
おはようございます。
朝7時出発。札幌へ。取材は10時から。とても興味深いビジネス。我が社の事業にとっても参考になる話だった。次の取材は石狩。こちらはものづくり系。素材こそ違えど、我が社と同じような課題を持ち、そこから大きく踏み出した商品を開発している。おもしろい上、大きな需要が期待できる商品。現物を見るとほしくなってくる。製造現場はさらにおもしろく、印刷工場に近いものを感じた。夕方は北海学園大学へ。打ち合わせ2件。インターンシップとツアー関連の話。6時20分頃終了。10時過ぎ帰宅。ものすごく眠く、8時間熟睡した。超早起きの日が続いたので、その反動が出たようだ。
情報密度
取材では必ずといってよいほど、自社の事業展開や商品開発に役立つものはないだろうか……と考えてしまいます。かなり高い確率で役立つ情報に出合う。ただし、そのまま真似るようなことはありません。真似をしてうまくいった試しはほぼない。このあたり、経営者の考え方やその会社の企業文化によって大きな違いがるのではないかと思います。
講演会やセミナーなどで多くの経営者の話を聴くと、「TTP(徹底的にパクる)」とか「3つパクればオリジナル」といった話が出てきます。ここでいう「パクる」は悪い意味ではありません。素直に学んで実践するといった意味合いでしょう。
僕もそのようにしたいのですが、どうにもそのようにできないところがあります。僕だけではなく、我が社全体、そのような社風というか企業文化を持っている。「自分のやり方」にこだわってしまうところがあるのです。
ですから、講演会、セミナー、読書などで有益な情報を得て、「こんなことをやってみたら?」と社内で勧めても、それを実践しようとする人は非常に少ない。たぶん、「自分が見つけたやり方」とか「自分が本当にいいと思ったもの」しか、信じることができないのでしょう。僕にもそのような面がありますから、社員のみんなにも押しつけることはしにくい。ここが我が社のちょっとした弱点かもしれませんね。
素晴らしい講演を聴いても、セミナーを受講しても、多くの本を読んでも、短期的に成果が得られるという可能性は低い。しかし、そうした努力を継続している人たちは、しばらくたってから、どこかが違ってくるものです。いつの間にか成長していたり、素晴らしいアイデアを生み出したりするもの。
たくさん学べば学ぶほど、情報の密度が高まっていく。そのうち、何かがきっかけとなって化学変化のようなことが起こる。そうして、ひらめきが誕生するのです。いつ学んだことが役立ったのか、その時点ではわかりません。自分としては100%オリジナルのアイデアだと思い込んでいる。けれども、元をたどると過去にインプットしたさまざまな情報が組み合わされて、アイデアが生み出されたことに気づくはずです。
多くの人は目先の損得を求めてしまいます。ですから、「このセミナーを受けたら何の得があるのか?」などと考える。わずか2時間程度の講演会ですら、参加することに躊躇する人が少なくありません。人生には娯楽も必要ですが、娯楽よりも学びを優先させる必要があるのではないか、と僕は考えています。たまに娯楽を優先させることがあってもよいとは思いますが……。
ハードワークに安住してはいけない
学生の頃、勉強を楽しいと思ったことは少なかったのですが、40歳を過ぎた頃からようやくその楽しさがわかるようになってきました。僕の場合はちょっと遅すぎますね。社会人になってすぐに、「学ぶことが楽しい」と気づいた人は、きっと大きな実績を残す人となることでしょう。
自分を本当の意味で豊かにするものは、お金でも物でも不動産でもなく、知識や感性なのだということ。知識や感性は、失ったり、目減りしたりする心配のない、もっとも安心できる資産といってもよいでしょう。なぜ、そんな資産を増やそうと熱心に努力する人が少ないのか、ちょっと不思議な気がします。もっとも、僕も30代までは、そうした意識をあまり持っていなかったわけですから、人のことを言える立場にはありません。必要に迫られなければ、気づかない。ここが僕のちょっと愚かなところです。
僕の大きな勘違いは30代の頃のハードすぎる仕事の仕方にあったのではないかと考えることがあります。熱心に仕事をしているから自分は大丈夫なのだ……。本当のところ、心の中では不安でいっぱいだったのですが、ハードに働くことでそうした不安を拭い去ろうとしていたところがあった。何か重要なことを身につけぬまま、30代を過ごしていた。本心では気づいていたのでしょう。
今の我が社を見ると、気づいて自分の意志に基づいて継続的に学んでいる人と、ハードな日々に身を任せている人の両タイプがいると思います。あるいは、8時半から17時半まで大過なく過ごせばよいと考えている人もいるかもしれません。
ですが、せっかく意味あってこの世に生を授かったわけですから、意味のある時間の使い方をしなければなりません。それは自分の持っている能力を最大限に活用して、世の中のためになるような仕事をすること。単に働くというだけではなく、自分の能力をとことん磨いて、付加価値の高い仕事をするということですね。これは会社のためにそうするというのではなく、自分の存在価値をかけてそうすべきだと思うのです。
昨日の2件の取材を通じて、僕はそのことを強く感じました。普通に仕事をしていれば、普通に充実した日々になるのかもしれません。でも、10年、20年たってから、「どうしてあのときもっと自分を高めなかったのだろう?」と後悔するような生き方をしてはいけない。我が社には「今が伸び盛り」という人が多数いますから、仕事だけに熱中するのではなく、学びにも熱中してほしいと思っています。僕もまだ「伸び盛り」のひとりです(たぶん)。