
おはようございます。
昨日は午前中に新入社員研修第7講と8講を行いました。テーマは「キャリアデザインと人生の異質化戦略」「コミュニケーション2 思考力と人間力」。新入社員4名に加え、インターンシップ生1名も研修に参加。新入社員研修は会社によってずいぶん違いがあるはず。きっと新鮮な体験をされたのではないかと思います。
「キャリアデザインと人生の異質化戦略」は、昨年末出版した「激訳・キャリアデザイン」とテーマが重なります。同書の中にも異質化の話が出てきます。僕は「同質化」「差別化」「異質化」の3つがあるとすれば、「異質化」する道を選ぶべきではないかと考えています。人生戦略として異質化することを検討したほうがよいと思うのです。
ただ、「異質化」とか「戦略」といった言葉は、新社会人または学生の人たちにはなじまないかもしれません。また、「戦略」という言葉そのものにも違和感を覚える人がいるのも事実。僕も平和主義者ですから、戦略を「ストーリー」と言い換えるなど試みたことがあります。けれども、どうもピッタリの言葉が見当たらない・・・。つい「○○戦略」と使ってしまいます。
パワーポイント62ページに及ぶ講義。しかし、本当に伝えたいメッセージはひとつかふたつなのかもしれません。
「自分の一生の仕事を持っていますか?」「持とうとしていますか?」ということ。これは、自分にとって損か得かという観点から選択したのでは、得られないことが多い。その世界に飛び込むことになったきっかけは、些細なものでも構わない。けれども、仕事や研究に打ち込むうちに、強烈な動機を発見するとか、使命感のようなものを感じるようになっていくものです。また、そう感じるまで力を抜いてはいけないと思うんですね。
企業に入社すると、自分のすべき仕事が上司から与えられる。多くの場合、選択の自由はほとんどありません。けれども、その仕事に本気で取り組み続けると、興味、関心、問題意識、新しいアイデア・・・といったものが湧いてくるものです。中途半端に働くと湧いてきませんが、本気レベルになると必ず湧いてくる。
そんな働き方を数年続けると、今度はどういうことになるのか? 「もっと深い世界へ進みたい」、または「自分の専門分野をもっと広げていきたい」ということになることでしょう。そのようにして、ある分野におけるプロへとなっていくわけです。期間でいうと「プロになるための目安は10年」と考えてよいと思います。
10年というのは、これまでスロウの取材でさまざまなジャンルのプロから聞いてきた言葉。人によっては5年だったり、20年だったりするかもしれません。本気で10年。これができれば、相当なレベルに到達できるような気がします。
目先の損得に惑わされることなく、ビックリするほど手間のかかる、まだ誰も手をつけていない仕事に命懸けで取り組む・・・。そんな働き方ができれば最高ですね。我が社の中にも、そんな仕事がいくつかあるはずです。我が社の中に埋もれている「将来性のある事業」は、将来有望な若手社員によって発掘されることのを待っている・・・。わかるでしょうか?
昨日の午後は帯広空港までT社のW社長を迎えに行き、池田、十勝川温泉を見学。午後6時からは、中小企業家同友会とかち支部相談役のS氏、事務局のK氏と合流し、「個室乃一心」で会食。
その中では、今日夜行われる講演テーマに通じる話がいくつも出てきました。演題は「地域と共に生きる ~持続可能な企業をめざして~」というオーソドックスなものですが、そこに込められている意味がやはり深い。
そして、僕はW氏の話と午前中の新入社員研修との間に、共通項のようなものを見いだしていました。
ひとつは、当然ながら地域の中にも「将来性のある事業」がたくさん埋もれているということ。それは手っ取り早く儲かりそう・・・といったものではなく、地域の人々から本当に必要とされているもの。目先の損得にとらわれると、目が曇ってしまって「真のニーズ」に気づかないことがあるものです。僕らも目が曇らないよう、純粋な気持ちであり続けなければなりません。
また、もうひとつは「目の前にある課題に本気で取り組む」というところ。僕は「本気」という言葉の意味を取り違えて考えていた時期があって、ようやく本気について少しわかってきたのは、40歳を過ぎてからのことでした。もし、20代のうちにわかるようになったら、きっと素晴らしい仕事人生を歩むことになるのではないか? そんなふうに僕は期待しています。だから、新入社員研修には特別力が入ります。
今年は2月、3月、4月に分散させて開催するという、変則的な日程。また、各部署のニーズに応え、実務研修も今年から実施されます。新入社員にとっては、大きな成長の可能性を秘めた3ヵ月となるでしょう。
波瀾万丈の人生もあれば、平坦な道のりと思える人生もあると思います。けれども、どんな人であっても「本気さ」とか「真摯な態度」といったものが欠かせないのではないかと思います。
僕自身、人生前半ではいい加減な生き方をしてきたところがありました。そうした生き方に対し、必ずといってよいほど「軌道修正を迫るような出来事」がやってくるものです。そのメッセージをちゃんと受け止めることが大事。
メッセージは最初から本気で生きてきている人にもやってくる。さまざまな講演を聴いたり、本を読むと、本当にさまざまな形でメッセージ性のある出来事がやってくることがわかります。
自分ひとりでは何パターンも体験できません。たくさんの本を読む。講演を聴く。これらはこれから自分にもたらされるであろうメッセージを、正しくキャッチするために必要な感性トレーニングと考えるべきでしょうね。
「激訳・自分史作成講座」は24日再開予定です。
