おはようございます。
朝3時半から次世代幹部養成塾の準備。ずいぶんギリギリ感を味わうこととなった。7時、次世代幹部養成塾第13講「新入社員研修からの学び」。新入社員研修に出てくる学びは、自分自身の学びである。改めて社会人としての基本に立ち戻る必要がある。9時、遠方から同業者のお客様。石川県と愛知県から。事業内容の説明、情報交換、会社案内。考えさせられるものがあった。午後はプレゼン資料作成。3時半、役員会。4時半、幹部会議。夕方、食事会のための買い物。夕食後、資料作成を再開するが、思い通りに進まない。
文章力地域格差問題
4月は毎年こんな感じで時間に追われる日々を過ごすことになります。そうならないよう、今年こそと思うのですが、毎年同じパターンに陥る。そろそろ体力勝負という仕事の仕方はやめなければなりません。これで万全というマニュアルをつくり、中堅幹部や若手リーダーに任せられる態勢を整えることが大事。まずは新入社員研修のあり方を変えていこうと考えています。2020年度の新入社員研修から講師が増員されることになるでしょう。
新入社員研修ばかりではなく、社内のあらゆる業務に当てはまりますね。自分でなければできない仕事というものを極力減らしていくこと。特異な能力を持っている人ほど、他の人にも代役が務まるよう、日常から任せられる態勢を整えなければなりません。
そういえば、去年読んだ日本経済新聞の「新入社員びっくり体験ランキング」の中に、「仕事のマニュアルがない」というのがランクインしていました。ほぼ同じような証言を、我が社の若手社員がしたこともあります。昔と違って覚えることがたくさんあるのが今の時代。効率的に業務を覚えたいという、向上心から出てくる言葉ではないかと捉えています。
「仕事は見て、体験して覚えるもの」といった古い価値観は封印すべきなのでしょう。今日のビジネスにマニュアルは欠かせないものとなっています。これを整えるのは、当然ながら「仕事ができる人」ということになります。仕事ができる人は仕事をいっぱい抱えている人でもありますから、実はなかなか進まないというのが現状。ですが、いつまでもいっぱい抱えきれるものではない。辛抱強く人が育つのを待つことも大事ではありますが、それよりも速やかにあるレベルまで引き上げることのできるようなマニュアルを作成すべきでしょう。
我が社にもマニュアルは存在しますが、今のところは業務の一部分に留まっています。しかも、クリエイティブな業務に関しては、ほとんど存在しないのではなかろうか? したがって、技術の伝承という点ではハッキリ言って心許ないところがあります。この大問題(?)に、僕らはどこかで本腰を入れて取り組まねばなりません。
昨日、同業者の方々と情報交換する中で、「地方には文章力を持った人が少ない」という話になりました。出版社の80%以上が首都圏に集中していますから、もっともなことなのかもしれません。プロの書き手はやはり東京に集中しやすい。道内であれば、札幌に集まることになるのでしょう。
この状況をどのように変えていったらよいのか? これは地域出版に取り組んでいる会社だからというわけではなく、異業種の会社にとっても無関心ではおられないのではないかと思います。
人類の進化とコミュニケーション力
人類は5万年ほど前に言葉を使うようになった。本当はいつのことなのかわかりませんが、いつしか言葉による複雑な情報伝達が可能となったわけです。人間は言葉を使うことで進化したといってよいはず。さらに1万年ほど前(7、8000年前かも)に文字が発明された。何らかの媒体に情報を記録するという大発明。これによって、情報が保存できるようになり、蓄積されるようになっていきました。
言葉という第1の情報革命、文字という第2の情報革命を経て、人類は第3の情報革命である「印刷」という情報伝達手段を手に入れます。そして、今は「インターネット」という第4の情報革命が進行中であることは誰もがご存知の通りです。
いずれにしても、ここで重要なのは、「いつの時代においても言葉が主役」であるというところ。映像の時代とはいっても、言葉の助けなしにはメッセージは伝わりにくい。人類は言葉を使うことで人間らしくなり、言葉を捨てることは永遠にないわけです。
そう考えていくと、言葉によるコミュニケーション能力の高い会社、高い地域ほど発展するということになるのではなかろうか? そう単純には言い切れませんが、自社の発展とコミュニケーションとの間には密接な関係があると考えるべきでしょう。あうんの呼吸とか、見ればわかるだろう……といった考えは今の時代にはそぐわない。若手の人、とりわけ能力の高い人ほど合理的に仕事力を身につけたいと考えているはずです。
メールを1本送るにも、マニュアルを作成するにも、ちょっとした文章力が必要になるわけです。必ずしもプロの書き手を目指す必要はありません。日常業務に必要な文章力を手に入れる。これは今日のビジネスパーソンには必須と言えるのではないでしょうか?
そんな理由もあって、昨年「写真家的文章作成技法」という文庫本を出版したわけですが、これをもう少し改良しようと目下チャレンジしているところです。
日本人の場合、多くは日本語を使って会話をしています。ですから、日本語の文章を書くのはさほど苦にはならないはず。なのに、「自分には文章力がない」と思い込んでいる人がやたら多い。理由は単純なところにあると僕は考えています。
僕が取り組みたいと思っている一番のマニュアル化は「文章作成技法」。本にまとめはしましたが、これをもっとマニュアルらしくしてみたい。来年度の新入社員研修には間に合うのではないかと思います。