな影響を与えることは間違いありません。僕もそうでした。わずか1年間しか在籍しませんでしたが、この1年が今も僕の仕事観の中心近くにあって、影響を及ぼし続けています。大きな組織だったので社長から影響を受けたことはありませんでしたが、部門のトップ、直属の上司、周囲の先輩社員。一人ひとりの顔が思い浮かび、どんな言葉をかけられたのか、今でも鮮明に覚えています。それほど、新入社員時代の1年間は重要な期間といえるのです。
 新社会人の場合は、ほぼまっさらな状態で入社してきますから、よい考え方も悪い考え方もそのまま吸収してしまうようなところがあります。たとえ悪気はなくても、やる気を失わせるような言葉や態度をとる先輩社員がいると、とたんに新入社員の仕事意欲が悪影響を受けることとなる。この点は本当に気をつけなければなりません。自分の発する言葉やちょっとした表情、態度。それがどのような影響を与えているのか? ちゃんとイメージすることが先輩社員や上司には求められます。
 そう考えていくと、新入社員が入社することのもうひとつの意義のようなものが見えてくるのではないでしょうか? 先輩社員、ベテラン社員が健全な仕事観を取り戻すこと。新入社員の入社は絶好の機会なのです。

地域ぐるみの人材育成

社歴とともに不健全になっていく……という人は、我が社にはいないはずですが、惰性に流されるという傾向は多少なりともあるのではないかと思います。目の前の仕事に追われてしまうと、どうしても「仕事をこなす」という気持ちになる。「仕事をこなす」から「仕事をつくる」という攻めの姿勢を持っている人は、我が社でも少数派かもしれません。
 一方、新入社員はまだ抱えている仕事がないに等しいわけですから、攻めの姿勢を持っているはずです。新しい知識や技術を身につけよう。そんなチャレンジ精神で日々を過ごすことになるでしょう。
 仕事に追われて、仕事をこなすのに精一杯という先輩社員が、そんな新入社員の指導役になると、どのようなことが起こるのか? 容易に想像がつくでしょう。先輩社員も攻めの姿勢に転じなければ、新入社員が育たないという厳しい現実が突きつけられることとなります。
 新入社員にとっては、大事な自分の仕事人生です。守りに入ってしまったような先輩社員に育てられたのではたまったものではありません。日本で離職率が高止まりしている背景には、新入社員と先輩社員・上司のミスマッチ(成長意欲のギャップ)も一因になっていると考えるべきでしょう。
 先輩社員、上司、経営者は、新入社員の仕事人生を豊かなものとするために最善を尽くさねばなりません。一人ひとりに自分の大事な人生があるわけですから、自分が幸せになりたいと願うのと同じように、社員一人ひとりの人生の幸せを考えることが大切。昔と今とでは、新入社員の育て方や接し方を変えていかねばなりません。けれども、根底にある考えが変わることはない。その人の人生に好ましい影響を与えるということ。我が社の先輩社員は、新入社員の幸せについて考えられる人物でなければなりません。
 今日と明日行われる新入社員研修では、参加する他社の社員さんにもサポーターとして関わることになります。自分の会社の新入社員と分け隔てなく接していくわけです。これも非常に貴重な経験となるもの。なかなかふだんできないことです。
 こうした経験は地元十勝に戻ったときに、何かしら役に立つものです。十勝の企業経営者の中には、地域ぐるみで人材育成しようという考え方を持っている人が多い。我が社の若手の人たちも、仕事を通じて人生の先輩たちと接する中で育てられたという経験を持っているに違いありません。
 単純に言うと、人が育つ会社が成長・発展していきます。範囲を広げて考えると、人が育つ地域が豊かで魅力的な地域となっていく。地域企業にとって、地域の発展は自社の成長と切り離して考えることはできません。自社の社員であれ、他社の社員であれ、その人の成長や幸せを考えて接することが何より重要なこと。そのあたりを再認識する2日間となるでしょう。

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