
おはようございます。
午前9時出発。I氏とともに北見へ。1時間20分前に目的地に到着した。ゆったりとした昼食。取材は午後1時から。ピアソン記念館を訪れるのは2度目。前回とは別テーマの取材だが、ピアソン夫妻の理念が継承されている活動だと思った。4時頃取材終了。7時帰宅。
30年前と今日の経営理念
先週末の新入社員研修では「我が社の理念と価値観」をテーマに講義と意見交換が行われました。自分の勤める会社の理念や価値観を知ること。単に知るだけではなく、その意味するところを理解すること。まずここが新入社員にとって必要なことではないかと考えています。
理念には共感が、価値観にはなじむことが求められます。もし共感できない理念を持った会社に入社したなら、マイナス感情を持ったまま働き続けることになるでしょう。そのようなことが起こらないよう、二次面接の場では我が社の理念や価値観についてしっかり説明するようにしています。だから、新入社員は誰もが我が社の理念と価値観を、頭ではよく理解して入社しているはず。これをもっと掘り下げて考えよう……というのが講義の目的です。
一見平凡な言葉のように見える理念であっても、一つひとつの言葉に歴史的な意味や思いが込められているものです。これは我が社の経営理念に限らず、他社においても同様でしょう。それぞれ長い時間をかけて考え抜かれ、経営理念として短い言葉に集約されている。無駄な言葉はなく、ひとつの単語に深い意味がある。我が社では経営計画書の中に、一つひとつの言葉の定義を載せています。しっかり読み込めば、100%理解できるに違いありません。
それがどのような歴史的経緯を経て誕生したものなのか? このあたりをきちんと伝えることが重要。ですが、我が社の創業期について僕は正確にはわかっておらず、大部分は僕の想像によって伝えるほかありません。もう一度、昔の社内報を読み返してみる必要があるな……。講義が終わった後、改めてそう感じました。
おもしろいと思ったのは、1989年に先代がつくった社是と今日の経営理念とを比べてみたこと。みんな的確なコメントを述べている。新入社員でありながら、我が社の本質を見事に捉えているように感じられました。
30年前と今日とでは経営環境も社会情勢も人々の価値観もずいぶん違っているはずです。したがって、経営理念の文言も違ったものとなるのは当然のこと。根底に流れている精神は不変であったとしても、文章表現としては変えたほうがよいケースもあるものです。1989年当時の我が社の社是は、精神としては今に通じるものの、今日には当てはまらない言葉が含まれていました。今では通用しない理念(社是)ですが、当時の自社を知る手がかりとしては興味深いものといえます。
一方、同時期につくられた行動指針(社訓)のほうは、今でも十分に通用する言葉。先代も気に入っていたのでしょう。額装され、今も朝礼室に掲示されています。確かにこの通りだよな……と思うことが多い。一つひとつの言葉の中に我が社の経営課題を見つけることができる。それだけに、ちょっと耳の痛い言葉でもあります。
今日の我が社の行動指針は「プラス思考」「本気」「感謝」というシンプルな言葉にまとめられています。これも17年前に考え抜いて、この3つの言葉に集約させたもの。なぜこの言葉なのか、なぜこの順番なのか? 我が社の社員はそれを知るだけではなく、日々の行動に反映させる必要があります。
公開しないと後悔させることになる
少し硬い言い方になりますが、会社は僕を含む社員全員に対して理念行動を求めています。自社の理念に沿った仕事の仕方、生き方ということですね。勤務時間外であったとしても、「ソーゴー印刷社員」という立場は変わらない。我が社の理念や価値観に反する(または大きく逸脱する)行動・言動があってはなりません。
価値観は一人ひとり異なるもの。ですが、持っている価値観が自社の価値観と大幅に異なっていると、何かと問題が発生するものです。違いはあっても、ある程度の範囲内に収まっている必要がある。
したがって、「自分はどういう価値観で生きているのか」「物事に対してどのような考え方を持っているのか」といった事柄について、深く考えてみる必要があると思うのです。入社間もない今は、そうしたことを考える絶好のチャンスといえます。
ある程度異なる価値観を持っていたとしても、自社の価値観になじむようでなければなりません。無理に変える必要はないものの、仕事を通じて長い時間をかけ、自社の価値観からよい影響を受ける……。そんな生き方が好ましいのではないかと僕は思っています。価値観とか信条といったものは、無理に他人から変えさせられるものではない。けれども、かたくなに自己防衛するものでもないはず。よい考えは柔軟に取り入れる。それが自分を成長させるための基本姿勢といえるでしょう。
どの業種、どの会社にしても、自社の理念や価値観を明確にし、それを公開する必要があります。「入社してみて初めてわかった」というのでは、入社する人に対し、気の毒と言わざるを得ません。「こんなはずじゃなかった」と後悔させないためにも、自社の経営理念及び理念体系を成文化することが重要なのです。
今年も中小企業家同友会とかち支部の経営指針研究会がスタートします。今日4月15日はオリエンテーション。リブラス(株)代表取締役、櫻井英裕氏(くしろ支部経営指針委員長)の実践報告。講演内容はもちろんですが、これから3月まで続く研究会がどのように展開していくのか楽しみです。とかち支部に限らず、経営指針成文化と実践のムーブメントを全道に広げていかねばなりません。